第22話
「今回の研究所で手に入った植物は現代の技術では海水を栄養にして成長するように品種改良するのが困難だった物ばかりで、大変貴重なものでした。それに研究所を運用するための魔道エンジンも高性能な物でしたし。大当たりの研究所と言えるでしょう」
あぁそっか。海水で育つ作物の研究をするところって聞いてたから作物だけが探索結果だと思ってたけど。研究所を運用するエネルギーを生み出すエンジンも価値のある物に決まってるよな。グラちゃんがメンテナンスフリーで後、1000年は起動状態を維持できるって、そのエンジンを紹介していたな。
「しっかり成果があったようで良かったです。明日以降も探索を進めるんですか?」
グラちゃんは対して広く無いですし。1時間もあれば全部見てまわれますよと言っていたけど。何が有るか分からないからそんなところ調べる必要有る?ってところまで調べてるだろうし。
「調査は一旦終了して。このまま専門家に調査を引き継ぐことになります。なので今から開拓中の島へ帰還ですね。正確には真・ライン帝国対策にガードポットは辺りにばらまいてからですが」
研究所で見つかったものが想像よりいい物だったから。専門家を派遣する事になったってことかな?俺からしたらこっちの方が都合が良いので好都合だ。
「そうなんですね。行きみたいに海流操ってスピードアップしますか?」
「折角ですが遠慮させて頂きます」
海流での加速は、どうやら行きで相当懲りたらしい。早く着くことを重視してかなり揺れてたから、わからなくもないけど。
「そうですか。島に着くまでは緊急事態意外、部屋で大人しくしておく事にします」
そうした方がマグラス大佐達の胃にも負担がかからないだろう。
「それと、研究所の調査メンバーと一緒にこう殿が販売したいと言っていた物の回収班も同行するみたいなので、受け渡しは島でということになります」
なるほど、グラちゃんの調査のおかげでグリランド王国の王都に行く必要は無くなっていたし。それでも問題ないね。
「成程、了解しました」
報告はこれで全部だったらしく、マグラス大佐は帰って行った。
後、研究所で作物を収穫してきたらしく。今日の晩御飯は少し豪華になると教えて貰った。ご飯自体は美味しいけど。こっちに世界の作物みんな水色してるんだよね何故か。
海水で育つように品種改良した副産物何かな?
まぁ、色はちょっと食欲が無くなるような色だけど味は美味しいし今日の晩御飯、楽しみにしよう。
「マスター。真・ライン帝国の調査ができる範囲で完了しました」
マグラス大佐が帰ったあと、グラちゃんの情報収集が完了したらしい。
「おつかれ。グラちゃん、調査結果はどんな感じ?」
「申し訳ございません。ほとんど情報を手に入れることができませんでした。敵の人工知能は私が想像する以上に高性能らしいです。前マスターが生きていた時代でも私より性能の高い人工知能なんて片手で数えられるレベルですし。そこまで大きな性能差も無かった筈なのですが…」
グラちゃんが知っている1番性能の高かった人工知能より性能が高いと予想されるらしい。
グラちゃんが知らない人工知能ってなると研究所が水没して外の情報を集めなくなってからって事らしいんだけど。旧ライン帝国が滅びたあとの時代で、それって可能なの?
真・ライン帝国の裏で糸を引いている何かが居そうだなと思った。
「手に入れた情報も恐らく罠でしょうし。先程描いた地図のこのポイントの研究所に行く事を推奨します」
その研究所は前マスターのメインの研究所らしい。
グラちゃんより高性能な人工知能がいるのから仲間にしに行こうってことかな?って思ったけど違うらしい。
前マスターはグラちゃん以外の人工知能を作らなかったようだ。
「ですが。メインラボなら前マスターの発明品が沢山あります。それこそ私が把握しきれない程に」
その中に何かこの状況に便利な道具があるかもしれないって事らしい。
「確かにグラちゃんを作れる研究者の発明品ってちょっと興味有るし。島に着いたらその研究所行ってみようか」
今回の研究所の調査対が到着するのに最短でも1ヶ月はかかるだろうし。
人工知能は居なくても自動ルーチンで機械が稼働しているだろうから、研究所は今も稼働しているだろうというのがグラちゃんの予想。
グラちゃんはそのメインラボ以外の管理を任されていて、メインラボは研究者本人が管理していたから、グラちゃんも知らない事が多いらしい。
後、メインラボは研究者の趣味的な研究ばっかりしていたから、世の中の役に立つ研究は私が管理していた研究所で私がしていましたと若干キレ気味に説明してくれた。
少なくとも5000年前の人間だし、会うことは無いだろうけど。中々の色物だったんだろうなその博士。
…なんかフラグを建ててしまった気がするけど。流石に博士が出てきたりしないよね?
ちなみに楽しみにしていた。晩御飯、いつもと違って果物が出てきたけど。綺麗な青のパステルカラーをしたりんごと梨が出てきた。
美味しかったけど、やっぱり色何とかならなかったのかな?って思ってしまった。
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