第12話

マグラス大佐が迎えに来るのがわかっているので、廊下に出てマグラス大佐が来るのを待つことにした。


「お疲れ様です。マグラス大佐。そろそろ潜航ポイントに到着ですか?」


「はい。コウ殿の力を借りるお話なので操舵室までお願いします」


流石に行先分からない状態じゃ先に進めないし。操舵室に移動した。


「鹵獲した潜水艦から入手した情報では研究所の場所はここです。ちなみに現在地はここですね」


さすが軍人。俺の会話を盗聴したせいで皆取り乱していたけど、全員元通りになっていた。

それにしてもやっぱり結構遠いな。潜水艦で普通向かうなら時間がかかるのも納得。


「そうしたら潜水艦が水中に完全に沈んだら海流を操つって速度をあげますね。最初は加減を間違えて、ちょっと潜水艦が揺れるかもしれないのでちょっと注意しておいてください」


出来るだけ揺れないように気をつけるけど。

全く揺れないようにっていうのは無理だと思うんだよね。


「潜航ポイントに到達しました!メインエンジンの安定率90%まで上昇。何時でも潜航を開始できます」


「重力石に魔力の供給を開始。潜航を開始!」


「重力石へ魔力供給開始。後10秒で規定量の魔力の供給が完了。その後は循環システムを起動させて重力石の起動状態を維持させます」


潜水艦がどんどん沈んでいく。なんだろう生身で何度も水中に潜ってるのに。潜水艦に乗ってるだけでワクワクしてくる。潜水艦に乗ってる方がロマンを感じるからか?


「重力石への魔力の供給、規定値に到達するまで、3…2…1…0。魔力の供給を停止。同時に魔力循環システムを起動」


潜航開始時にしなきゃ行けないことは終わったかな?

ちょっと待ってみたけど、何かある感じはしないので大丈夫だろう。今度は俺が海流を操って研究所に場所まで送り届ける番だ。


「じゃあそろそろ海流を発生させるよ。舌噛まないように注意してね」


研究所のある場所まで進むように海流を発生させる。瞬間、潜水艦がガタガタ揺れながら倍以上の速度に加速した。

結構揺れるな〜。でも、もっと速度あげたいんだよね。このままじゃ今日中に研究所のあるらしい場所までたどり着けないし。

今以上に揺れることになるけど仕方ない。

速度をもう一段階上げる。

当然、揺れも1段階上がった。

何も捕まらずにたってるのが辛いぐらいには揺れている。


「これなら何とか今日中にたどり着けるかな」


イスカ以外は早く終わってくれって顔をしてるけど。順調に進んでいたんだけど、魔物と

戦闘をしている潜水艦の艦隊を発見したので、海流での加速を停止する。


「あのマークは真・ライン帝国のマークだったっけ?魔物と戦闘しているみたいだけど。どうする?」


倒しちゃうのは簡単だけど。どうするかマグラス大佐に確認しておこう。


「本当は潜水艦は鹵獲して船員は捕虜にするのが理想なんですが。この状態でそれは難しいですし。だからと言って領海に侵入している帝国の潜水艦を見逃す訳にはいけません。ですが、あちらは艦隊なので正面からではまず勝てません。なので魔物と戦闘している間に不意打ちで数を減らします」


「メインエンジン戦闘モードに移行!総員戦闘準備」


とりあえず戦うってことね。それなら俺が倒しちゃおう。ここで時間を使うと、今日中に研究所にたどり着け無くなっちゃうし。


「倒すつもりなら。俺がやるんでそのままで大丈夫ですよ」


魔物諸共氷漬けにして戦闘を終わらせる。


「このまま氷を砕いて粉々にしちゃっていい?敵の潜水艦から潜航データとか入手したかったりする?」


情報収集は重要だし、あっさり倒したのもあるし潜水艦から情報引き抜きをしたいと思ってるかもしれない。


「それでしたら、あの色違いの潜水艦あれだけ残して頂けませんか?あれがフラグシップなので」


なんであれだけ色が違うのかなって思ってたけど旗艦だったのか。


「分かりました」


旗艦だけ残して、後は砕いて粉々にした。

旗艦は海流を操ってこっちの潜水艦に近づけた。


「敵フラグシップに乗り込む船員は耐水装備に換装。装備の換装が終わり次第、敵フラグシップに突入する」


俺のやることは無さそうだな。かと言って操舵室から居なくなるのはダメだろう。

何して時間潰そうかな?

とりあえず、潜水艦に侵入出来るように氷を1度溶かして船員と潜水艦の動力部分を氷漬けにし直した。


耐水装備は宇宙服見たいな服だった。

確かに潜水服っぽい。


「なんか近づいて来ているね。俺も水中に出てそっち相手してくる」


なんかそれなりにでかい魔物がこっちに近づいて来てる。

ちょうど暇つぶしになりそうだし俺が相手しよう。

潜水艦への侵入部隊が待機している出撃ハッチに移動した。


「ハッチ解放。ハッチは30秒で閉じますのでテンポよく水中に出てください」


ハッチから水中に出て侵入部隊とは反対側に向かう。


「へ〜牙の生えたクジラね」


魔物がこっちに来るまで待ってたけど、牙の生えたグジラが現れた。


「今回は、久しぶりに精霊刀で戦おうかな」


収納魔法から精霊刀を取り出して構える。

相手100m級だし。精霊刀を使うならいい感じに時間を潰せるだろう。



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読んでいただきありがとうございました。

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