第23話
海流を操っての加速を使わなかったので、数日かけてゆっくりグリランド王国が開拓をしている島へと帰ってきた。俺たちが島に居なかった間は特に何事もなく平和だったようだ。
だいたい問題事を持ってくるのは俺だからな。悪運が凄いだとか、主人公補正だとかハジメくんに言われまくってるからな。
俺がいると何かが起こるのは正直否定できないなと思っているけど。同類のハジメくんにだけは言われたくない。
島に1日だけ滞在して、グラちゃんを作った研究者のメインラボに向かう為、島を出発した。
メインラボはかなり離れた場所にあって、リバイアサン状態のイスカでもポイントまで1週間かかってしまった。
「ようやく目的の場所に着いたね。イスカで1週間かかる距離ってびっくりする遠さだったね」
移動距離的には過去一だったかもしれない。
「この世界って以外に大きいですよね。精霊界に比べると小さいけど。人間界よりは大きいですよね」
精霊界は広すぎるから比べるのはあれだけど人間界と比べたらこの異世界の方が5倍ぐらいのサイズがあると思う。
「この世界どうやら拡張されてるようなんですよね。5000年前の地図に比べて広がってます」
この世界は球体じゃなくて平面の世界らしく、5000年前は世界の端まで到達していて、端は滝になっていて滝を落ちると帰って来れない深淵に囚われると言われていたらしい。
しかし現代では人類は世界の端に到達していないらしく。その情報を不思議に思ったグラちゃんが調べてみた結果、5000年前に世界の端だった場所は端じゃ無くなっていたようだ。
世界が広がるってそんなこともあるんだ?と思いながらこの話を聞いた。
「世界が広がっても海ばかりで大陸が生まれたりとかは無いみたいですけどね。ここですね。少し待っていてください。入口を開けるためにメインラボのシステムに侵入します」
グラちゃんにそう言われたので少し待っていると円柱状のエレベーターが目の前に現れた。
どうやらこれが入口らしい。
エレベーターの中に乗るとボタンを押したりしていないのに自動でドアが閉まり、エレベーターが下に向かい始めた。
と言うかエレベーター内をよく見てみると目的地を選択するボタンが存在しない。
目的地は最初っから決まっているから存在しないとか?
まぁ、ちゃんと起動しているみたいだし大丈夫だろう。
5分ぐらいエレベーターが下に向かい続けていたが、何の前触れも無くエレベーターが停止してチン!と音がなりドアが開いた。
「システムをハッキングして明かりをつけました。ハッキングをしてメインラボに状態を確認した結果。1つだけ生物の培養槽が存在していて、その培養槽が今も起動状態です。まずはそこを確認してみませんか?」
生物の培養槽ね…。これは俺がフラグを建てたせいか?と思いつつ、まだそうと決まった訳じゃないしと培養槽の中身を確認するために培養槽が設置されていると言う部屋に向かった。
「ねぇ、培養槽の中にいるのってもしかしなくても、グラちゃんを作った博士だったりする?」
培養槽の中にいたのは10代後半ぐらいの見た目をしている女性だった。
「そうですね。私が知っている博士よりだいぶ若いですが、顔のパーツがそっくりです。まさか自分の体を自作するとは…」
グラちゃん的にはコレは予想外だったらしい。
俺はこの展開ももしかしたら有るかな?とは思っていたけど。
コレはホムンクルスという事で良いのかな?
グラちゃんに確認とったし体の見た目は博士で間違い無いけど。人格や記憶までしっかり
博士のものを保持してるのだろうか?
「グラちゃん。この人を起こすことって出来るのかな?」
「私にも分かりかねますが。少し研究データを探してみます」
下手に操作して中の人を殺したく無いので、グラちゃんに任せて俺は何も触らない。
「グラちゃんの生みの親が作った発明で今の状況に便利なものが有ればってこの場所に来ましたけど。上手く行けば、本人を仲間に出来そうですね。そうすれば、状況にあった 、発明を作って貰えるかも知れないですし。無事に起きて欲しいですね」
イスカは部屋の中を物色したり培養槽をコンコン叩いたりしている。
何も考えずに色々触ってるけど大丈夫?呪われた道具は無いだろうけど。触った事によってよくわかんない効果が発動したりしない?
イスカがどこにあったのかニチアサに出てきそうな変身アイテムを手に持つと、イスカがニチアサの変身中っぽく全身輝き始めた。
「ニチアサの女の子ヒーローのなりきりセット?」
無駄に高い技術が使われてそうだ。グラちゃんがメインラボは博士の趣味的な研究ばかりしていたと言っていたけど。こう言う事か。
こんな感じになんで全力を出しちゃったの?って言う趣味的研究が沢山あるんだろうな。
「マスター、イスカ様。イチャイチャしているところ申し訳ございませんが、培養槽内の博士を目覚めさせる方法が分かりました」
博士を目覚めさせる方法が分かったところで
ついに博士を目覚めさせることになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます