第7話
「もう!起こしてくれれば、怒らないのに」
「いやーホントに申し訳ない」
突然現れたスッポンを捕まえる為に氷の壁を解除してしまったのでシャルは突然水中に放り出されることになってしまったので、シャルのことを怒らせてしまい絶賛お説教中だ。
ちなみにシャル自体は水中呼吸できるので、自分が水中に放り出されたことにキレているのでは無く、シズの羽毛布団が水浸しになってしまったことにキレている。
「それじゃあ、完全に目が覚めちゃったし。先に進もう。ゴールまで続いてる正解ルートに戻るだけで4時間かかるし。そこからゴールまでも5時間以上移動する必要があるから、こんなことで時間を無駄にする訳にはいかないよ」
道が入り組んでいる関係上、移動に結構な時間がかかるみたい。戦闘も有るから実際はもう少し時間はかかるだろうし。この階を抜けるのに迷わずに進んで半日かかるのか…。
もっと時間がかかった場所もあったし、驚きはしないけど、広いな〜。今日はこの階をクリアするだけで終わりだな。
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「アザラシの時も少し思ったけど。彼ら肺呼吸だよね?なんで水中しかないダンジョンで窒息死しないの?」
カイマン系の小さいワニの魔物を倒しながら、気になるなった事を聞いてみる。
「魔法を使えるから大丈夫なんだと思うよ?コウだってそうでしょ?」
翌々考えて見たら、俺も水中で肺呼吸してるな。やっぱり魔法って凄いな。
「魔法ってほんとになんでもできちゃうよね。アレ?先に進む通路が見当たらないよ?」
シャルの案内でダンジョンを進むと目の前の部屋は行き止まり。エコロケーションを使えるシャルが道を間違えた?
いや、それよりもこの部屋に隠し通路があるって方が確率が高そうだ。
「この流木のをどかせば、通路が出て来る。昨日破壊したのに、もう復活してる。ダンジョンもお仕事ご苦労様って感じだね」
そう言って容赦なく流木を破壊していく。
やっぱり隠し通路が存在するらしい。シャルが流木を壊したところ覗くと確かに先に進めそうな道が確認出来た。
「ここを通ればようやくゴールまで続いてる正解ルートだよ」
やっとか…。ここから同じ時間泳いでようやくゴールに到着だな。あと半分頑張りますか。
「うーん。ホントに長かった」
襲いかかって来る魔物を倒しながら迷路の様な通路を進んでようやく4階に進む洞窟に到着した。
洞窟を進んでいくと、また淡水から海水に変化する。
それだけじゃ無くて4階に近づくに連れてどんどん暗くなっていく。
パッと思いつくのは夜の海か深海。
とりあえず、暗いのは確定なのでライトを取り出して光源を確保する。
「凄い真っ暗。3階程入り組んでないけど、岩場が結構あってそこに通路があったり。今までに階をミックスしたような地形をしてる」
いつも通り新しい階に降りてすぐにシャルのエコロケーションで地形を確認してもらう。
イメージとしては障害物が増えた1、2階って感じ。
「暗い関係状この階もはぐれると面倒だから。3階にいた転移魔法を使える魔物みたいのが出て来ても対応出来るように注意しよう」
3階はこれのせいで半日無駄にしてるからね。今回はしっかり注意しないと。
まずは、転移が使えるか確認しておこう。
ライトで照らされている範囲内で目視のショート転移を発動させる。
「4階は転移の阻害をされてないみたいだね。一安心では有るね」
最悪はぐれても転移で合流出来る。
「それは良かった。3階ではホント酷い目にあったから」
シャルは電気うなぎにビリビリされちゃったらしいからね。
ニーズヘッグさんの抜け殻を糸に加工して作った防具を来てたから静電気がバチッってなった程度だったらしいけど。
真っ暗な水中を進んでいると、頭部の部分が透明で目玉や脳みそが丸見えの深海魚。
デメニギスにそっくりな魔物が現れた。
「痛った!攻撃する予兆全くわからなかったぞ。地味に痛いし」
突如、肩をそれなりの強さで殴られた様な衝撃が襲う。
デメニギスが攻撃するような予兆、全く無かったんだけど…。
避けれない攻撃って結構面倒だ。
と言うかシャルが超音波を使って攻撃した筈なんだけど。全く効いて無さそう?
これってもしかして?
「超音波、跳ね返した?」
デメニギスがシャルの超音波を跳ね返して俺の肩に直撃したのかも知れない。
こちらを特に警戒してなさそうなデメニギスに対して氷の槍を1本飛ばす。
氷の槍を飛ばす前に反射されても問題ないように氷の壁を目の前に作っておく。
氷の槍がデメニギスにヒットすると思った瞬間槍の向きが変わりこっちに飛んできた。
速度はこちらの元の魔法依存みたいなので
しっかり視認できた。
シャルの超音波攻撃は元から視認出来ない攻撃だったからな。
「反射能力か…厄介な能力持ちだな」
魔法だけなのか、どんな攻撃でも反射するのか、それ次第でも脅威度は結構変わるけど。
反射された俺の攻撃がシャルに当たったりしたら大変なことになるから、慎重に確かめるべきだな。
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読んでいただきありがとうございます。
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