水中ダンジョン攻略
第1話
「という訳でシャルと行くのは水中ダンジョンです」
イスカと行った異世界から帰ってきて数日。
次はシャルの番という事で何処に行くか聞いてみると水中ならどこでもいいと言うのでダイワに有る。水中ダンジョンを攻略しに行く事になった。
あのダンジョン宝箱も有るから、掘り出し物が手に入るかも。
「そうだ。ダンジョン行くなら、これつけて行って」
転移で背後に現れたフェムトの手で首にチョーカーをつけられた。
「コレは?」
「いや〜。コウがダンジョンに入るのは反則じゃないか?ってダンジョン神の所にダンジョンマスター達がクレームを入れてね。そのクレームが僕のところまで来たわけ。だから、そのチョーカーはクレーム対策」
まぁ、確かにダンジョンマスターからしたら俺はチートキャラかも知れないけど。
そうするとこのチョーカーは弱体化アイテムな訳だよね?
「因みにこのチョーカーはどんな効果が?」
「ダンジョン内での権能の使用制限」
権能の使用制限ぐらいだったら特に問題ないか。水属性魔法だけでも余裕だし。
ちょこちょこムチの使い方も教えて貰って練習してるから流水の短剣の扱いも上手くなって来てるし。
「それ意味あるの?権能の使用制限程度でダンジョン側が有利になる訳無いのに」
シャルの言う通り。権能が使えない程度で魔物に苦戦することは無いだろう。
その状態で神族と戦うのはごめんだけど。
後、精霊王達。流石に精霊王になっての年季が違いすぎるので、権能なしで戦うのはちょっと厳しい。
「ダンジョンマスター達がそう決めたんだから問題無いよ。これで文句行ってくるなら、そっちの要求を全部のんであげたのに、まだ文句言うの?ってキレても問題ないし」
フェムトは確実にそれを狙ってそう。
「それとちょっと関係有ることなんだけど。セラスちゃんがダンジョン神の眷属じゃなくて僕の眷属になりました〜拍手!」
なんで拍手なのかよく分からないけど。
言われた通り拍手をしておく。
「実際問題そんな事可能なの?」
「余裕に決まってるじゃん。ダンジョン神の権能を模倣すれば良いんだから」
そう言えば、フェムトの権能って他の神の権能をコピー出来る物だったね。
「今回、ダンジョン神自体は問題が有るって訳じゃないけど。連帯責任ってことで」
なんかダンジョン神が一気に不憫に思えてきた。部下のダンジョンマスターからどうにかして欲しいって突き上げくらって。
仕方なく同僚に話に行ったら圧をかけられる。
ダンジョン神、胃に穴あいたりしてそう。
「もっと言えば。世界神様だってコウにダンジョンを攻略しろって言ってるんだよ?まさかそれに逆らうの?って最後に言っといた」
あぁ、完全に胃に穴があいてるなダンジョン神。
「まぁ、地形とか環境ダメージとか。権能が使えないと面倒なことはあるかもだけど。精霊魔法は使えるんでしょ?」
転移とか結界が使えなくなると休憩とか行き帰りが面倒。だから正直、権能を封印するより精霊魔法を封印された方がダンジョンを攻略する気が失せてたと思う。
と言っても、アイが作った転移魔道具も有るし、今なら精霊魔法が無しでも案外問題ないかも知れない。
「権能だけだよ。あとはいつもと何も変わらないよ」
「だったら特に追加で準備したりとかもする必要無いな」
「そうだ。ダンジョンの入口近くって大きな町が有るんだよね?」
「確かある筈だよ行ったことは無いけど」
確かシマヅだったかな。ダイワもそうだけど。どちらも釣具メーカーを思い出す名前だよな。もしくは妖怪首置いてけ。
「折角なら、その町を少し歩いてからダンジョンに行かない?」
確かにそれも楽しそうだ。
「じゃあそうしよっか」
美味しい漁師飯とか食べれるかも知れない。
後はべっ甲細工とかも、もしかしたら有るかもな。
「とりあえず。ダンジョンの前に転移して、そこからシマヅを目指そう」
それが1番早いと思うからね。
と言う訳でダンジョンの入口前に転移して、そこからシマヅを目指す。
おっきい港町らしいから港から入ることも出来るだろうけど。絶対騒ぎになるので大回りして陸地の入口から普通にシマヅに入る予定。
「当然、水中から出てくるから驚かれるんだろうし。アイが作った動力付きの船で近づけば問題ないんじゃない?」
「いや、見たことない船が高速で近づいて来るのもじゅうぶん驚かれる」
そんな派手なことをすると確実になにか面倒な事に巻き込まれる。
ここは無難に陸地から冒険者として大人しく町に入るべきだ。
「うーん。無駄な足掻きな気もするけど。コウの言う通り町から少し離れたところで陸に上がって、そこから歩いて町に入ろう」
シャルに関してはむしろなにか起きた方が飽きなくて面白いとか少し思ってそう。
まぁ、町から離れた場所から上陸して歩くって言っても、歩いて30分ぐらいの場所ぐらいを予定してるし。そんな近くでなにか起きることは流石に無いだろう。
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