第31話
「中は明るいし。綺麗に掃除されてる。ほんとに5000年間稼働し続けてるんだね」
機械の耐久性どうなってるんだと突っ込みたいけど。実際に動いているんだから凄いなーとしか言いようがない。ある意味これもファンタジーだよね。
「で、これが警備のロボットね。ドローンタイプだったのはちょっと予想外。俺の中では二足歩行型のロボットだと思ってた」
30センチぐらいの円盤状のドローンにロボットアームが装着されていて地面側の面には銃みたいな見た目をした武器のようなものが装着されている。
部品数的にもドローンの方が少ないだろうし、技術的にも二足歩行型の戦闘ロボットを作るより、戦闘ドローンを作る方が素人意見だけど簡単そう。
こっちの世界の技術だったら二足歩行型の戦闘ロボットも簡単に作れちゃいそうだけど。
ドローンの方が小型だし。普通に強そうだよね。
「このロボットアームは付けなくてもいい気がするけど。追加の兵装を装備するのに使うのかな?」
武器はドローンに直接付いてるし。
ロボットアームが無くても大丈夫な気がするんだけど。
「スイッチを押したりとか、瓦礫の撤去する時に使うんじゃないですか?」
人間が腕で行う作業もできるようにロボットアームが付いている。確かにそれが1番しっくり来るかも。後はロボットアームがついていれば、ドローン用に新しい武器を作らなくても人間のが使っている武器を使えるからってのも有りそう。
「一体だけ時間停止を解除して見ようかな?」
戦闘ドローンがどれぐらいの戦闘力が有るのかちょっと気になるし。
一体だけ時間停止を解除して戦うなら増援を呼ばれたり、研究所が進入者排除モード的なのにもならないはず。
「わざわざ、そんなことする必要有りますか?」
イスカにド正論を言われてしまうが。完全に俺の好奇心でやろうとしてる事だし。
確かに意味が無いけど気になっちゃったから仕方ない。
戦闘ドローンが中に入るように氷の箱を作ってから時間停止を解除する。
「おー、動いてる動いてる」
時間停止を解除するとドローンが前進しようとして氷の壁にぶつかる。
ドローンは少し後退してその場で時計回りに一回転した。
自分がどう言う状況なのか確認するために周りを確認しているのだろうか。
人工知能が搭載されてないから。プログラミング通りにしか動けないって言われていたけど。相当細かく動きをプログラミングされているようだ。
ミドリ色に光っていたランプのようなものが赤色に変わってビーム砲をチャージするような音が聞こえる。
タップリ10秒ほど待つと、戦闘ドローンの下についていた。銃の様なパーツから魔力の玉が発射された。
氷を壊すために発射されたであろう魔力の玉だったが。氷の壁に接触すると跳弾を起こして、戦闘ドローンにクリーンヒットする。
結果、戦闘ドローンはバチバチと漏電したような音をだしながら地面に墜落した。
地面に墜落してからも数秒はランプの部分が赤く点滅していたけど、直ぐに点滅もおさまってしまう。
「完全に機能停止しちゃったかな?自己分析の結果、あの攻撃で氷の壁に穴を開けられるって判断したのかもしれないけど。結果、跳弾で自爆ってちょっとマヌケだよね」
プログラミングの限界って事なのかな?ほんらいだったら。同じ戦闘ドローンがこの通路に押し寄せてるだろうし。数は脅威になるかな?
と言っても通路だと一度に戦える戦闘ドローンの数は限られているし、そうでも無いか。
「満足しましたか?満足したなら先に進みましょう?」
とりあえず満足。面白そうなものを探すために先に進む。
「ここが戦闘ドローン製造ラインかな」
ベルトコンベアにパーツが等間隔に置かれている場所にたどり着く。
この1レーンだけでもかなりの数の戦闘ドローンが製造されてそうだ。
こう言う製造レーンがひとつしかないってことは無さそうだし。俺が想像していた以上の数、戦闘ドローンを製造しているみたいだ。
カナデさんが跡形もなく壊しておいてと言うのも当たり前だ。
一体一体は
人間で対処できる強さだと思うけど。
何十万の戦闘ドローンが同時に攻めてきたら一溜りもないだろう。
探索が終わったらイスカと一緒に念入りに破壊しよう。
その後も研究所を歩き回ると、ドローンの素材として使っている。海水で増殖する金属の増殖施設だったり、戦闘ドローンだけでなく、人間が使うことを想定している武器の製造らいんを発見したり。海水で増殖する金属は少しネコババしたけど。武器とかは持っていかない事にした。
「ここが最後の部屋ですね」
色々見て回って見ていないのは目の前の1部屋のみとなった。
恐らくコントロールルーム的な部屋だと予想。
中に入ると、大きな液晶やボタンが色々ある部屋だった。多分コントロールルームってことで合ってると思う。
色んな資料が集められていそうな部屋だけど。そんなことより、部屋にいるロボットに視線を奪われる。
それは円柱の筐体にキャタピラが付いている感じのロボットだった。
それだけだったらそのロボットに視線が釘付けになったりしない。
そのロボットは円柱の筐体の頂上に透明な球体の中に入っている人間の脳が搭載されていた。
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