第13話
「よく見ると背中に水晶見たいな物も生えてるね。あれはお土産にちょっと貰っていこう」
背中の水晶が生えている部分に転移して、精霊刀で水晶を横一文字で切り落として収納魔法に閉まっていく。
クジラは精霊刀の切れ味が良すぎて水晶を切られているのに気づいていない。
そもそもクジラからしたら俺はアリみたいなサイズだから最初から俺を気にしてる様子は無かったし。俺が魔力を隠蔽してなければ、そうはならなかったけど。それするとマグラス大佐達まで怖がらせちゃうし。
「今のターゲットは潜水艦みたいだし。最低限ターゲットは変更しないと不味いよね」
潜水艦も100mぐらい有るので、同じぐらいのサイズのクジラにはテリトリーを荒らしに来た敵と言う判定なんだろう。
サイズが大きいと精霊刀で切ったとしても、1回じゃ大したダメージにならないし。
ターゲットを変えるほどの脅威を抱いてはくれないだろう。
やっぱり目を攻撃するのが良いかな?それはそれで考え無しに暴れ始められちゃうとまずいな。等と方法を考えているとクジラが大きく口を開ける。
ブレスでも吐くのか?と潜水艦を守るために氷の壁を何時でも作れるように準備しておくと。
クジラはブレスを吐くのではなく海水ごと全てを吸い込み初めた。
「マジか。それはちょっとまずい。遊ぶつもりだったのに。流石にその攻撃は放置しておくと大変なことになる」
主に潜水艦がだけど。
クジラの頭の上に転移してクジラの頭にグーパンを食らわせて、強制的に口を閉じさせて
吸い込み攻撃を終わらせる。
弾性のある皮に衝撃が吸収されている感じがしたのでそこまでダメージは無かったみたいだけど。
吸い込み攻撃の邪魔をされたと言うのはクジラからしたら攻撃するターゲットを変えるのにじゅうぶんな理由だったみたいだ。
「ターゲットを変えても吸い込む攻撃を使うんなら、ターゲットを変更させた意味は無かったな」
吸い込み攻撃は範囲が広いし無差別だから。
結局潜水艦も攻撃に巻き込まれてしまっている。
それだけ吸い込み攻撃にたいして絶対の自信を持っているということだろうか?
もしくはそれしか攻撃手段がない?
まぁ、範囲の広い吸い込んだ後どうなるのか知らないけど。自分の体積以上の海水を吸い込んでいるのに排出もせずに吸い込み続けているところを見ると、異空間とかに繋がってそうだし。吸い込み以外の攻撃なんて必要なかったのかもしれない。
何はともあれ、こんなクジラが近くにいたらマグラス大佐達は気が気じゃないだろうし、もう倒しちゃおう。
「精霊刀のままじゃ時間かかるし。仕方ない魔法で直ぐに片付けよう」
クジラの頭上に氷でできた巨大なギロチンを作り出してクジラに向かって落下させる。
クジラは流石にやばいと判断したのか吸い込み攻撃を自分の意思で中断して全力で泳ぎ出した。
だけどクジラは逃げ切ることは出来ず。
ギロチンで頭部と胴体で真っ二つになった。
収納魔法にしまえたし 、ちゃんとトドメをさせたみたいだ。
まだ、であったことは無いけど。プラナリア見たいな。真っ二つにしたぐらいじゃ死なないし、それどころか2体に分裂して襲いかかってくる魔物がいないとも限らないし。
「もう、やることないし。潜水艦に帰ろう…あれ?俺どうやって潜水艦の中に帰れば良いのかな?」
俺潜水艦の中の人と会話すること出来ないし。どうやってハッチ開けて貰えば良いんだろう?
カメラのおかげで360°死角はないって言ってたし。ハッチに近づけば開けてくれるかな?
「いや、そんな事しなくても転移で潜水艦の中に帰れば良いだけじゃん」
転移のことすっかり忘れてた。クジラに対して自然に使ったのに。
まぁ、比較的早い段階で気づけたし良しとしよう。
転移を使って潜水艦の中に帰った。
「ほら、気にしなくても直接帰って来たでしょう?」
「ハハ…もう何でもありですね…」
イスカは最初から俺が転移で帰ってくると思っていたらしい。それをマグラス大佐に伝えていて、半信半疑だったけど。俺が言われた通り転移して帰ってきたから、マグラス大佐がもうなんか疲れたって顔をしてるのか。
「そうそう、さっきのクジラもやっぱり高値で売れるの?」
クジラ系の素材はバハムートを持ってるから
要らないんだよね。水晶だけは綺麗だったから水晶は回収したけど。全部回収した訳じゃないし。もしなんか言われても倒したのは俺なんだから、文句言われる筋合いも無い。
「暴食クジラは討伐された記録が1度もない魔物ですので、一体いくらの値がつくのか。私には想像出来ません」
あのクジラ暴食クジラって言うのか確かにあの吸い込み攻撃を見た後だと暴食って名前がつくのも納得出来る。
それにしても暴食クジラ確かにあの吸い込み攻撃は脅威だと思うけど。1度も討伐された記録が無いって本当?
いくら吸い込み攻撃が脅威だって言っても後ろからだったら攻撃し放題だよ?
この世界の人が暴食クジラと戦うには潜水艦で戦う必要があるから、後ろに回り込める程の機動力が確保出来なかったってことかな?
「そんなにお金を貰っても使い道が無くて困っちゃうけど、素材としても使うか微妙なんだよね」
だからってタダであげる気は無いし、どうしよっかな?
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