第18話
「俺が研究所内を歩いていた分には攻撃されなかったし、攻撃してきそうな装置とか無かったよ」
マグラス大佐の質問に対して、はっきり無かったとは言わず。俺は襲われなかったし、見つけられなかったよと答える。
もしもの時の逃げ道って重要だよね。
「そこまで警戒する必要は無さそうですが。全く警戒しないのは不味そうですね」
その後は通路がどれぐらいに幅だったかとか部屋の配置とかを報告して行く。
「ありがとうございます。研究所に入る部隊を速やかに編成して研究所に向かおうと思います」
そうなるよね。まぁ俺は着いてくつもり無いけど。
グラちゃんいればじゅうぶんだし。
あとの研究所の備品とかはマグラス大佐達が好きにしてくれればいい。グラちゃんも研究所自体に愛着はない見たいだし。
「そうだった。マグラス大佐。俺は潜水艦で大人しくしておこうと思います」
マグラス大佐にちゃんと伝えておく。俺も着いていくって思ってるだろうし。
「そうなのですか?」
マグラス大佐は不思議そうな顔をしている。
「俺の捜し物は無さそうだったし。それなら別に良いかなって。部屋でゆっくりしてるから。何かあったら連絡ください」
そう言って操舵室からそそくさと退散した。
部屋に帰ってきたら盗聴されないように権能を使って時間を停止させる。
「よし、グラちゃん喋って良いぞ」
ポッケからグラちゃんが入っている精霊石を取り出す。
「マスターって実は神様だったりします?」
世界の時間が止まっていると言う状況に対してグラちゃんは若干呆れたような感じでそう言った。
「この子は研究所にいた人工知能のグラちゃん。有能そうだったから連れてくることにした。グラちゃん。この女性はイスカって言って俺の奥さんの1人ね」
イスカとグラちゃんの自己紹介をする。
「コウさん人工知能って大丈夫ですか?最終的に人類に対して反旗を翻したりしませんか?」
俺の奥さんたちは日本の漫画アニメ文化にどっぷり使っているので勿論そう言う話もしっかり履修済みだ。
「大丈夫じゃない?…多分」
そう言われると自信が無いけど。グラちゃんなら大丈夫だよきっと。
「イヤイヤ、人間は滅ぼせるかもしれないですけど。神は無理ですよ」
グラちゃんの中では俺が神ってことで決定らしい。
「そうそうグラちゃん。盗聴を妨害してると気づかれないように妨害すること出来る?」
「その程度のこと朝飯前です」
さすが人工知能。機械系がグラちゃんがいれば負けないな。
これで権能を使って時間を止めなくてもグラちゃんと会話ができる。
時間停止を解除して、グラちゃんに盗聴の妨害をしてもらう。
「マスター潜水艦にある全ての盗聴器の掌握完了しました」
この部屋の盗聴器をどうにかしてくれれば良かったんだけど。潜水艦全ての盗聴器をどうにかしてくれた見たいだ。
なんだったら声に出さないだけで、潜水艦のシステムごと掌握してそう。
「ありがとうグラちゃん。それじゃあ、グラちゃんに質問を初めたいと思うんだけど。
グラちゃんの前マスターが生きていた時代に異世界に干渉する機械とかあった?」
5000年前から存命のグラちゃんに聞けば存在するのかしないのかはっきりするだろう。
「有りましたよ。日本に帰ることを目標に研究していた転移者も一定数居ましたから。ただやり過ぎちゃった結果、神の逆鱗に触れて海に沈められちゃったんですけどね。しかもその後、神たちはこの世界からい無くなっちゃいましたし」
異世界に干渉する機械が存在したこともわかったし。5000年前は転移者がそれなりにいた事。この世界の陸が海に沈んだ理由。
一気に判明しちゃったんだけど。
後半は俺が知ってもなんの意味も無いけど。
俺どちらかと言うと沈める側だし。
「グラちゃんには話したと思うんだけど。突然この世界が俺たちの暮らしている世界に干渉を始めて、魔力をパクリ始めたんだよ。5000年前に作られた機械が怪しいと思うんだけど。どう思う?」
「そうですね。潜水艦の感じからして現代の技術で異世界に干渉するような機械は作れないでしょう。機械が使われているとなるとマスターの考える通りでしょうね」
やっぱり。
「グラちゃん。その機械探したりできる?」
「でしたら、この潜水艦経由で少し調べてみますね。そうしたらこの潜水艦が所属している国の情報は手に入ると思います」
やっぱりグラちゃんは有能だな。機械が沢山ある世界で敵に回したくないな。
それに開拓中の島に帰ったら真・ライン帝国から鹵獲した潜水艦も有るから。島に帰ったらグリランド王国だけじゃなくて真・ライン帝国の情報も手に入るな。
「そうしたら、グラちゃんはどこの国が5000年の機械をサルベージして使っているのか調査をお願い」
「かしこまりました。マスターからの指令完璧にこなしてみせます」
これで、一旦はグラちゃんの報告待ちだな。
ゆっくりしてるかと思ったら、突然潜水艦が緊急事態発生みたいなアラートを鳴らし始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます