第36話

「まぁ、この事を教えてあげる義理もないし。絶対教えないけどね。そもそも、そんなヤツらごときの素材になるつもりないでしょう?」


カナデさんの言う通りだな。わざわざ素材になんてなるつもり無いし。

そもそも、カナデさんが優しく教えてあげたって信じないんじゃない?その人たち。

遭遇したネレイドの話やカナデさんの感じからすると。


「そんなことはどうでも良い、重要なのは奴らの拠点の情報。本拠点は近くに国なんてない海のど真ん中みたいな場所の海底から更に地下をほった場所にあるみたい。直接行こうとすると無駄に時間がかかるけど。真・ライン帝国内にある第二拠点に本拠点にテレポートできる装置があるらしいから、それで本拠点に行くのが早いんじゃないかな?どうせ、第二拠点も潰す必要があるし」


拠点も潰せてショートカット出来るいい案ではあるけど。敵の機械を使うって怖くない?

特に転移する機械なんて俺達が転移するタイミングで転移場所を変えられるとか、凄い有りそう。

いしのなかにいる。とかなりたくない。


「敵の転移装置なんて使って大丈夫なんですか?」


そこら辺どうなの?とカナデさんに聞いてみる。


「勿論、そのまま使うんじゃなくてアップデートしたグラちゃんにシステムを掌握してもらってから使うんだよ」


それなら安心?グラちゃんなら大丈夫だろうきっと。


「そうしたら、今から第二拠点に殴り込みに行くか。そうだ、俺がこの世界に調査に来ることになった元凶。異世界から魔力を引っ張って来れるエンジンは本拠点にあるってことで良いんですか?」


場所が分かったなら、わざわざ時間をかける必要はない早速潰しに行こう。

あとは、俺がこの世界に調査に来るコトンなった元凶の場所についても判明したか確認してみる。

ロボブレイン達を倒しても、それを壊さないと意味無いからね。



「本拠点に有るって言うので間違いないと思うよ。作られたのもひとつだけだったからそれを壊せば終わりだね」


当時、ひとつしかなかった特殊な素材を使っているらしく、数が増えていることはないだろうと言うのがカナデさんの予想だ。


「なんてったって、異世界から迷い込んで来た魔物の素材だからね」


だからこそ異世界から魔力を引っ張って来ることができるらしい。


なら、増産されていることは無いのかな?

この世界、転移者が割と居るみたいだし。

5000年もあれば案外何匹か魔物も転移して来てそうだけど……。


その時は破壊する目標が増えるだけか。


「とりあえず。堂々と第二拠点を襲撃しちゃうと真・ライン帝国と本格的にドンパチすることになる。かと言ってコソコソ潜入するのも面倒臭い。なのでまずは世界全体の時間を止めます」


これで、堂々と第二拠点を破壊できる。

ついでに真・ライン帝国の戦力も少し削っておくか。

旧ライン帝国の残党ロボブレイン達に操られてって理由は有るけど。真・ライン帝国も俺達に攻撃してきてる訳だからね。

それなりにやり返させてもらう。


それに、転移装置を使う為に時間停止を解除する寸前までロボブレイン達にこちらの状況を知られない。


「よし!まずは第二拠点がある真・ライン帝国目指して出発」


襲撃を気にする必要が無いし。楽な移動だ。

結局、真・ライン帝国に直接行くのは初めて

だから、転移は出来ないから。

リバイアサン状態のイスカに乗って数日かかるけど。


今回、カナデさんとネレイド達はここでお留守番だ。

人数をさく必要が無いからね。


「正直、こんなこと出来ちゃうコウダイくんの負けなんて想像出来ないけど。気をつけてね」


「ネレイド一同、コウ様の無事の帰還をお待ちしております」


そんなカナデさんとネレイド達がお見送りをしてくれる。

世界の時間を止めた俺に対して若干引いてる感じもあるけど。

そこは慣れてもらうしかないなと思いつつ、カナデさんのメインラボから出発した。

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「グラちゃんは本当に入れ物が球体のままで良かったの?カナデさんはグラちゃんが自由に動かせる人型の入れ物も用意出来るって言ってたけど」


「食事が出来るようになるなら考えましたが。それは出来ないと言う話でしたからね」


カナデさんいわく、グラチャンにも魂が存在して、人工知能から人工生命体に進化しているらしい。

なのでホムンクルスのボディを作れば魂を定着させて生身の肉体を用意することが可能だけど。

その場合、自分の細胞を培養してホムンクルスを作らないと身体と魂で拒絶反応を起こして失敗するらしい。


そうなると最初から自分の肉体が無いグラちゃんは細胞が用意出来ない。


なので、カナデさんはアンドロイドを作ってそれを入れ物にするのは?提案したんだけど。それなら今まで通りで良いという事だった。


どうやら、俺達が楽しそうに食事をしているのを見て食事をしてみたいと言う感情が芽生えたらしい。

酒呑童子にしたように、グラちゃんを精霊にしちゃえば解決するのかな?

どうなるか分からないし、元の世界に戻らないと出来ないから。グラちゃんには話して無いけど。

それに試す前にフェムトに確認しておいた方が良いだろうし。




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読んでいただきありがとうございます。











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