第6話
「な〜また負けた!アンタイカサマしてるんじゃ無いでしょうね!!」
セラスをカジノに連れていくと絶対ろくな事にならないと分かっていたので、カジノを避けて島の案内をしてたんだけどちょっと露骨すぎたのかもしれない。
カジノをセラスにバッチリ見つかってしまい。既に2時間カジノで遊んでいる。しかも俺のお金で。でも、セラスが使った分のお金は後でセラスのダンジョンから回収するつもりなので、それに関してはそこまで気にしていない。
気になるのはセラスの勝負運の無さだ。カジノはイカサマとかいっさいしてないのにまじで勝てない。例えばルーレットだと締切直前でベットする色や数字を変えると必ず、変える前が当たる。
なら変えなければ当たる!と変えないと別の場所が当たる。
ポーカーをしても、チキって勝負を降りるときは大体メンバーの中でいちばん強い役が揃ってるし。セラスが勝てると思って勝負に出た時に限ってファイブカードやストレートフラッシュが揃ってるメンバーがいて大負けする。
ブラックジャックやバカラでもそんな感じだ。掛け金上限が決まっているからそこまででも無いけど。賭け金上限が決まってないカジノだったらセラスは今頃借金地獄に落ちているところだ。
「俺だってイカサマを疑いたくなるレベルの負けっぷりだけど。イカサマとかは無いはずだよ。もしあったとして俺がいる時にすると思う?しかも俺が連れてきたお客さんにたいして」
これでも俺、この島のトップだからね。
それにディーラーをしてる幻獣種のお姉さんも、逆になんで勝てないんですか?ってちょっと困惑してるし。
「確かにコウの前でイカサマするなんてよっぽどの度胸がないとできないわよね。疑って悪かったわ」
セラスが大人しくディーラーさんに謝る。
ただイカサマでは無いけど。ディーラーさんの腕次第では結果をある程度操作することは出来ると思うんだよね。特にルーレットとか
ウィールに玉を投げ込む威力の調整でどこに入れるかある程度操作出来るだろう。
そんなこと長くてもディーラー歴数ヶ月の初心者に普通出来るわけないけど、ディーラーが幻獣種だからな。そのぐらい出来てもおかしくない。
これに関しては、イカサマと言ううよりディーラーの実力だと俺は思ってるから特に何か言ったりしない。
それに、セラス以外に賭けてた人はそれなりに当たってたし。
セラスの勝負運が壊滅的と言うのは変わらないだろう。
「それにしても、ハラハラ感があって中々楽しかったわ。これで勝てればもっと楽しかったと思うけど。今日はここまでにしておく。でも絶対にリベンジに来るから!」
覚えておきなさい!今度は絶対ぼろ儲けしてやるんだから!と言ってカジノから出ていった。
カジノからしたらいいかもだろうな。
「コウ。賭けなしでさっきみたいに遊べるところないの?」
カジノを出てからそんなことを聞かれる。
賭け事にハマっちゃうかな?って思ってたけど今のところは大丈夫っぽい。
「勿論、賭け事以外でも遊べる場所はちゃんとあるよ。そっちはちゃんと案内する予定だったんだよ?でも、案内するつもりがなかったカジノをセラスが見つけちゃうから。セラスをカジノに連れてったらろくな事にならないと思ってたけど。予想通りだった」
「あれは結果論でしょ!まぁ、私も好き好んでカジノに行く気は無いけど」
偶になら問題ないでしょう。1回ぐらい勝ちたいしと小声で言っていたけど。
勝負運が壊滅的なセラスが勝つことなんて有るのだろうか?
あぁそうだ。お金のことも言っておかないと。
「そうだセラス。カジノで使った分のお金は後でダンジョンの魔物を狩って回収するから」
「…そういえば、コウのお金だったわね。
わざわざ魔物を狩らなくても、お金になりそうなもの用意するわよ。これとかどう?」
赤、緑、青、茶のビー玉のような物をセラスが何処からか用意した。
「ある程度の威力までしか意味は無いけど、この魔力玉に魔力を込めて魔法を使うとそれぞれ対応する属性の魔法の威力を1.1倍してくれるのよ」
無くても良いけど、有るなら嬉しい。なんとも言えない微妙な強化倍率だな。
今まで魔法の威力をあげる装備なんて無かったし凄いのは確かだけど。
ある程度までしか効果がないと言うのは、魔力玉から補助が得られる最大出力が設定されていてそれ以上の威力の魔法は強化して貰え無いらしい。当然、俺は対象外です。
「確かに凄い物だけど、もっと倍率を高くしたり出来たんじゃないの?」
「出来るけど。それじゃ人間のためにならないでしょ?ちょっと補助をするぐらいがちょうど良いの」
想像以上に人間のことを考えているらしい。
人間がダンジョンに入れるようになる迄早くても1年ぐらいかかる予定だったけど。もっとはやめた方がいいかも知れない。
でも、焦って解放しても絶対問題が起きるし。
魔族達に先行解放するか。魔族たちだったらやらかしたりしないだろうし。
問題なのは、絶賛開拓中だからダンジョンに挑む人員がいるかだな。
読んでいただきありがとうございます。
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