第4話
「正面からじゃ何やっても倒せなさそうだね」
すぐに倒した方が良いだろうってのは分かってるけど、次遭遇した時のために情報種集として色々試している。
「コウさんがそれなりに本気をだして作った氷の槍も正面からだと食べられてカバは無傷でしたからね」
神獣クラスでもダメージを与えられるレベルの攻撃も正面からだとカバの魔物に食べられて無効化されてしまう。ただ食べられなければ普通にダメージを与えられるのでサイドか後ろから攻撃するのが基本の戦い方。
ただし、後ろ側はうんこ撒き散らして来るのでオススメしない。
後、こいつは食べたものをすぐになんでもエネルギーに変換できるらしく。
すぐに魔力が回復するし、怪我や体力もすぐに治る。
なのでこいつを倒すには周りにあるものを含め、何も食べさせないようにしてダメージを蓄積させて倒すか。
一撃で倒さないといけない。
あとは権能を使えば口の中に向かって攻撃してもダメージを与えられる筈だから、普通に倒せるだろうけど。
神以外で権能を使える存在なんて基本いないし。俺とフィア、イスカ、ティアナさんぐらいかな?ハジメくんの権能の付与された神剣は異世界の神を消滅させた後、権能の付与されてないものと交換したって聞いてるし。
他にいたとしても片手で数えられるレベルのはず。
まぁ、情報収集もそろそろ終わりにしないと綺麗なマングローブ林が文字通り無くなってしまうので、そろそろ倒すことにする。カバの魔物の足を凍らせて動きを止めてから氷のギロチンで首を落とした。
「それにしてもこの魔物周りの被害がすごいな」
綺麗なマングローブ林だったのに辺り一帯何もない汽水域になっていしまっている。
「見た目は環境破壊にしか見えないけど、ベヒーモスのこの行為も割と重要なんだよ?」
珍しくフェムトが転移で現れた。
このカバ、ベヒーモスなの?
それよりフェムトが来たってことはもしかしなくても倒したらダメだった?
「こっちのベヒーモスはカバの見た目なんだよ。後はベヒーモスが通った後は確かに何も残らないけど、ベヒーモスの糞が超強力な栄養剤になってるから、森はすぐに再生どころかさらに生い茂る」
へ〜確かにベヒーモスにあったのは別の世界だし、姿が違ってもおかしくないか。
後は糞が超強力な肥料になるから、自然が消えるのは一時的ってことか。
辺りを見回してみると既に海藻やマングローブに若い芽が生えて来ている。
超強力って言ってたけど強力すぎないですかね。
肥料と言うより劇薬の類って言われた方が納得出来る。
「じゃあ、燻製にすると美味しいベヒーモスはもう一生食べれないんですね。残念です」
あぁ、確かに。肉を食べたベヒーモスは別世界のベヒーモスだから、この世界のベヒーモスとは別物。同じ名前でも肉の味は別物だろう。
燻製が美味しいからって全部燻製にされちゃったからどて焼き作れなかったんだよね。
筋肉質で筋の多い肉質だったから絶対美味しいと思ってたのに。
筋は多かったけど、燻製にするだけで普通に柔らかくなったから牛すじみたいに下処理に時間も取られなさそうだったし。
「そうだね。まぁ、やりようは無くはないよ?コウが魔物創造を覚えてあっちの世界のベヒーモスを作って繁殖させるとか」
魔物創造を覚えてベヒーモスを最低2匹使役して増やせば良いのか。
残ってる素材を半分こすれば2体作れるかな。肉以外は全部残ってるし。
問題は、魔物創造を覚えたとしてもランクで言うと余裕でEXのベヒーモスを創造できるのか?ってところかな。
多分難しいと思うんだよね。
「後はセラスにあっちの世界のベヒーモスを吸収させれば、ダンジョンに出現させれるようになると思うから。それも手だね」
魔物創造よりはそっちの方が確実そうだな。
今度セラスにあったお願いしよう。
最近はサブダンジョンの制作の大詰めとか何か言って全然ご飯食べに来ないから、こっちから会いに行った方がいいかもしれない。
ダンジョンで暴れればすぐに気付くだろう。
「とりあえず。別の世界のベヒーモスとかこっちの世界のベヒーモスって長いから。
ベヒーモス(猪)、ベヒーモス(カバ)ってこれから呼ぼう。で、ベヒーモス(カバ)も食べれるんだよね?」
毒攻撃とかは使ってこなかったし、食べれないってことはないだろう。
「もちろん食用可だよ」
食べれるのはわかったけど結構脂身が多い。
焼く前にカットする必要がありそうだ。
いいラードになりそう。そう言えばラルドって言う脂身の塩漬けがあった様な。
帰ったら試してみよう。
「きっと美味しいはずだし、しっかり持って帰ろう」
ベヒーモス(カバ)を収納魔法にしまった。
「じゃあ、僕は先に帰ってるね〜」
フェムトも話すこと話したし帰るねと言って消えた。
「この後、どうしよっか?」
すぐに再生すると言ってもマングローブ林は無くなってしまったし、デートするにはちょっとと言った感じだ。
「少し空を飛んで、良さそうな場所を探しますか?」
それしか無いか。ということでしばらく空の旅を楽しむことになった。
読んでいただきありがとうございます。
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