第13話
結局、アイからの説教はロスさんの建築が始まって一瞬で白亜の城が出来上がるまで続いた。
説教が終わったのではなく、突然城ができたことに対する驚きで中断されたと言うのが正しいけど。
と言ってもなんで城を建てたのかは俺も気になる。
ハジメくん達が城が良いって言ったのかな?
そう言うタイプじゃないと思うんだけど。
ロスさんを呼んで聞いてみると、どうやら俺の家らしい。
ロスさんいわく「この島のトップなんだから住居は城じゃなきゃ」と言う事らしい。
まぁ今更か。あれをバラしてせめて屋敷サイズにして欲しいとは言えないし。
有難う、頑張って貰ったし今日の料理は更に奮発しておくって言っておいた。
それを聞いて機嫌を良くしたロスさんはスキップしながら消えていった。
それと同時にリースさんが来てなにか私にも仕事を下さい。異世界の料理が食べたいですと凄い形相で現れた。
ただ食べさせてじゃなくて、仕事をするから代わりに料理が食べたいと言ってくるところに真面目な人だな〜と思いつつ。
リースさんにお願いしたいことか〜と考える。
「じゃあ、世界中の噂話とかでなにか不穏そうなものがないかとか?」
まだ、おれが関わったことの無い国はいっぱいあるし、傭兵国だかそんな感じの国がリンファス王国とアガール帝国が戦争してた時に横からかっさらおうとして逆に全滅させられてた事を思い出したので、こんな感じのお願いになった。
失敗を取り戻すために無謀な事考えてるかもしれないし。
「それならおやすい御用ですわ。今すぐ世界中でなにか不穏な事が起きてないか確認してきます。折角、平和になったのにまた争いが起きるのは私も嫌ですし」
異世界の料理それとお酒も期待していますね〜と言いながらリースさんは消えた。
文字通り風となって世界中から色んな情報を仕入れて来てくれるだろう。
異世界のお酒か…ハブ酒でいいかな?
飲んで見た感じ、好みは別れるかも知れないけど不味い訳じゃないので問題ないだろう。
こっちの蛇でも作れるのかな?
ホントじゃないけどニーズさんの抜け殻でもエキス出てくるかな?と一瞬考えたけど、世界樹の枝をチップにした結果、爆誕してしまった。エリクサー並の燻製のような物ができそうな気がしたので辞めた。
試すとしてもアペプにしておこう。
今度倒す時は一切傷を付けずに倒そう。
アペプを丸ごと入れられる入れ物も必要だな。
とぐろを巻いた状態で漬けるからそこまで大きくなくても大丈夫かな。
せいぜい半径30mぐらいで済むだろう。
うん、じゅうぶんデカイな。
その容器がいっぱいになるレベルの泡盛も必要になってくる訳で…。
もし実行するとしても予めフェムトに話して協力してもらおう。
「住む所も確保出来たし。次はアイの使う武器を何にするかだな」
1度戦っている所を見た時は警棒見たいなものを使っていたし、どちらかと言うと打撃武器系が良いのかな?
「私の使う武器ですか?私は武器を扱う技術は持っていないので、使いやすくて殴りだけでダメージが入る武器が良いです」
それを聞いたフェムトがモーニングスターとフレイルを取り出した。
俺が氷で的を作ってふたつを試してもらった結果。
モーニングスターの方が使いやすくは有るけど、反動で手が痛いのでフレイルの方にします。と言ってフレイルに決定した。
早速、実践という事で島にあるダンジョンに訪れている。ここは難易度低いし、フレイルなら簡単に倒せるだろう。
思考加速に身体強化が使えるから、ロックゴーレムの攻撃が当たるとも思わないし。
予想通り、ロックゴーレムはアイの敵じゃなかった。
最初の方はロックゴーレムに攻撃させて、それを避けてからフレイルを叩きつけて少しづつ削って行く戦法だったけど、魔物を倒したことによって、アイのレベルが上がったのと
フレイルを使った戦いに慣れたのか後半は先手必勝、一撃で倒せるようになっていた。
ジュエルドールはフレイルで砕くと価値が下がるという事でフィアが魔法でコアだけ撃ち抜いて倒してたけど。
アイアンゴーレムも問題なく倒せそうだったけど時間も経ってるし、精霊王2人の為に料理もしなきゃ行けないので今日はここまでという事になった。
地球でも超能力は使える人が出てきたけどレベルという概念はなかったので、敵を倒す時自分のレベルが上がって強くなるのを実感したアイはもうちょっと戦いたそうな感じだったけど、時間は沢山有るし今日は我慢してもらおう。
地上に帰ってくると家が2軒増えていた、ハジメくん夫婦とハジメくんの両親と妹の結衣ちゃんが暮らす家だろう。
貴族の屋敷サイズだから、掃除大変そう。
柱一つ一つの彫刻とかすごく細かくて、ロスさんどんだけ力入れて作ったんだよって感じだけど、それだけ料理を期待してくれてるという事だろう。
今から料理を始めますから、もうちょっとだけ待っていてくださいと言うとテーブルとイスを作り始めた。
ただテーブルとイスを作るだけじゃなくて、装飾や彫刻をしている。
ロスさんなりの時間の潰し方ということだろうか?
注文以上の仕事をしてくれたロスさんを待たせるのも悪いので、急いで料理を始めることにした。
読んでいただきありがとうございます。
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