第9話
フェニックスの雛も食べれる魔物を作り出すために魔物創造が使える魔族に強力してもらう為、魔界に向かい事情を説明すると魔族の王エリーゼが協力してくれることになった。
今は魔物創造に使う為の素材を手に入れるためにフロンダンジョンの8階層に来ていた。
「ここがダンジョン!冷気を纏ってなきゃ、入ることすらできないであろう環境ですね。私自身は戦闘が得意なわけじゃないから、まずボスを召喚しないと【
エリーゼの前に魔法陣が浮かび上がりその魔法陣からエリーゼが魔物創造で創り出した、ガルムのボスが現れた。
魔物創造で創って使役した魔物は今みたいに離れたところから召喚魔法を使って呼び出せるらしい。ちなみに帰還魔法もしっかり有るらしい。
「ワン!」
いかつい見た目をしてるのにチワワみたいな可愛い声をだしてエリーゼの方に走っていく。どうやら自分だけ置いて行かれたと思っていたらしい。
召喚魔法が魔界と人間界を挟んでも発動するかの為に今回は召喚魔法で呼ぶことにしたんだけど。転移で一緒に連れてきた方が良かったかな。
それにしてもガルムはこの暑さでも大丈夫そうだな。冷気を纏わせなくても普通に元気そうだ。
足裏とか火傷しないのかなって思ったけど、魔力を足裏に集めて保護してるっぽい。
器用なことをしている。Aランクの魔物だしそのぐらいはできて当然なのかも。
「例の魚は溶岩湖なら何処にでもいるから横にある溶岩湖で捕れるはず。後、ボスがいるからって勝手に離れちゃダメだよ?この階層に居る魔物はボスと同レベルかそれ以上の魔物しかいないから」
高難易度ダンジョンの最奥1歩手前の階層なので最低でもボスと同じAランク。SランクやSSランクの魔物も普通に遭遇する難易度だから、ボスがいるとはいえ1人でどこかに行かれると危ないので最初に釘を刺しておく。
「絶対に勝手にどっか行ったりしないよ。それにしても魔界にもやばい土地は有るけど、人間界にもやっぱりあるんだね」
「魔界ほどでは無いよ。ここはダンジョンの中だし」
魔界だとダンジョンの中じゃなくても普通に重力が100倍ぐらいある土地だったり、銃弾のような雨が振り続ける土地だったり、感覚を狂わせる霧がかってる土地だったりと。
ダンジョンみたいな環境の土地が何ヶ所もある。
魔族たちが開拓している場所は魔物が強ければ強いほど苦手になる匂いを発する木が群生している一種の安全地帯。
ホントだったらAランクの魔物であるボスにも木の効果は出る筈らしいけど、問題なく魔族の村で生活している。
恐らくだけど、魔物創造で生み出したか魔物には効果が無くなるのでは?と言うことらしい。
なんとも都合がいい話だなと最初は思ったけど。世界神様が魔族が生きていても世界に影響を与えないように調整した時に魔物創造も弄って都合の良いように調整したのかもしれない。
魔族が強い魔物を寄せ付けない木が群生している場所に村を作る可能性は高い訳だし。
魔物創造で作られた魔物はその効果を受けないように調整するぐらい、世界神様なら片手間で出来るだろう。
「コウさん。私たちじゃ溶岩の中を泳いでいる魚を生け捕りにするのは無理ですよ?倒すことは出来るでしょうけど。それじゃ回収ができないので」
溶岩の中で倒しちゃうとそのまま溶岩の中に沈んで行くからな。確かに俺が生け捕りにして地面の上でエリーゼが倒す必要があるか。
溶岩の中をスイスイ泳いでいる魚を念動魔法で捕まえて陸地まで運んでくる。
エリーゼが早速魚を締めようとしているので一旦止める。
「そいつ溶岩の中を泳いでたから1度冷やさないと溶岩と同じ温度してるから触ったら大変な事になるよ」
それを聞いたエリーゼはサッと後ろに下がった。
激熱の魚に凍らない程度の冷気を浴びせて徐々に冷やしていく。ジュゥーと言う音を立てながら水蒸気が上がる光景を見ていると一見、魚を丸焼きにしているように見えるけど、実は冷やしてるってなんか面白いな。
「よし、もう触って大丈夫」
冷気を浴びせても水蒸気が上がらなくなったのを見てエリーゼが再度魚を締めるために近づいていく。
「冷た!ここまで冷やさなくても良かったじゃん。それにしてもこの魚低温でも元気なんですね。普通にピチピチしてますよ」
どうやら念入りに冷やしすぎていたらしい。
この魚淡水でも普通に泳いでたし、生命力滅茶苦茶高いからね。何で魔物じゃないのか不思議なぐらいの生命力だし。
魔石を持ってないから普通の魚で良いはずなんだけど、これだけは未だに納得いかない。
1匹だけだと素材として足りなさそうだし失敗した時にまたここに来るのは大変なのでもう何十匹か纏めて集めておく。エリーゼが締めた魚って分かるようにしっかり目印をつけておくのも忘れない。そうしておかないと俺が収納魔法で運ぶから、前回俺が確保した魚と混ざって分からなくなっちゃうから重要なことだ。
魔物創造の素材にするにはスキルの使用者の倒した素材しか使えないって制約が有るから
直接エリーゼに来てもらった訳だから。
これで、ここでの用事は済んだし、もう帰ろうかと思ったけど。魔族の村はまだ塩を自力で手に入れる手段が無かったな岩塩の採集していくか。
読んでいただきありがとうございます。
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