第14話

「1年は余裕でもつ量が有りますね。キュアノス島から支援として塩は頂いてますが、やはり見える形で貯蓄されていると安心感が違います。ありがとうございます」


確かに実際に見える形で塩が貯蓄されているというのは魔族の人達にとって安心材料になるのは確かだろう。そのつもりは全くないけど、何らかの原因で突然キュアノス島からの塩供給が止まらないとも限らない。

その時に塩がある程度有れば耐えることが出来るからね。

ちなみに前の世界にいた時は魔族の人達は魔物と同じく食事が必要なく魔力だけで生きてくことも可能だったけど、世界神様がこの世界で生きていけるように調整した結果普通に食事が必要な体になったので塩はとても重要な物資になっている。


「エリーゼに俺のお願いを聞いて貰ってるし。用事がある場所にちょうど岩塩があったからね。気にしないで」


どちらかと言うと俺の趣味で振り回した感じも若干あるのでこのぐらいさせて欲しい。


「ちょっと気になったんだけど、ハーブソルト作り始めたの?」


「これはリーフソルトを塩として使えるようにするために葉を乾燥させて細かくしたものです。葉はバジルのような感じなので結構便利なんですよ」


なるほど。地球のアイスプラントみたいにサラダに入れるとほんのり塩味がする感じじゃなくて、葉はハーブになってるのか。


「それと本日、精霊王様とマルタ様は村にお泊まりになられますか?それともキュアノス島にお帰りに?」


ダンジョンで時間を使いすぎたのでもう夕方過ぎてしまっているので燃えない魚の魔物を創造してもらうのは明日に持ち越しだ。


「いや、まだエリーゼにお願いしたいことが終わってないから今日は村に泊まって行こうと思ってるけど。泊まるところ有るよね?」


「勿論、専用の家をご用意させていただいていますので何時でもお泊まりできます」


「それはありがたい。有難く使わせてもらいます」


前回来た時は無かったから、いつの間にか用意してくれていたみたいだ。

空間拡張が施されてる魔道具のテントで寝る事になるかもって思ってから本当に有難い。


「お風呂は家に付いてなくて共同のものになってしまうので申し訳ないのですが。共同のお風呂を利用されるか、ご自身で即席のお風呂をお作りいただいてご利用してください」


村規模なのに共同とは言えお風呂がある方がすごいと思うけど。

共同お風呂に俺が行くとみんな遠慮して早く上がったり、お風呂に入るのを遠慮しちゃうから即席のお風呂を作った方が良いな。

それならマルタと一緒に入れるし。

共同お風呂は当然 、男女別なので一緒に入れないからね。


早速、泊まる家に案内してもらう。



「では、失礼致します」


「また明日ね〜」


エリーゼとレムさんは自分たちの家に帰って行った。


そとから見えないように、土で壁を作って2人で同時に入っても余裕があるサイズの浴槽も用意する。

お湯でろ〜って念じたらしっかり出たので、そのまま浴槽をお湯で満たす。

お風呂に入る前にお湯で作った水球の中に入って体を洗ってから浴槽に入り体を伸ばす。


「あ〜。やっぱりお風呂は良いな。それとマルタ?嫌じゃ無いけど、膝の上に乗られると色々我慢できそうにないんだけど?」


別に夫婦なんだし、それぐらい問題ないどころかウエルカムではあるけど、壁は有るけど防音性能は高くないし、ここでおっぱじめたら丸聞こえだよ?


それにしてもマルタの背が伸びてるな。別の事を考えて自分を落ち着かせる。


「成長期ですからね。なぜか胸だけは全く大きくならないですけど」


逆にコノハは身長は全然伸びないけど胸は大きくなってる。


「俺はそんなこと気にしなくていいと思うけどね」


お風呂でゆっくり体を休めた後、お風呂をでて夕ご飯の準備を始める。


「今日はキムチチャーハンにしよう」


材料を収納魔法から取り出して、調理を始めた。

キムチチャーハンは久しぶりに食べたけどやっぱり美味しい。一緒に作ったワカメスープもあっさりしていて美味しかった。


ーーーーーーー


「ん〜よく寝た」


やっぱり家で寝るのは安心感が違う。もう、太陽がしっかり顔を出してしまってる。少し寝坊したみたいだ。魔族達の村には、まだ光源が火しか無いので日没後は真っ暗。なので空が明るくなり始めたら活動を初

始めて暗くなる前に一日を終える。

そんな魔族達からしたら完全に寝坊だ。


「うーん。おはようございます。コウさん」


ベットの上でモゾモゾしていたらマルタが起きてきた。


「おはようマルタ」


起きたので着替えたり身だしなみを整えてるとエリーゼがやって来た。


「コウ、マルねえおはよう!」


「おはようエリーゼ」


「おはようエリちゃん」


「朝食を持って来たから、食べながら今日の予定を話したいから一緒に食べて良い?」


断わる理由がないので一緒に朝食をとりながら今日の予定について話し始めた。


「折角ならただ魚の魔物を素材に使うんじゃなくて、ある程度繁殖力の高い魚の魔物を素材にしたいけど。エリーゼそんな都合の良い魔物の記憶無い?」






読んでいただきありがとうございます。

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