第28話

「この人数は驚くよな……」


ネレイド達がいると言う海岸に到着すると、パッと見だから詳しい数は分からないけど。100人は超えてるだろってぐらいのネレイド達が待っていた。

ネレイドが俺を尋ねてくると思うて事前に伝えてはいたけど。グリランド王国の人達は数人、多くて数十人ぐらいを予想していたのだろう。俺も実際そうだし。

そう思っている中、突然3桁を超えるネレイドが来たら誰だってびっくりする。


「お待ちしておりましたコウ様。ネレイド総勢572名、コウ様のご助力のため馳せ参じました」


セレンさんが代表として話して全員が同じタイミングで跪く。息ぴったりすぎてちょっと怖い。

それにしても、流石に500人はいなくない?

多くての300人ぐらいしかいないように見えるけど。

そう思ったけど、すぐに島に上陸せず。水中で待機しているネレイドも居ることに気づく。

その人達も入れたら500人は普通に超える人数いるみたいだ。

セレンさんがここでわざわざ嘘つく必要なんて無いだろうから、当たり前だけど。


「みんな俺の為に集まってくれて、ありがとう実際ここまでの人数が俺に力を貸してくれるとは思ってなかった」


正直、何を手伝ってもらえば良いか今のところ何も思いついてないから。どうすれば良いかな?と必死に考え中なんだけど。ほんとどうしよう。カナデさんに全部投げちゃおっかな?


「いえ、寧ろこの程度の数しか集められなくて申し訳ございません。本来だったらネレイドが一丸となってコウ様のところへ集うべきだと言うのに。コウ様は私たちが信仰する精霊様では無いという年寄り連中に、ネレイドだと言うのに精霊様を信仰していない者までいる始末」


いや、その人達も別に間違ってないと思うよ?


「大丈夫それ?喧嘩別れとかしてない?」


まだ、数時間も話していないセレンさんだけど。この人ならそうなってても可笑しくない気がする。


「ご安心ください。我々はコウ様一派として独立しましたので。コウ様に面倒をかけることはございません」


ヤバい想像以上に事態が悪い。俺、この世界にずっといるわけじゃないって最初に会った時に説明している筈だよね?


なんで俺が面倒見なきゃいけない状態になってるの?

はぁ、後でネレイドもそっちの世界に連れてって良いかフェムトに確認しよう。

ダメとは言われないと思うけど。

また迷惑掛けることになるだろうな〜。


「とりあえず。協力者の研究所に移動しようか。この島にこの人数は目立ちすぎるから」


グリランド王国から来た開拓作業をしている人達でも総数1000人ぐらいしかいないから、突然500人も人が増えたら大混乱間違いなしだし。


後、グラちゃんとカナデさんが仲間に加わったからグリランド王国のお世話になる必要も無いから、元々ネレイド達と合流したらこの島から出て行くつもりだったし。


「かしこまりました」


うーん従順すぎて怖い。


「それじゃあもうちょっとここで待てって。島で最後の用事を済ませて来るから。イスカは引き続きネレイド達の相手をお願いねー」


「分かりました。ネレイド達は任せてください」


「私たちもお待ちしております」


グリランド王国に売却すると話をつけていたものを収納魔法から取り出してそこら辺に置いておく。

後はマグラス大佐に今日までお世話になりましたってお礼を言いに行かないと。


「そうですか。私たちもコウ殿のおかげで大変助かりました」


「こちらとしてもマグラス大佐達と知り合えてほんとに良かったです。

そうだ。真・ライン帝国はこれから少し騒がしくなると思うので近づかないようにした方がいいですよ」


マグラス大佐に簡単な挨拶を済ませて島からカナデさんのメインラボに転移するためにイスカと

ネレイド達が待っている場所に戻る。


後は俺が真・ライン帝国に喧嘩売るから近寄らない方が良いよと忘れずに伝えておく。


「はいただいま。最後の用事も終わったから。みんなで移動しよう。転移漏れがあるとまずいから。ネレイドの皆さんはちょっとみんなで集まって」


ネレイド達にはおしくらまんじゅう状態で1箇所に集まってもらう。


「うーん先に俺だけ転移して、カナデさんに事情を説明した方が良いかな?」


研究所だし防衛設備とか有りそうだよね。

と言うかアニメとか漫画を再現するために防衛設備を作ってそう。

と言ってもネレイド達におしくらまんじゅうしてもらってるし。


「グラちゃんが直ぐに俺って気づいてくれて防衛設備止めてくれるでしょ」


正直、往復するのは面倒臭い。

きっとどうにかなるだろう!よし、転移!


一斉にカナデさんのメインラボに転移した。



「おかえりなさいマスター。沢山お連れの方がいるみたいですね」


流石グラちゃん。転移して直ぐにグラちゃんが現れた。


「協力者のネレイドさん達、部屋を用意できるかな?」


「問題ないです。まずは、ネレイドの皆さんを部屋にご案内させていただきます。マスターは博士の所に行ってこのことを直接報告しておいてください」


グラちゃんの許可は貰ったけど、家主はカナデさんだからな。報告は必要だろう。




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読んでいただきありがとうございます。

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