第6話
時は少し遡り、シャルが迎えに来るのを待っているコウ。
「やっぱり水中だとやれること少ないや」
という事で中が空洞な正方形の氷を作ってその中の水を抜いて、そこで休憩している。
「シャルの方は結構魔物が群がってるな」
シャルは弱い訳じゃないけど。戦闘が得意じゃないからちょっと心配だけど。
ヤバそうだったらここからサポートしよう。
シャルを除いでほかは全部凍らせるとかもできるし。
「シャルの魔力の流れが乱れた。被弾した?すぐに元に戻ったから怪我は無さそうだけど。こっちからサポートをするか」
魔物を捌き切れて無かったし。
シャル以外を全て凍らせる。
氷から俺の魔力が感じられる筈だから俺がやったってすぐにわかるだろう。
氷をそのままにしてるとシャルがエコロケーション使えないし。そもそも移動が出来ないので氷を解除しておく。
あとは寝て待ってればその内シャルが迎えに来てくれる筈だ。
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「ん〜」
氷がガンガン叩かれる音で目を覚ます。
氷を叩いているのはシャルだ。
「無事合流できて良かった。この階は転移魔法に制限がかかってるみたいで、こっちから合流できそうに無かったんだよね」
自分を囲う氷壁を解除してシャルと合流する。
「だからと言ってガッツリ寝てるのはどうかと思う」
「下手に動いたら迷子になりそうだったし。ちなみにここに来るまでどのぐらいかかった?」
直線距離で考えたらそこまで離れて無かったけど。この階は入り組んでるから実際には結構移動する必要があったはずだ。
「4時間ぐらい」
やっぱりそれぐらい時間かかるか。
「それはお疲れ様。そう考えると、今日はここまでかな?」
1人でそれだけ移動してきたってなるとシャルも疲れてるだろうし。この階に昼夜の概念は無いらしく。まだ昼間のように明るいけど。外の時間からすればもう真っ暗な時間の筈。
「そうして。正直ダンジョンを1人で進んだ精神的疲れもあるし」
魔物が1度一掃されたとしてもダンジョンなのである程度するとポップしてしまう。
無警戒で進む訳には行かないので警戒も必要なので、疲れてしまうのも納得できる。
「俺はさっきまで寝てたからシャルが先に休憩してて良いよ」
休憩中は魔物避けのランタンを使うからそこまでしっかり見張りする必要も無いし。
「コウ。しっかりした料理が食べたいからさっきの氷の空間を作って欲しい。あと布団で寝たい」
それにしても、シャルも人間の生活に馴染んでるな。
ディルフィーニって体を半分づつ睡眠をとらせて、ずっと警戒しているって感じで生活していたらしいけど。
シャルは俺と生活してるからそんな器用なことはせず、ベットや布団で普通に眠る。
馴染んでくれた方が一緒に生活していて問題も起きないし、むしろ有難いけどね。
「はいよ」
サッと氷で囲んで水のない空間を作り出す。
ついでの魔物避けのランタンも起動させておく。
シャルが自分のマジックバックから布団を取り出していつでも寝れるように氷の上に敷いた。
シズの羽毛から作っている布団だからすっごいふわふわしている布団だ。
「寝る準備はこれで終わり。コウなんか食べるものだして」
テーブルをだして適当に何品か上において好きなものを食べてもらう。
俺は食べやすいしという事でサンドイッチにした。
「じゃあおやすみなさい」
「おやすみ。4時間後に起こしてね」
俺が寝ていた時間と同じという事で4時間後に起こして欲しいと言ってシャルは布団に入っていった。
布団に入って数分もしないうちに寝息が聞こえてくる。
「さてここから4時間大人しく見張りをしますか」
椅子に座り携帯ゲーム機を取り出す。
適当にダウンロードしてあるソフトの中から適当に選んで遊んでいたのだが。
「現実で魔物と戦っているのにゲームまでモンスターと戦うのはなんか違うな」
最初は日本で暮らしている時は毎シリーズ購入して遊ぶぐらい好きだった。モンスターをハントするゲームを遊んでいたのだが。
リアルでハントしてるし、ゲームでやる必要ある?という事で直ぐに終了させる。
どのゲームをやるか迷い最終的には、海外の農業シュミレーションゲームを遊ぶことにした。
「あれはスッポン?」
3時間程ぶっ続けだったゲームを1度終了させて、気分転換に外を眺めると。
スッポンによく似た魔物が泳いでいる。
魔物避けのランタンを起動しているので当然、スッポンによく似た魔物は現在進行形でこちらから離れていっている。
スッポンと言えば高級食材!と反射的に氷で作り出した空間から外に出て、スッポンによく似た魔物も討伐する。
「とったどー!」
討伐してから、こんな見た目なのにほんとに美味しいのかな?とか。やべぇシャルを起こす前に解除しちゃったから今頃シズの羽毛で作った羽毛布団が水浸しじゃんとか。
色々やらかしたことを思い出したけど、もう起きてしまったことを無かったことにするのは出来ないので、恐る恐る帰ると。
ガチギレしたシャルからお説教を受けることになってしまった。
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