第10話
「ちょっと何精霊石なんて用意してるのよ。そんなの出されちゃ魔力玉なんてただのおもちゃになっちゃうじゃない!」
俺が精霊石を作った事にいち早く気づいたセラスに早く仕舞いなさいと怒られてしまった。
「もしかしてだけど。魔力玉って精霊石を参考にして作ったりしてるの?」
「私はメニューで魔法の威力をあげてくれる物が出来ないかな?ってダンジョンポイントを消費しただけだから知らないけど。よくよく考えたら精霊石を参考にしたんだと思う。ぶっちゃけ魔力玉の効果って精霊石の劣化版だし」
セラスが1からしっかり設計して作ったものじゃないのはわかってたけど、ダンジョンポイントを消費してこんなのが欲しいって思っただけで欲しい物が作れるってダンジョンマスターってやっぱりチート存在だな。
「と言うかやっぱり精霊石にも威力アップ効果あるんだね」
そう言えばセラスって何処でこんな事調べてるんだろう?大抵のこと知ってるけど。
キュアノス島のダンジョンができた時に生まれた筈だから、まだ1歳にすらなってないはずなんだけど。
ダンジョンマスターは生まれた時から、ある程度の知識を与えられてるとか?ダンジョン神とかそんな感じの神様から。
「知らなかったの?精霊石を通して魔法を使えば下位精霊が作り出したものでも10倍ぐらいの威力がだせる筈よ。精霊王のコウの作った精霊石なんて極端な話赤ちゃんが使ったとしても1都市を丸ごと水没させたり氷漬けにできるでしょうね」
今まで通り安易に人の手に渡らないように気をつけないと。
それにしてもフィアたちも精霊石を使えば魔法の威力が上がるって多分知らないよな?
精霊の力を借りることができれば威力をあげられることは知ってたけど。
もしかして詠唱魔法が主流になっていた弊害か?
最近までは詠唱魔法を使って魔力操作なんて全くしてなかった筈だから。魔法を使う時に精霊石に魔力を集めて魔法を使うって発想が無かったのか?
多分だけど、正解に近いんじゃないかな?
もう1つの可能性として精霊石があれば誰でもとんでもない威力の魔法が使えるようになってしまう。なので知っている人がいたとしても情報を秘匿している可能性。
「気にしたこと無かったから初めて知ったけど。だからと言ってあまり広めない方が良さそうな情報だな。魔力玉でじゅうぶんだろう」
「当たり前でしょ!精霊王の精霊石なんて、そんなのばらまかれたら文字通り世界が崩壊しちゃうでしょ」
「ご最もで。それとさ、セラスは何処から色んな知識を仕入れてくるの?」
「ダンジョンマスターは神族以外で世界の情報が統括管理されている無限書庫にアクセスできる権限を与えられているから、知りたいことはそこで大抵知れるのよ」
と言ってもダンジョンコアからアクセスしないと情報量が多すぎてまともに情報を調べられないんだけどねとセラスがいう。
ダンジョンコアは演算装置だと言っていたけど。検索エンジンとしても利用してるんだね。
ダンジョンコア有能すぎる。
「ところでいつまでその精霊石を手に持ってるのよ?早くしまいなさいって言ったじゃない!」
凄い危険物扱いだけど。実際危険物なので大人しく仕舞う。実際に試すことはできなかったけど、実際に試した結果大惨事になったら目も当てられないので仕方ないだろう。
それにしてもセラスがフィアたちの武器を見たらどんな反応するんだろう?
発狂するんじゃないかな?
「精霊石は無かったことにするとして。魔力玉そのままだと使いにくそうじゃない?無くしちゃいそうだし。魔力玉を核とした魔法の杖とか面白そうじゃない?」
大っきい杖じゃなくてハ〇ポタみたいな杖だと使いやすいと思う。
ビー玉サイズの魔力玉を手に握って戦うとか途中で落としたりしそうだから、その点でもいいと思う。
「いっその事魔力玉の強化倍率は杖に使った素材のランクとか作った人の腕を加味してランダムに決定するようにしようかしら?」
これは要らない知恵を与えてしまったかもしれない。
この世界って地味に魔法使いの杖ってないんだよねって思ってたから魔力玉があれば作れるんじゃない?って思って余計な事言っちゃったな。
このせいで強化倍率の高い魔力玉を手に入れる確率が更に下がったかもしれない。
まぁ元々存在しなかった物だし、低確率で手に入るだけでも嬉しいってことで。
それに俺がばらさなきゃこのことも広まらないわけだし。
「早速ダンジョンに帰って調整するわよ!」
「俺は実験農場の方が気になるから、帰るなら1人で帰って」
ダンジョンマスターは自分のダンジョンになら何処からでも転移できるらしいので1人で問題なく帰れるはずだ。
「そう?じゃあ先に帰ってるわね」
セラスは特に文句を言わず1人で帰って行った。
よっぽど魔力玉の改良を早くしたかったらしい。
「という訳で実験農場の方も案内お願いします」
疲れた顔をしているレムさんには悪いけど実験農場に俺の気になるものが栽培されてる気がするんだよね。何となく。
読んでいただきありがとうございます。
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