第10話

「そういえばオパビニアが砂の中で捜し物していたって事は砂の中にも何かいるってことだよねきっと」


オパビニアを収納魔法に収納してから、砂をゴソゴソしてみると、人間の拳ぐらいのサイズのハマグリ?アサリが出てきた。


「実は貝ってあんまり好きじゃないんだよな。それに砂吐きさせなきゃいけないから凍らせて収納魔法に仕舞っちゃう事も出来ないし」


収納魔法は、微生物とかは関係ないけど。

生きてるものは収納出来ない。

けど、アサリとか砂吐きさせてから食べなきゃ、口の中がジャリジャリになること間違い無しだろうし。


小さい頃砂吐きをちゃんとして無いアサリを食べてから苦手になっちゃったんだよね。

ホタテとかは普通に食べれるけど。


その為には生きたまま持ち帰る必要がある。

ダンジョン内だし荷物になるのでそのまま砂の中に戻した。


「貝だけじゃなくて、なんか動いてるのもいるみたいだよ?」


そう言いながらシャルが砂の中に手を突っ込んで、砂の中で動いている何かを掴み引っ張り出す。


「何それ!?フェイ〇ハガー」


とある映画に出てくるモンスターそっくりの魔物が出てくる。

卵を産み付けられるなんて嫌なので、速攻で氷漬けにして収納魔法に仕舞う。


シャルはそんなに慌ててどうしたの?って反応をしたけど。

ダンジョンの攻略が終わったらコレが出てくる映画を見せてやろう。


これ以上、砂の中から変な物が出てくると嫌なので、気を取り直して先に進む。


「それにしても、変わった魔物ばっかりだね」


ヘリコプリオンと言う螺旋状に巻かれた歯を持つサメに遭遇したり。

なんと言うか俺が想像する地球外生命体っぽい魔物が沢山出てきた。


いや、大昔地球上で存在した生き物なんだけど。


折角だったらバシロサウルスとかプレシオサウルスとかそんな感じの魔物と遭遇したかったなと。


「コウが相手に攻撃させる間も無く倒してるから、スイスイ進めて楽で良いね〜」


3階以降は、サーチアンドデストロイの勢いで魔物を倒しているので、戦闘と言う戦闘は1度も起きてない。

なので、シャルの案内でゴール目指して水中を泳いでいるだけ。

もっと言うと大昔の海中を散歩しているだけみたいなノリだ。


「あっ!ダンクルオステウス」


こいつの軟骨はビーズクッションの素材になる。ちゃんとビーズクッションは改修されて1度使うと自分の意思じゃビーズクッションから立ち上がれなくなるって言うヤバい物じゃなくなってる。


おかげでビーズクッションは大人気。ダンクルオステウスの軟骨だけじゃ足らないので、ほかの素材も試して見てるらしいけど。

未だにダンクルオステウスの軟骨を超えるビーズ素材が現れないとカナデさんが言っていたので、ダンクルオステウスがこのダンジョンにいるなら好都合。


「素材に使ったのは異世界のダンクルオステウスだから、全く同じかは微妙だけど」


全く使えないということはないだろう。


それより、世界樹の樹液を加工したビーズを使えば更に最強のビーズクッションを作れるんじゃないかって密かに思っているけど。

やばい物が出来るのは分かりきっているので実際に作り出したりする予定は今のところ無い。


「これで私もベットにできるビーズクッションが手に入る」


今出回ってるのは1人用のソファーとして使えるサイズだからね。俺が使って数日寝たままになった。ベットにも使えるサイズのビーズクッションは素材の量的にも作れなかったから。

今回素材が手に入った事で作れるようになるだろう。


シャルがダンクルオステウスを全力で探し始めて数匹倒してから次の階に向かった。


「結局、プレシオサウルス出てこなかったな」


地味に動いているところを見てみたかったプレシオサウルスが出てこなかったことに落ち込みながら次の階に進む。


洞窟を抜け、新しい階層に足を踏み入れた瞬間、海底火山が噴火して津波が起きる。

後、上から岩が降ってくる。

水中なのに結構な速度で降ってきてるんだけど…ダンジョンだからってことだろうね。


「骨と魔石だけの魚…ある意味アンデット階層?」


シャルの言う通り骨と魔石以外何もない魚の群れがこちらに遅いかかって来る。

確かにアンデット階層って事なのかな?


待って、ゾンビフィッシュとか出てこないよね?

水中でゾンビと遭遇したら腐った液体が水中に拡散されちゃうじゃん。

そんなことになったらテロだよ?


ゴースト系の魚はでてもいいから、ゾンビ系の魔物だけは出てこないでくれと願いながら

先に進み始めた。


「津波鬱陶しいし。食べれる魔物が出てこないからすごいテンション下がる」


魚は骨だけで出汁とったりしないし。

今のところゾンビ系の魔物は出て来てないから、それだけは本当に有難いけど。


「あっ、エビがいるよ!多分殻だけで中身ないと思うけど」


シャルが指を指した岩と岩の間を見ると伊勢海老が威嚇してくる。

エビなら殻だけでも使い道あるけど。やっぱり中身が有るならそれに越したことは無いよね。

だからと言って逃がすつもりは無いので倒して収納魔法に仕舞う。

殻しか無い分出汁として超優秀とか有るかもしれないし。



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読んでいただきありがとうございます。

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