第19話
「これで終わり。じゃあ私は例のマングローブが自生しているところに行ってくる」
今すぐに樹液が炭酸水なマングローブのところに行こうとするロスさんに必死にお願いして、何とかダンジョンを囲む壁とダンジョンに挑む人達が利用できる建物を建てて貰った。
結構装飾に凝るロスさんにしては建物は豆腐だし壁もホントにただの壁だけど。
耐久性はバッチリだろうし問題無いだろう。
と言うかこれ以上引き止めるとロスさんが暴走しそう。
「ロスさん有難うございました」
ロスさんを見送り、キュアノス島のいつも生活しているエリアに帰ってきた。
ダンジョンを一般開放する事になったしダンジョンを囲む壁の中といつも生活しているエリアをそれぞれ町として名前をつけた方が良いかもな。
と言っても町の名前なんてすぐに思いつかないから思いつた時に適当につけよう。
「あっ、そう言えばセラスにダンジョンを一般開放するって伝えて来るの忘れた」
セラスも自分のダンジョンに人を呼びたがってたし、問題ないだろう。
何も相談せずにって文句は言われるだろうけど最終的には喜ぶだろうきっと。
「飛行船はアイが趣味全開で作った物が有るからそれを使えば良いだろうし。後はこの話を各国の王族に持って行って詳しいことを決めるだけかな」
そこが1番時間がかかるかな?とも思ってるけど。
ちなみにアイの趣味全開の飛行船とは某機動戦士の白い木馬にそっくりな飛行船のことだ。
この世界の飛行船は空飛ぶ帆船って感じだから目立つってレベルじゃない。
嫌いじゃないけどね。
ただ俺としてはガラン〇ェールの方が好み。
空飛ぶ帆船もハジメくんと一緒に召喚されて生産系のチートスキルを貰った元日本人が作った物だから、その子の趣味なのかも知れない。
とりあえず今日はやる事やりきったのでお風呂に入って明日に備えてとっとと就寝した。
明日も忙しいだろうし……。
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「今日はグラトニー専用の金属融解液の素材集めだ」
グラトニーに対して有効な効果を発揮する金属融解液は当然だけど無から生み出されているわけじゃない。
作るには様々な素材が必要になる。
作り方については秘匿するつもりは無いので国にレシピは教えてるし、俺達が必死になって量産する必要は無いけど。
作れる時に作っておいた方が良いと思うので纏まった量の素材を集めておく事にした。
「先ずはこのダンジョンにいる熔鉄アリのギ酸」
ギ酸を使って鉄を溶かして、それを素材に蟻塚を作るアリの魔物らしい。
当然、鉄で出来た蟻塚の防御力は厄介だし。
アリの魔物なので数が多いところも厄介だ。
ただし、蟻塚にちょっかいを出さなければ熔鉄アリの大群に襲われることは滅多に無いそうなので、対処自体は割と簡単。
「蟻塚にちょっかいをかければ一目散に襲いかかって来るし回収する為に歩き回る必要が無くて良いね。想像以上に数が多くて、もう地面が見えないけど…」
熔鉄アリが出てくるダンジョンをフェムトに教えて貰って熔鉄アリ以外はガン無視で進み、結局大量に倒すんだから、敵対してくれた方が楽で良いよねと熔鉄アリの蟻塚を破壊すると熔鉄アリが地面を覆い隠す勢いで湧いて出て来て襲いかかってくた。
流石にこれだけの数が出てくるとは思って無かったから、近くに冒険者がいると巻き込んじゃうかもとちょっと焦ったけど。
幸い近くに冒険者がいなかったので助かった。
今は凍らせた熔鉄アリを収納魔法にどんどん仕舞っているところだ。
ギ酸の回収方法なんて知らないので解体とかはせずに全部持って帰る。
解体自体得意じゃないし。
魚系の魔物だったらキレイに解体出来るんだけどね。
集める素材は熔鉄アリのギ酸だけじゃないので、集め終わったらすぐに次の素材がある場所に向かう。
「次はヌルヌル草、魔物と違って向こうから来てくれないし、コレは時間がかかるな」
ヌルヌル草はゼンマイのような植物で、別に触ってもヌルヌルしていない。
ただ、すり潰すとローションみたいなヌルヌルの液体になる。
この世界だとローションみたいなと言うかローションとして使われている。
「コレが1番数が必要なのに1箇所に生えてる数はそんなに多くないし、フロア中歩き回らなきゃ行けないなコレ…」
と言うか傍から見たらローションの素材だけを大量に集める変人じゃない?
ヌルヌル草はダンジョンで採集してるんだけど。対して難易度が高くない場所なので、それなりに冒険者が出入りしている。実際、ヌルヌル草の採集中、何度も冒険者とすれ違った。そう言えばすれ違った冒険者は全員大なり小なりコイツには出来るだけ近づかない方が良さそうって感じだったな…。
確実に変な人判定された。と落ち込みつつも集めない訳には行かないので心を無にしてヌルヌル草の採集を続ける。
採集が終わったあとに1本でも採集すればロスさんが増やせたんじゃない?もしくはセラスのダンジョンで生やして貰えば良かった
じゃんと気づき、1人発狂した。
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読んでいただきありがとうございます。
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