第45話

ついて来たいなら普通に異世界に連れてってあげるよと軽い感じで発言すると。

ネレイド達からすると想定外な発言だったらしく、時が止まった様に固まってしまった。

こう言う時は相手が正気に戻るまでそっとしておいた方が良いと学んだので、ネレイド達が正気に戻るまでネレイド達は放置して。

晩御飯を食べ始めることにした。

ピザ冷めちゃうし。


「コーンが入った照り焼きチキンピザも美味しいし、クアトロフォルマッジも美味しいけど。マルゲリータピザがなんだかんだ1番好みかも」


日本に居た時は逆にピザを食べる機会が無かったからここまでピザを一度に食べるの初めてだったけど。


「私はツナマヨコーンが美味しかったです」


イスカはツナマヨコーンがお気に入りらしい。やっぱりリバイアサンだから海産物が好みらしい。

いや、海産物が好みならシーフードピザの方が好みか。海産物と言うよりマヨネーズを使った料理が好きなのかな?


「このスペアリブ最高だね。味もしっかり染み込んでるし、箸で持っただけで簡単にほぐれちゃうぐらい柔らかい」


ピザを食べたいって言った張本人はピザでは無くスペアリブが気に入ったらしい。

ダメとは言わないけどピザも食べてくださいピザも。


「ネレイド達が正気に戻り始めたみたいですよ」


ネレイドの方をみると呼吸してる?ってぐらい固まって動かなかったのがちょっと動き始めていた。


「ネレイドの皆も早く食べて。せっかくできたてなんだから、冷める前に食べないと」


「えっ!はい、確かにご飯を美味しく食べるのはとても重要だと思うんですけど…。

1つだけお聞きしても良いですか?」


「食べながらでいいなら」


キノコたっぷりのグラタンを食べながら返事をする。


「それでは遠慮なく。ほんとに連れて行って頂けるのですか?」


ちょっと軽く言いすぎたかな?そのせいでネレイド達的にはいまいち実感がわかない状態的な?


「神様にもすでに許可は取ってあるし。ここにいるネレイド達なら本人が望めば連れて行くよ」


とりあえず、キュアノス島で世界の常識について学んで貰って。そのあとは世界を旅するのも良いし。キュアノス島にそのまま移住するのもあり。そこら辺はネレイド達自身で決めてもらおう。


「なんと…もうそこまで手配をして頂いているとは…」


ネレイド達は余程嬉しかったのか泣き始めた。

なんかもう収集がつかなくなってきたな。


「とりあえず、冷めないうちにご飯食べてね。俺は食後のデザートを作りに行ってくるから」


ネレイド達が固まっている間に、ネレイド以外はガッツリご飯を食べたので、そろそろデザートの気分なのだ。


「という事でキッチンに戻ってきました。今日のデザートはスモア風スイーツピザです」


キッチンには自分1人しかいないけど。何故か説明口調で喋ってしまった。

聴かれてたらだいぶ痛いやつだ……そう言えばグラちゃんがいるじゃん…。


ガッツリ聞かれてしまっているだろうけど。確認するのは辞めよう。


ピザ生地を伸ばして何も乗せずに焼き上げる。

焼きあがったたピザをカットしてからバターを塗ってマシュマロを乗せて、マシュマロがとけて表面に焦げ目がつくまでもう一度焼く。


焼きあがったところでチョコソースをかければ、スモア風スイーツピザの完成。


ちなみにスモアとは焼いたマシュマロとチョコを2枚のクラッカーで挟んだ、アメリカやカナダの伝統的なお菓子だったはずだ。


マシュマロを作るために使った粉ゼラチンは

カラーゼリーフィッシュの水分を抜いて粉砕するだけで似た物が出来たので、物自体は簡単に用意できたんだけど。

そのままだと味付きの粉ゼラチンになってしまうので、味のないカラーゼリーフィッシュの養殖ができないか試してみた結果、淡水で飼育すれば味のないカラーゼリーフィッシュを増やせる事が判明した。

おかげで味のついてない粉ゼラチンを作ることが出来た。


本来ゼラチンって詳しく知らないけど、動物の皮とか骨とかからコラーゲンを抽出して作るとか聞いた事あるし。

水分を抜くだけで粉ゼラチンが手に入るのはカラーゼリーフィッシュさん様々である。


「はーいデザート持ってきたよ~」


「おーチョコがかかってる!」


前にもチョコのお菓子が欲しいって言われたけど。カナデさんはチョコが好きらしい。


「そんなに焦らなくてもちゃんとネレイド達の分も有るから、ゆっくり食べて」


俺がサラッと来たいなら異世界連れて行くよと言ったせいで状況が飲み込めず固まってしまった為。俺たちと比べてご飯を食べ始めるのが遅かった。なので、まだピザを食べていたネレイド達だけど。ネレイドは全員女性の種族。やっぱり甘いものは好きらしい。

急がないと、スモア風スイーツピザが無くなるのでは?とソワソワし始めたので、ちゃんとネレイド達の分も有るからゆっくり食べてと伝える。


「甘いピザも美味しいですね」


甘いピザはまだ作ったこと無かったけど。

結構好評だった。


イスカとカナデさんが満足したところでネレイド達の分のスイーツピザを量産する為に3人でキッチンに向かった。


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読んでいただきありがとうございます。

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