第6話
「コウさんはスキル名も魔法名も言ってなかったですけど、今回は魔道具かなにかを使ってたんですか?」
「あ〜やっぱりこの世界の魔法とかスキルはそんな感じなんだ。俺の魔法は毎回しっかりとしたイメージが必要だけど、魔法名を言ったりする必要無いんだよ」
複数人で協力して戦う時は今から魔法攻撃攻撃しますよって味方に教えるために敢えて魔法名を言ったりはするけど。
と言ってもこれは無詠唱魔法が使える人だけだから、大体の人は呪文の詠唱が必要だけど。
この世界は適正のある人が魔法名を言って魔力を消費すれば長い詠唱も無しで魔法が使えるらしい。
よりゲームの魔法に近い感じがする。
魔法の種類もゲームマスターである神が決めるみたいで、人間が好きにアレンジしたりはできないみたいだ。
「こっちの世界はホントにゲームのシステムみたいな感じなんだな」
今更ながら、この世界についてほとんど聞いてなかったなと思って詳しく聞いてみたら、
この世界はステータスが全て数値で表されていてHP表記も存在するらしい。
そんなのHP満タンでも首斬られれば一撃じゃないの?と思ってたらHPはいわゆるシールドらしくてこれを削りきらないと本体にダメージが通らないらしい。
似た様な世界だと思ってたけど細部はかなり違う感じだ。
「気になってたんですけどコウさんのステータスってどうなってるんですか?」
人間のステータス的にはLv1で、どれか1つでも1000を超えてたら凄いらしい。
3人組は当然のように1000越えのスキルがが幾つか有るらしい。
「俺にはこっちの世界のシステムはインストールされてないみたい」
ステータス画面を開いてみたけど、1個目の異世界の時から変化はなかった為、詳細なステータスは確認できなかった。
称号欄に王族ハーレムとかある意味強運(笑)とか増えてた。
王族ハーレムはまだわかる、妻の半数は王族だし。
だけど、ある意味強運(笑)ってなんだよ。
喧嘩売ってんのか!
この称号誰がつけてるんだろう?
称号神みたいな神様が居るのかな?
覚えてたら今度フェムトにでも聞いてみるか。
「ちょっと気になってたのに残念。ってことはこの世界に来た時、スキルとかも貰ってないんですか?」
「何にも貰って無いはずだよ」
俺はとことんチートスキルには縁が無いらしい。
2回も異世界転移してるだけでもレアなのに両方、巻き込まれ転移でチートスキル無しってどんな確率なんだよ。
確かにある意味強運(笑)だよ。
まぁ結果的にチートスキル貰うより強くなって、理不尽の権化みたいな扱いされてるし良いけどさ。
「だからなんですね。看破を使ってもステータスが表示されないの、妨害系のスキルを使ってるのかと思いました。この世界のシステムがインストールされてないなら表示されなくて当然ですね」
さっきからふらっと現れて俺がだした紅茶を飲んでるカルアさんがシレッとそんなことを言った。
スキル名や魔法名を言わなくても発動できる方法が有るって思っておいた方が良さそう。
「それでなんで皮鎧なんて着てるんですか?」
「私もついて行こうかな?と」
ついてこようとしてるのは皮装備を見れば誰だってわかる。俺が聞きたいのはどうしてついてこようとしてるのかだ。
「身の回りのお世話が出来る人が1人はいた方が楽だと思いますよ?それに現地人がいた方が何かあった時に対応しやすいと思いませんか?」
言ってることは何一つ間違ってないとは思うけど…。
「だとしても、本当はメイドさんじゃなくて王族でしょ?」
国王陛下と普通に言い合いしてたし、多分そうだろう。
「それはその通りですけど。ちゃんとついて行くって言ってきたので大丈夫…」
こちらに慌てて向かってくる騎士がいるのに大丈夫なわけ無いでしょう。
「カルア様、止めないので1人で行かないでくださいって言いましたよね?」
予想が外れた止めに来た訳じゃ無いらしい。
「前衛がハル1人だったし、カルアさんとレックスさんが来てくれるなら安定感が増します」
3人組は騎士の人とも既に知り合いだったか。それと勇者君ハルって言うんだね。
何気にまだ名前を聞いてなかった。
この空気は着いてくること決定か。
前衛が勇者のハル君1人だけだったのは事実だし、仕方ないか。
人が増えれば増えるほど進行速度がゆっくりになりそうだから、これ以上増えるってなったら断固拒否しよう。
早く元の異世界に帰りたいし。
「そうだ!食材とドラゴンの素材の話も許可が出たのでダンジョンに行く前に城の保存庫に寄ってもらえないでしょうか?」
一旦、話を逸らしてあとはその場のノリで着いてくる作戦か。
「ダンジョンに同行すること自体はもう反対しませんよ。しっかりお許しが出てるみたいですし。食料も重要なので保存庫には行きますけど。なので案内をお願いします」
カルアさんの案内で保存庫に行って中を食材でいっぱいにして、解体されたドラゴンの皮等素材もある程度渡して、ようやく地の大精霊が封印されているダンジョンへ転移した。
読んでいただきありがとうございます。
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