第3話
「家の建物をお願いしている業者に博物館を優先的に建てて貰うことにする予定だから、心配は要らないよ。業者にコウくんから貰ったイメージ図を見せて確認したらそれでも建物を完成させるのに1年はかかるって言われたけどね」
既に色々手を回してくれたみたいで有り難い。
それなりに巨大な建物だし1年かかるのは仕方ない。寧ろあのサイズの建物が1年でできるのかって驚いたし。
その後、ロスさんの力を借りて地下部分を用意すれば展示スペースもじゅうぶん確保できるだろう。
地下室を作るのまで頼むのは難易度が高そうな気がしたのでそれだけはこっちでやることにしている。
無詠唱魔法で土属性の魔法を上手く使える人が育てば出来るかもしれないけど。
今はこっちが希望する規模の地下室を作れる人材はいないだろう。
「色々手を回していただきありがとうございます。1年であの建物が完成するならむしろ早いぐらいです」
「確実に人気が出るであろう施設だしね」
この世界はまだ娯楽が少ないし、人気になるのは間違いないと思う。
「確かに人気が出ないってことはないと思いますよ。賊にも人気がでると思いますが」
ダンジョンの奥深くに潜らないと手に入らない素材が博物館に侵入するだけで手に入る。
そう考える賊は少なくないだろう。
そのせいで領都フロンの治安が悪化する可能性もある。
「博物館自体には防犯用の魔道具をコウくん達が用意してるんだろう?治安維持に関しては兵士の巡回を増やしたり、対策はいくつか考えてあるから、やりたいようにやって欲しい」
ちなみに防犯用の魔道具はフェムトとアイがえげつないものをいくつも作ってるので賊が盗みを成功させることはないと思う。
当然コラーソ公爵家の屋敷より警備が厳重だ。今度、2人にコラーソ公爵家の屋敷の分の魔道具も用意してもらおう。
ちょっとグレードを下げたものなら多分作ってくれるだろう。
「ありがとうございます」
最後に前回渡さなかったダンジョンから採ってきたお土産類を渡して1つずつ説明して言った。
「どれも定期的に欲しくなる物ばかりだね。値段をつけるとしたらそれ相応な値段をつけなきゃいけないから私たちでも気軽には買えないけどね。せめてコウくんたち以外にもそこまで行ける人がいれば少し値段を抑えることが出来るだろうけど」
「まぁ、定期的にダンジョンに行って素材を採集しに行くのは確定しているので原価より少し安いぐらいでお売りしますよ」
特に美肌効果がある泥がある8階層は1ヶ月に数回は行くことになるはず。
「特にこの泥は欲しがるだろうからお願いするよ」
そうなるよね。俺が逆の立場だったとしても美肌効果のある泥だけは手に入れないと、後で大変なことになるだろうし。
「美肌効果で思い出したけど。リバイアサンの里の近くに生えてる海藻。あれにも腸の調子を整えて肌を綺麗にする効果があったよね?」
我が家では毎日では無いけど1週間に4回はこの海藻が入ったサラダが出てくる。
最初はみんな、そんなにこの海藻気に入ったの?って疑問に思ってたけど、効果を聞いて納得した。
海藻入りのサラダ美味しいけどね。
「妻たちが更に綺麗になるのは嬉しいけど。流石に泥も海藻もってなると…」
海藻がリバイアサンの里の近くに生えてると言ったから、この海藻も泥と同じくかなり高額になると思ったのだろう。
「オルトレーさん海藻は幅が1mぐらいあって高さも10mぐらい有るんですよ。なので売るとしても泥に比べて半分ぐらいの金額になると思うので安心してください」
雑草みたいにいっぱい生えてるし成長速度も早いから沢山用意できるし。朝の散歩ついでに採集できるから手間もかからない。
義理の父が泥パックのせいで破産なんて嫌だからね。
その後はダンジョンの感想を話していたらいつの間にか夕方になっていたので挨拶をしキュアノスに帰った。
「今回のデートは婚約した順だから次はマルタとだね」
マルタとは魔法学校のダンジョン実習で2人っきりだったと言えなくもないけど。
あれは仕事だったし、一緒にいたのは夜寝る時ぐらいだったからノーカンという事になった。
「ちょうど良いしフェニックスのところに行こうか」
フェニックスは火属性だろうし、マルタと相性が良さそうだ。逆に俺の相性は良くなさそうだけど、いきなり攻撃されたりしないかな?別に火の精霊と水の精霊が仲が悪い訳じゃないし大丈夫か。
「良いですね!2人で山登りです」
デカいはげ山に登ることになる。はげ山だから新しい食材は無さそうだね。
まぁ、のんびり山登りすればいいだろう。
その前にフェニックスが欲しがってる、耐火性の高い木を伐採して集めに行かないと。
転移を繰り返せば時間もかからないし今からとりにいくか。急げば夕飯までには帰って来れるだろう。
誰かを連れて行くほどの事でも無いので1人で行ってさっさと用事を終わらせて帰ってくる。
1晩、城で休んだ後。マルタと2人でフェニックスがいる山に向かった。
読んでいただきありがとうございます。
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