第44話

「じゃあ、想定以上のリラックス効果がはっきされた結果がアレ?」


あのクッションはなんなんですか?とカナデさんに聞きに行くと、カナデさんでも想定以上の効き目だったらしい。

分かってて何故教えずに使わせたとか。なんで直ぐに起こしに来なかった?とか色々言いたいことも有るけど。

危険なものではないてわかったし良しとしよう。

いや、ある意味危険物では有るんだけど…。


「それで、効果を下げた物を作ることは出来るんですか?」


リラックス効果が強すぎると言う事を除けば最高のクッションではあったので、使えるものなら使いたい。


「ビーズの素材を変えれば良いから、作れるとは思うけど。ちょっと時間がかかるかな」


時間が掛かるのは仕方ないか。

俺もいくつか素材を提供するか。もしかしたら今よりいいものが出来るかもしれないし。


「クッションの事はひとまず置いておいて、これが例の機械。起動するのにはコウダイくんの魔力が必要だったから、グラちゃんに起こして貰う予定だったけど。丁度良いタイミングで起きて来てくれたからたすかった」


それも完成してるんですね。30時間も寝てれば完成もしてるか。


「じゃあ、もう俺が魔力を供給すれば起動するんですね?」


「勿論、コウダイくん魔力が必要ない範囲で起動させて実験もして。しっかり効果があることも確認してあるからね」


これで、1週間後には元の世界に帰れる。


これ以上何かやる事が増えるってことは無いよね?


とりあえず、カナデさんが作った機械に魔力を供給して1週間待てば、こっちの世界でやらないといけない事が全て終わる。


なので早速魔力を供給して機械を起動させる。魔力は機械の限界まで供給しておいた。

これで半日は持つらしい。

気づいた時に魔力を供給しにこよう。


「ここからまた暇になる訳だけど何して時間潰そう」


どこか島に観光に行くと言うのも何か問題に巻き込まれそうで、できるだけしたくないし。


今さっきもう使わない的な雰囲気で話していたクッションを使って1週間寝て過ごすのもありか?


「そう言えば、コーラ作ってなかった」


炭酸水っぽいマングローブの樹液を手に入れた時に作って見ようかな?って話していたのを思い出す。

材料自体は集めておいた記憶が有るからここでも作れるはず。


ということで急遽コーラシロップ作りが始まった。


といっても、水、砂糖、クローブ、カルダモン、シナモンスティック、バニラビーンズ、レモンをまとめて10分煮込むだけだけど。


もっと詳しく言うと細かい処理とか一緒に煮込むレモンとは別に煮込み終わって粗熱が取れてからレモン汁を入れたりとか。ちょこちょこ煮込む以外の工程もあるけど。

ついでに生姜、砂糖、水、レモンだけで作る簡単ジンジャーエールシロップも作っておいた。


「後は1晩寝かせて、ザルで濾せばコーラシロップの完成。ジンジャーエールシロップの方はもう飲めるよ」


あんまり辛口にならないように作ったからジンジャーエールも飲みやすいと思う。


「炭酸飲料を飲んだらピザが無性に食べたくなってきた。コウダイくん今晩はピザにしよう。ピザ窯もあるし」


まだ、コーラは飲めないけど、ジンジャーエールは概ね好評だった。

今度はスパイスとかも使った辛口のジンジャーエールも作ろう。

確かに炭酸飲料って言えばピザみたいなイメージ有るけど。

カナデさん自体も料理は上手だったはずだ。

俺だけにやらせるつもりらしいけどそうは行かない。

もちろん、カナデさんにもピザを作って貰う。


「それじゃあカナデさんと俺はピザ作ってるからグラちゃんはその間にネレイド達を正気に戻しておいて。イスカは…どうする?」


イスカに関してはどっちの手伝いしても戦力になれるので、どうするか自分で決めてもらおう。


「勿論、コウの手伝い」


ということなのでネレイド達はグラちゃんに完全に任せて、3人でピザを何枚も焼くことになった。

マルゲリータからシーフードまで何種もピザを焼きながら、ついでにスペアリブとグラタンも作っておいた。この2つもピザ窯で作れるし。個人的にはピザ以外にも食べたかったから。


できた料理をネレイド達も全員入れる体育館みたいな場所に運んでいると、ゾロゾロネレイド達が入ってきた。

ちょっとテンションが低い。

クッションの誘惑に負けてしまったからだろうか?

けど、あれについては仕方ないと思う。俺も勝てなかったし。


「セレンさん大丈夫ですか?」


「申し訳ございません。ただのクッションに敗北することになるとは……」


セレンさん安心して欲しい。あれは断じてただのクッションじゃない。あれは人を堕落させる最終兵器だ。


「そんなに気にしなくていいと思うよ?俺も勝てなかったし。後、今日を入れて1週間後には俺の暮らしている世界に行く事になるから。この世界でやり残した事が有るなら、この一週間で終わらせておいてね」


そう言えば伝えておかないとと思ってたのにまだ伝えられて無かったなと付いて来たいなら連れていくよと伝える。


「おーい」


セレンさんだけでなく、ネレイド全員がこちらを見て固まってしまった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る