第48話
「ネレイド達の仕事の1つとしてこの珊瑚の養殖やってみない?勿論、ライトとして使って貰っても良いし」
ただ、この光る珊瑚。海水に浸かっている間はずっと光っぱなしだし。逆に鬱陶しいかもしれないけど。
その場合は別の場所に養殖場を作ってもらう事になるのかな?
明かり自体、ほかの物を用意している筈だし。
「私たちは珊瑚を建物の土台として使っていますし。珊瑚の体調管理には自信が有ります!ぜひやらせてください」
想像以上に食いついてくれたな。
まぁ、こっちの世界に来たばっかで、これから仕事を探したりする必要がある中で、自分たちの得意なことを仕事に出来るとなれば、こうなるか。
「じゃあ、この珊瑚の繁殖を仕事として任せるよ。給料を何にするかは後で話し合おう」
お金で払ってう事も出来るけど。キュアノス島限定のお金なのか、他の国のお金をなのか。
お金より物納が良いとか。ネレイド達の意見も聞きたいし。
「ひとまずは自分たちの住居の完成を目指すってことで構わないからね?俺が連れてきたんだし。当分は衣食住、全ての面倒を見る予定だし」
新天地どころか新しい世界に来ちゃった訳だし。
「ありがとうございます。当面は自分たちだけでも問題なく生活出来るよう頑張ります」
まぁ、全部おんぶに抱っこって言うのはネレイド達も気にしちゃうだろうから、無理をしない範囲で頑張って欲しい。
「とりあえず。今日はここまでにしてキュアノス島に帰ろう。歓迎会の準備もそろそろ終わってるだろうし」
ネレイド達は結構スピーディーに作業をしていたけど、時間はすでに夕方を少しすぎている。歓迎会の準備が終わっているどころか。
すでにお酒を飲んで騒ぎ始めている人もいることだろう。
「私達の為に準備をしてくれているのに、待たせてしまうのはいけませんね。土台部分は完成しましたし。きりもいいですし、今日の作業はここまでにしましょう」
広範囲に散らばって作業をしているネレイド達を1箇所に集合させる。
使っていた道具を収納魔法でいったん預かり、キュアノス島に転移した。
「おー、ベヒーモス(猪)の丸焼きにチョコレートフォンデュタワー?すっごい派手だね。歓迎会だし、このぐらい派手な方が良いかもだけど」
キュアノス島に転移して歓迎会を行う広場に向かうと。
ベヒーモス(猪)が串に刺されてクルクル回されながら丸焼きになっていたり、高さが3mぐらい有るのかな?ってぐらいでかいチョコレートフォンデュタワーが設置されていた。
インパクト重視って事だろうけど。
ほんとにインパクトが凄いな。
チョコレートフォンデュタワーとかそんなデッカイの1つ設置するんじゃなくて、小さいのをいっぱい設置した方がいいと思うし。
ベヒーモス(猪)だって切り分けて焼いた方が完璧な焼き加減で食べれると思う。
そもそもベヒーモス(猪)は燻製にするのが1番美味しかった。
普通に焼いて食べるのもじゅうぶん美味しいんだけどね。
でも、1度はこう言う食べ方してみたいなって食べ方だよね。
「チョコレートフォンデュタワーについてはアイちゃんがお母さんはチョコが好きだからって張り切った結果だよ」
なるほど確かにカナデさんチョコレートに飢えてたもんな。
「それに上の方は精霊と飛べる幻獣種が使えば良いからね」
そっか。飛べる人もいっぱいいるから巨大チョコレートフォンデュも案外無駄なく使えるのか。
「ちなみに屋外な訳だけど、虫対策は?」
「ロスが虫の嫌がる匂いを発する植物をはやして、リースがその匂いを風で広場中に循環させてるから、虫対策はバッチリ」
それは確かにバッチリだろうな。
因みにロスさんは地の精霊王、リースさんは風の精霊王だ。
この2人は当然の様にこの島に住み着いている。
頼りになるしいてくれた方が便利ではあるけど…。自分の支配領域の方は良いのだろうか?
それに関しては俺も人のこと言えないか。
「で、やっぱり歓迎会自体は始まってるのね」
みんなお皿に料理を乗せて騒ぎながら歓迎会を楽しんでる。
「メインのベヒーモス(猪)の丸焼きには手をつけてないみたいだね。メインは主役が来てからってことだろうね」
なるほど。そこら辺は考えてあるのか。
豪華なご飯を前にいつまでも待て!って言うのも辛いからね。
「それじゃあ、みんながメインの料理を食べれるように、ネレイド達にベヒーモス(猪)の丸焼きを切り分けようか。折角なら、俺が切り分けよう」
丸焼きに向かって歩いていくと炭火焼きの香ばしい匂いが漂ってくる。
「おつかれさま。ディアーネさん」
「コウ様も問題解決のために出張お疲れ様です」
ベヒーモス(猪)の丸焼きのめんどうを見ているのは当然ディアーネさんだった。
それにしても出張って……。確かに間違ってはないけど。
切り分けてあげるのはネレイド達だけのつもりだったんだけど。結局他の人達の分も切り分ける事になって、自分がご飯を食べれたのは数時間後のことだった。
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