第34話

「360°どこを見てもドローンだらけだ」


敵がいるところにあえて堂々と転移する。

その場所は気持ち悪いぐらいドローンが海で活動していた。


俺に近いドローンからどんどんランプの色がミドリからアカに変わっていく。

待っている必要も無いし。見えてるドローンを全て凍らせて砕く。


「ここの掃除は終わり。研究所を探すために結構広範囲に展開してるらしいから、どんどん移動して掃除しなきゃ」


今回の海域には潜水艦はいなかった。当然大量のドローンが破壊されたのには気づいているはずだから、時間をかけると潜水艦に逃げられるかもしれない。


次からは潜水艦がいる海域から優先してまわろう。

と言っても今回はわざと敵に攻撃させたりとかせず倒しちゃってるから正直ただの作業だ。


「ドローンが数だけ多いし、凄い広範囲に散らばってたから時間だけ余計にかかった。ドローンの取りこぼしがいるかもしれないけど。いても数十機だろうし。もう、終わりで大丈夫でしょう。メインラボに帰って酒盛りしよう」


カナデさんはホムンクルスボディだけど 、飲めるのかな?

飲めなかったら飲めなかったでイスカと2人で呑めばいいか。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー???ー


コウと潜水艦と戦闘ドローンの混成部隊の戦闘映像を見終わったロボブレイン達が興奮したように目のように2つついたライトをチカチカさせる。


「素晴らしい!あれはぜひ手に入れなければ!」


「そうですね。あれが素体として手に入れることが出来れば、こんな鉄の身体からおさらば出来る」


「あれは確かに強大な力を持っているみたいだが。先程の戦闘で近接戦闘はしていなかった。恐らく魔法に特化した能力なんだろう。ならば、どれだけ強くても我々の敵ではない」


勝ちを確信したロボブレイン達がコウを使ってどんなことができるのか楽しそうに話し合う。


…ただ。このロボブレイン達はコウが神からも理不尽と言われる存在だと言うのを知らない。


そもそも、このロボブレイン達が見ている戦闘映像はコウからしたら実力の1割すらだして無い。だから、こんな戦闘映像を見てもなんの参考にもならないのだが。

あれが、コウの全力だと勝手に勘違いしたロボブレイン達は勝てると判断してしまったわけである。


もし、コウがこの集まりを見ていたら腹を抱えて大爆笑していただろう。そのぐらい滑稽な集まりだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーコウー


「敵の掃討終わりました〜。多少ドローンも撃ち漏らしはあると思うけど。潜水艦は10隻全部沈めて来たよ」


カナデさんのメインラボに戻ってきて殲滅が完了したと報告する。


「撃ち漏らしたドローンは私が観測していたもので16機のみです。これだけの数では追加で何かすることは難しいでしょう。マスターお疲れ様でした」


グラちゃんが俺が撃ち漏らしたドローンの数教えてくれた。分かっていたけど、思ったより逃がしてたな。

ドローンと潜水艦以外には一切影響を与えないように魔法を使ったからちょっと時間がかかったんだよね。


「コウダイくんならもっと早く帰ってくるかと思ってたんだけど。意外に時間がかったね?」


「周囲の影響を考えなくていいなら、それこそここから動かないでも殲滅出来ましたよ?その場合。ここら一体の海水は全て氷に変わる事になりますけど」


離れている場所に魔法を使うとやっぱり制度は落ちる。それを補うにはゴリ押ししかない。


「つまり、コウダイくんは環境に考慮したから時間がかかったと」


「そう言うわけです。ないとは思うけど。ネレイドを攻撃で巻き込んじゃったら一大事だし」


わざわざ敵の所まで出向いて倒した1番の理由はそれだ。


流石にその場に行けばネレイドがいるか確認できるし。巻き込み事故は起こらないから。


「ネレイドは協力者だからね〜。ネレイド達にも殲滅が終わったと通信を入れておこう。そうすれば順次戻ってくるようになるはずだ」


「お願いします。あ!一応ドローンの撃ち漏らしが辺りをうろついてる可能性も伝えといてくださいね」


ドローンは一体ごとの性能で考えると、武装した人間より少し弱いぐらいの性能しかない。それでも数で補えるからじゅうぶん脅威と言えるけど。


今回、大した数は残ってないので、特に脅威にはならないと思うけど。伝えておくことは必要だろう。


「いくら数が少ないと言っても不意遭遇戦とかだと。こちらが怪我をする可能性もじゅうぶん有るからね。しっかり伝えておくよ」


何事も油断は良くないからな。


「それと話が全く変わっちゃうんだけど。

こっちに来てからお酒を飲んでいなかったし酒盛りでもしようって思ってたんだけど。カナデさん、ホムンクルスの体ってお酒飲めるんですか?」


「当然!人間の体より身体機能は上だからね。お酒ぐらい余裕さ」


お酒も大丈夫らしい。ネレイド達も参加させてあげたいけど。ネレイド達とはネレイド達が全員この研究所に帰ってきたから宴会をすればいいか。食材はいっぱい持ってるし。

ネレイド達もこの件が終わったら俺が暮らしている世界に連れていく予定だし。

あっちの世界の食材を使っても問題ないだろう。


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読んでいただきありがとうございます。




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