第18話
「また何時でも村に遊びに来てね。コウたちだったら何時でも歓迎だから」
「リーフソルト関連は俺も気になるし、また近いうちに村に遊びに来るよ」
エリーゼを村に送り届けて一度精霊界に戻る。
フェニックスのお願いを聞きつつ2人でイチャイチャする予定だったけど、フェニックスのひなを助けるためにエリーゼもどうこうすることになっちゃって、2人っきりデートでは無くなっちゃったから、あと1日ぐらい2人でどこかに行こうと言う話になった為2人で会議中だ。
エリーゼが悪い訳じゃ無いんだけどね。
空気読んでできるだけ空気に徹してくれてたし。
「たまには王都でも散歩しますか?仲がいいアピールも出来ますし。お金も消費出来るでしょう?」
なんだかんだ言って王都のお店をしっかり見たことないし。ただしゆっくり歩けるかな?
道に出た瞬間囲まれて身動き取れなくなるんじゃない?
「まぁ、時間はたっていますし、囲まれるってことはないと思いますよ」
まぁそれならという事で、王都を2人でぶらぶらすることになった。
「と言っても私も王都にそれほど詳しいわけでも無いんですよね。コウさんと出会うまでほとんど王城から出たことが有りませんでしたし」
まぁ王族なんだから当たり前だろう。買い物だって相手を王城に呼ぶのが普通だろうし。
王都に出たとしても馬車に乗ってだろうから。
「適当に歩いて気になるお店に入るとかで良いんじゃない?」
「そうですね。大きな噴水のある広場が有りますからひとまずそこを目指して歩きましょう」
大きな噴水があるのは聞いたことがあるから知ってるけど、実際に見たことはまだ無いからちょっと楽しみ。デートスポットぽい感じもするし。
恋人繋ぎをしながら噴水のある広場に向かって歩いて行く。街中の視線が集まってるんじゃないかってぐらい見られてるけど。囲まれたり話しかけられたりはしないので、気にせず歩いて行く。
「劇の題名が『精霊王と呪われた姫』って書いてあるんだけど、もしかしなくても…」
「もしかしなくても、私とコウさんをモデルにした劇ですね。ちなみにフィア姉とコウさんバージョンも勿論有ります」
いつの間にそんなものが!?
「誰もが羨む美貌の持ち主だったとある国の王女がある日、その美貌を妬む悪い魔女に呪いをかけられて、顔が焼け爛れて大変痛ましい顔にされてしまいます。美貌に絶対の自信を持っていた王女は絶望し命を絶つことも考えていましたが、何処からともなく精霊王が現れます。その後、精霊王と王女が2人で呪いを解くための旅をして恋に落ちていくと言う話ですね」
ざっくりどんな話か教えてもらったけど、9割フィクションだな。
呪いじゃなくて、マルタの怪我は治したけど。
「マルタはこの劇見たことあるの?内容を知ってるみたいだけど」
「生徒にこの劇についてよく質問されるからです。それと1度だけ、生徒と一緒に見に行きました。劇としてはとても面白いですけど、自分がモデルと言われると恥ずかしくて1度しか見ていませんが」
「劇か〜。俺も1回見てみたいな。俺がモデルになっていない話をだけど」
俺をモデルにした劇をやるなとは言わないけど、ちょっと恥ずかしいので見るなら別のが良いかなと思う。
日本にいた時も映画とか好きだったし、劇団〇季も何度か見に行ったことが有るから、劇自体には興味がある。
「でも、今人気の劇ってコウさんがモデルのものばかりですよ?」
フィアとの出会いから王国認定魔導師になって結婚するまでの話だとか。コレは結構事実に忠実らしい。
俺がやらかした事がいくつも劇になっているらしい。
「ハジメくんをモデルにした劇とかないの?」
ハジメくんだって色々やらかしてるだろう。
じゅうぶん劇のモデルになれるはずだ。
「有りますよ。勇者としてこの世界に召喚されて仲間と共に強くなりながら最終的に邪神を倒して姫と結婚する王道ストーリのものが」
しっかりハジメくんのもあるじゃん。見に行くならそれにしよう。
「でも、コウさんも出てきますよ?勇者の師匠的な存在として。あとは勇者のピンチの時も駆けつけて勇者を助けたりします。それなりに出番が有りますよ?」
あっそうなんだ。
「俺が出てこない劇ってないの?」
「こう言うのは流行りも有りますから。今は無いんじゃないですか?」
時間が経てば劇も他のものに変わるか。
流行なんて数ヶ月で変わるだろうし、そしたら見に来よう。
「まぁ、少なくともこの先数十年は公演されるでしょうけど、回数自体は今より減るでしょうね」
劇団に俺自身がテコ入れしに行くべきか?
余計自体が悪化する未来しか見えないからやめておこう。
劇場の前を後にしてその後もフラフラ歩いていると目的の噴水広場にたどり着く。
噴水はエステルさんの彫刻があってエステルさんの持つ壺から水が出てくる感じになっている。
予想通りカップル率が多い。観光客とかが増えればまた変わってくるんだろうけど。
街から街への移動は危険がいっぱいなので、旅行をする人なんて1部の金持ちぐらいなんだよね。
それでも人が多く集まる広場なので屋台とかも結構出てる。
折角だし、屋台で何か買ってベンチに座ってゆっくりしようと言う話になった。
読んでいただきありがとうございます。
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