第29話
「なるほどね〜。それであんなにネレイド達を連れてきちゃったわけね」
グラちゃんに言われた通りカナデさんの所に行って、ネレイドをカナデさんのメインラボに連れてくることになった経緯を説明する。
「まぁ、私が覚えて限りの研究所を調べて見ようとは考えてたから人数が確保出来たのはラッキーだったね。しかもネレイドなら安心してお願いできる。勿論、コウダイくんがネレイドたちにお願いしたいことが有るならそれを優先してくれて構わないけど」
この後ネレイドに何してもらえば良いだろうか相談するつもりだったけど。都合よくネレイド達が役に立つ仕事が有るらしい。
話が早く進みそうで何より。
でもなんで今更研究所めぐり?カナデさんがいれば研究所めぐりなんてしなくても、どうにかなりそうだけど。
「ネレイド達に何をお願いすればいいか、決まってなかったし。カナデさんが仕事を与えて上げてください。後なんで研究所めぐり?」
「グラちゃんより高性能な人工知能を作ったのか考えた結果。私みたいな存在の可能性がやっぱり1番高いかなと思ったから」
私みたいな存在……?
あぁもしかして…
「つまり、何らかの延命作業でカナデさんみたいに5000年前から生きてる人が研究所に隠れ生きてる可能性があるとカナデさんはお考えで?」
カナデさんと全く同じ方法だとは限らないけど。何らかの方法で5000年前から存命の人間がいる?
「と言うか、それ以外グラちゃんの何倍も性能がいい人工知能なんて考えられないのよ。私と違って5000年間研究を続けてたなら可能性があるかなと」
技術力が1番高かったと思われる5000年前の人が5000年間ずっと研究を続けていたとしたら、更に技術力が上がってカナデさんの最高傑作のグラちゃんより何倍も性能がいい人工知能も作れるかも。
「そう、だから私の研究所以外の研究所を調べたい。場合によっては真・ライン帝国だったか?そこを潰しても意味が無いかもしれないから」
俺も真・ライン帝国は黒幕に良いように使われてるだけな気がするから真・ライン帝国にお灸を据えても意味無い気がする。
「でも、それって危険じゃないですか?」
真・ライン帝国より何倍も危ない相手ってことになる。ネレイド達にあんまり危な過ぎる事はさせたく無いんだけど。
「それに関しては出来るだけバックアップはするつもりだよ。装備とかを支給して」
誰かがやらないと行けないし。俺一人ではどれだけ時間がかかるかわかったもんじゃないし。カナデさんのバックアップが有るなら安全性は数段上がるし
「何事にも危険はつきものか…」
「まぁ、ネレイド達もコウダイくんに認められたいって思ってるだろうし」
確かにネレイド的にも有能なところを見せるためにちょっと危険な任務は望むところだって感じかもな。
「ネレイド達には私から説明しておくとして、防衛設備が満載でネレイド達には危険な研究所にコウダイくんには行ってきて欲しいのよ」
俺に見てきて欲しいと言う場所はカナデさんがホムンクルスの体に魂を定着させる実験を始める前に行ったことがある。
旧・ライン帝国、国営の研究所らしい。
結構凶悪な防衛設備を多数配備しているらしく。ネレイド達だとその防衛設備を突破できない可能性が高いそうだ。
「このままじゃ俺のやることが無かったし。いいですよ」
「そこはプログラム通りに動く戦闘ロボットを作る工場だったから、もし発掘されちゃうと素材を用意すれば無限に兵士を用意できちゃうようになっちゃうし。最終的にはコウダイくんに破壊してきて欲しいんだ」
争いの火種になりそうだし。確かに破壊して置いた方が良さそう。
破壊するならイスカにやってもらおう。
始祖である。神獣リバイアサンの力を、一時的に使えるようになる神獣モードを使えば、なんでも破壊できる【破壊】の権能も使えるし。
「分かりました。念入りに破壊してきます」
「頼んだよ。その間にしっかりグラちゃんのグレードアップを完了させておくから」
グラちゃんに描いて貰った地図に、その研究所の場所を書き足して貰うと。
これまた遠くの場所だった。今いる場所からグリランド王国が開拓している島を挟んで真反対にあるような感じだ。
普通に移動したら、リバイアサン状態のイスカでも相当時間がかかる。
島の近くにこっそり転移してそこから例の研究所を目指そう。
「それじゃあ、イスカと2人でその研究所破壊してきますね」
外から破壊しても良いけど。ちょっとロボット製作工場の見学もしたいし。もしかしたら黒幕に繋がる証拠。もしくは黒幕が潜んでる可能性もあるし。しっかり研究所の内部を調べてこよう。工場見学にお土産は付き物だし。ちょっとぐらいロボットを貰って来ても良いよね?
ちなみにフェムトに連絡してネレイドも500人ぐらいそっちに移住させていい?って聞いたら、「道端に捨てられてる子犬を保護するみたいなノリで異世界人を移住させようとするのはダメだよ」と言いながら良いよと許可をくれた。
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