第13話
「あれ?魔物創造が発動しない」
ボスがトドメを刺したトリケラトプスをラプトル達と同じように魔物創造で使役しようとしたけど。魔物創造が発動しなかったようだ。
トリケラトプスは一応Aランクの魔物なので恐らくだけど、今のエリーゼではAランクの魔物は1匹使役するのが限界。もしくはダンジョンの素材を使っての魔物創造はBランクが限界。このどっちかだろう。
「コウの言う通りそのそっちかだろうね。トリケラトプスパワーも有りそうだし荷馬車引かせるのにピッタリだと思ってたからちょっと残念」
確かにトリケラトプスは荷馬車を引かせるのにはピッタリな魔物だろう。ボスも問題なく荷馬車を引くことは出来るだろうけど。
ボスはエリーゼの護衛という重要な仕事が有るから荷馬車を引かせるのは難しい。
それにボスはどちらかと言うとスピードタイプ。トリケラトプスはゴリゴリのパワータイプなので、その点から言っても荷馬車を引かせるなら、ボスよりトリケラトプスの方が有能だろう。
「まぁ、今回は諦めて外で別の魔物を探すしかないな」
もしトリケラトプスの魔物創造が失敗した理由が前者。つまり、エリーゼの実力不足だった場合、今後の努力次第でトリケラトプスを使役出来るようになるかもしれないけど。
その頃にはトリケラトプス以外の荷馬車を引かせるのに適任な魔物を使役してるだろう。
「そうだね。魔界にはいっぱい魔物がいるし、トリケラトプスの代わりになる魔物なんていっぱいいるだろうし。でも、コウ的には恐竜そっくりな魔物の方が嬉しいんじゃない?」
「まぁそうだけど。わざわざ我儘を言うほどではないよ?」
魔物創造を貰っても、まだダンジョンでしか姿を確認していない恐竜は使役できない種類が多そうだなってちょっとへこんでるけど。
「今回の目標の魚も採りましたし、ダンジョンの素材でも魔物創造に使えるのかの検証も終わりましたから。そろそろ魔界の村に帰りませんか?」
マルタにもっともなことを言われてしまったので、ダンジョンから魔界の村に帰った。
「皆様無事のご帰還心よりお喜び申し上げます」
魔族の村に帰るとエリーゼの右腕、国で言うと宰相ポジションの人が出迎えてくれた。
「それとエリーゼ様。どうやら見たことない魔物が増えているようですが」
「この子達はラプトル。順番にアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンね。今までのオオカミ系と同じように自分の移動に使ったり、荷馬車の護衛、村の防衛をしてもらうつもり。Bランクの魔物だからかなり戦力になってくれるはずだよ。後、これが1番の効果と言っても過言でもない。コウがこのラプトルも含まれる恐竜って魔物の種類が好きみたいで、この子達が居るだけでコウの村に来てくれる回数が劇的に増える」
ちょっと待って、その説明の仕方はおかしい。
右腕さんもそうなんですか。それでは精霊王様に頻繁に来てもらう為にもこの子達は大切にお世話する必要が有りますね。って真顔で言ってるし。冗談だよね?
「この話は後でまたするとして、ダンジョンからかなりの岩塩を採集して来たから倉庫に持って行こうと思うからレムも着いてきて、量の管理をしているレムにも確認しておいてもらう必要があるし」
「岩塩が採れるダンジョンですか…魔界にもそのようなダンジョンが有れば開拓がもっと楽になるのですが…。有用なダンジョンどころか、ダンジョン自体魔界では1つも見つかって無いですけど」
魔界ではまだダンジョンは1つも見つかっていない。探せばあるのかもしれないけど。俺は多分ダンジョンは無いんじゃないかなと思っている。魔界にはダンジョンは無くてもダンジョンみたいな物理法則がねじ曲がってる場所も沢山あるし。
魔物との遭遇頻度も少ないところで一般的なダンジョンと同じぐらいと、人間界と比べて高めだ。
人間界はダンジョンが有るから、それ以外の場所の魔物の出現率が下がってるんじゃないかな?と勝手に思ってる。
「まぁ、リーフソルトも見つけたし。コウ経由で精霊神様が育てかたのヒントをくれたから、工夫は必要だけど村の近くで栽培も出来そうだし。そう、ダンジョンを羨ましがる必要も無いよ。この先もっと余裕が出てきて遠くまで調査出来るようになれば、リーフソルト以外にも人間界に無いものも見つかるだろうからね」
リーフソルトはダンジョンで話してた塩の結晶を葉につける植物だね。確かに今の魔族は人数が多い訳じゃないし。村を発展させて安定した生活を送れるように頑張ってるから、
村から離れたところは未探索の土地ばかり。
村が安定して冒険者のような人が出てきたら見た事ないような素材が沢山見つかることだろう。
俺も魔界を探検して色々探したいけど、一番乗りは魔族の人達であるべきだと個人的に思っているので我慢している。
その前に精霊界の自分の支配領域でさえ行ったことのない場所の方が圧倒的に多いし。
探検するとしたらそっちの方が先だろうな。
読んでいただきありがとうございます。
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