魔法学校臨時教師編
第1話
元の異世界に帰ってきてからはフランのお世話をしたり、魔族の人達とコミュニケーションをとって仲良くなったり。
半年で随分開発が進んだ島を見て回ったりしている。
その間に世界神様がひょっこり現れてハルくん達が悪い魔族に無事勝利したと伝えられた。
途中で帰ってきちゃったから、どうなったのか気になってたけど、無事に終わったなら良かった。
今日は魔法学校の課外授業でダンジョン攻略をするらしいので特別教師として参加することになっている。
ちなみに週一である通常の授業はマルタが先生をしている。
俺が異世界に召喚されて物理的に授業をするのが無理そうってなった時に、マルタは既に無詠唱魔法が使えるしマルタが先生で良いんじゃない?って話になったそうで。
マルタにこんな感じの授業で良いかな?と俺が何度も相談してたから俺がどう言う授業をする予定だったかを知っているところも考慮されたかたちらしい。
マルタもそれを断らなかったので入学式が終わった後、直ぐに進級試験を受けて合格。
そのまま卒業試験も受けて合格して魔法学校を卒業。
それで、魔法学校の教師として就職となったと話していた。
一日で卒業してしまったので、同級生と仲良くなったり遊んだりというようなイベントを全て経験出来ないわけだし、申し訳ないなって思ってたんだけどマルタは「全寮制なのでコウさんに毎日会えなくなるので、寧ろ一日で卒業できてラッキーでした」と言っていた。
なにか手伝えることがあったら言ってね。
と伝えておいたら、今度ダンジョン実習が有るので手伝って貰えませんか?と言われたので参加することにした。
「ダンジョン実習は5人1組の少人数で行うので護衛役の人がいくらいても足りないんですよ。信用のできる冒険者にも依頼は出すんですけど、中々集まらないので」
「30組だっけ?確かに先生達だけじゃ足りないよね。護衛以外にも仕事はある訳だし」
「そうなんですよ。毎年冒険者と衝突して問題を起こす生徒がいたりするので、そこにも注意を払わなきゃ行けなかったり。正直、ダンジョン実習はやりたくないと思ってる教師が多いですよ。そうは行かないんですけど」
今は自分が担当する事になったパーティーがダンジョンに入る順番になるまで、学校の先生の話を聞いている。ほぼ愚痴だけど暇つぶしにはなるので問題ない。
「今回、流水の短剣は使っちゃダメですよ?って言われちゃったしな〜。せっかく練習したのに」
こっちの世界に帰ってきてから、フェムトに蛇腹剣ってどうやったら上手く使えるようになる?って聞いたら当然のように蛇腹剣を使うフェムトとの模擬戦が始まって、ボコボコにされた後、鞭を使って使い方を教えて貰ったから今日はその成果を試せると思ったのに…。
生徒はコウさんの魔法がみたい筈なので流水の短剣は使用禁止と言われてしまったのだ。
元々、護衛対象の生徒がよっぽどピンチにならないと手を貸さなくて言いとも言われてるので、そもそも戦うことがない可能性もじゅうぶんに有り得る。
「流水の短剣ですか?」
「ダンジョン産の魔道具ですよ。水属性の魔法に適正のある人が使うとこう言う使い方が出来ます」
流水の短剣を鞘から抜いて魔力を流して刀身を延長させる。
「刀身を伸ばして鞭のように操れる短剣ですか…ダンジョンの宝箱でたまに産出される蛇腹剣にそっくりですね。ですが、ダンジョン産の魔道具は不思議なものが多いですね」
魔法以上に物理法則無視してるからな。ダンジョン産の魔道具って。
流水の短剣は魔力があればいくらでも刀身を伸ばすことができるが、刀身をどれだけ伸ばしても重さは変わらなし、耐久度も変わらない。
なんで?って気持ちになるけど、ダンジョン産の魔道具だからとしか説明出来ないらしい。
「それは俺も思います。だからこそ集めたくなっちゃうんですけどね」
「いくらダンジョン産と言ってもとんでもない性能をしてる魔道具を手に入れるには高難易度のダンジョンに挑む必要が有るので、そんなちょっと面白いものないかな?って掘り出し物を街の市場に探しに行く感覚じゃ手に入らないんですけどね。普通は」
実際高難易度ダンジョンでもお散歩感覚だし否定はしない。
「精霊王様、私たちの班の順番が来ました」
護衛対象の学生さんがダンジョンに入る順番が来たと呼びに来てくれたので話し相手になってくれた先生にお礼を言ってダンジョンに向かった。
「今日はよろしくお願いします」
「「「「お願いします」」」」
「そんなガチガチにならなくて良いからね?そんなガチガチじゃダンジョンで要らないミスをしちゃうよ?」
呼びに来てくれた子が礼儀正しい子だったし、心配はしてなかったけど、俺が担当する子には問題児みたいな子はいなさそうで安心した。
と言うか皆の緊張具合が凄い。動きがロボットダンスをしてるみたいにカクカクしてる。
時間が経てば慣れてくれるかな?
以外に俺が手助けする機会が多いかもしれないと思うコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます