第14話

「何とか間に合ったみたいですね。良い情報と悪い情報1つづつ有りますけど。どっちからが良いですか?」


料理が出来たのでこれから食べるというタイミングでリースさんが帰ってきた。

悪い情報も有るのか…。

良い情報も気になるけど。先に悪い方から聞こう。


「悪い方から教えてください」


「コウくんが言ってた傭兵国?だっけあそこにレジスタンスが生まれて内紛状態だって」


なにか起きてるかもと思ってたけど、そんな事になってたか。


「それって他の国にも影響出そう?」


「国もレジスタンスも他の相手をしてる余裕は無さそうだだったから大丈夫だと思うわよ」


なら知り合いもいないしご自由のどうぞって感じだな。

俺と仲のいい国に影響が出るようなら介入も考えたけど。


「なら、俺には関係ない事だね。いい報告っていうのは?」


「その紛争で住処の森を燃やされちゃった。アラクネ達がこの島に移住したいって。勿論ちゃんとその分働くって言ってたよ。

アラクネが作る服は王侯貴族でも滅多に手に入らない超レアものだよ」


アラクネって言うと蜘蛛に女性の上半身が乗ってる人かな?

幻獣種って事なのかな?


「人間界に暮らしてる幻獣種って珍しいね」


「彼女たちは普通の人種よ。この大陸にはアラクネ以外いないけど、昆虫族って言う人間種がほかの大陸にいっぱいいるのよ」


へ〜初めて聞いた。


「と言っても昆虫族は他の種族と習慣が違いすぎたりで上手くいかないから昆虫族だけで集まって暮らしてるんだけどね。アラクネは服作りって言う、他の人間種にも利益のある特技を持っていたからこの大陸に残ってるの。アラクネ達は作った服は着てもらわないと意味が無いって子達なのも影響してるわ。昆虫族は服を着ないのが多いから」


ただ、その希少さゆえに奴隷にしようと企てるやからも多いから隠れて生活してるらしい。

犯罪者以外の奴隷化を禁止してる国がほとんどだけど、犯罪者に仕立てあげようとする貴族もいたらしい。


「アラクネ達がこの島に移住してくるのは大歓迎だけど。なんかこっちが準備することって有りますかね?」


「彼女たちは安住の地が手に入るだけでじゅうぶんって感じだったから、こっちが用意する物はないと思うわよ?あの子たち家だって自分の糸で用意するし」


そこら辺は蜘蛛なんだな。


「でも、今まで通り服は色んな人に対して売りたいって言うかも」


「そのくらいは問題ないでしょ。売り方は変わりるかも知れないけど」


この際国王たちに説明して、各王都に店を出しても良いし。

アラクネがお店を出すって行ったら喜んで手伝ってくれるだろう。

アラクネが嫌がるかもしれないし、アラクネ次第では有るけど。


「許可も出たし、直ぐに連れてくるわね」


そう言って転移でササッとアラクネ達を連れてきた全員で33名。

蜘蛛の部分が結構大きいから凄い人が増えた感じがする。


「蜘蛛の方と人の方どっちも口がついてるけど、どっちでも食べれるの?」


「はい、どちらで食べても問題ないです。ですが蜘蛛の方の口は若干味が感じづらいです」


「なら、好きな物は人の口で食べて、嫌いなものは蜘蛛の口で食べれば味を感じないで食べれるね」


「それはその通りなんですが…。リース様の言う通り変わった御人ですねコウ様は」


「最近は自覚してきたよ。変わってるってこと」


「私たちとしてはその方が安心できます。私たちの姿を見て嫌がるどころか、口の事を質問されるとは思いませんでした」


確かに下半身大きい蜘蛛だし。苦手な人にはきついのかな?

そう言う反応をされたアラクネの方だってきついだろうし。


「蜘蛛は対して苦手意識無いな〜。ムカデとかゴキブリは好きじゃないけど」


寧ろ蜘蛛は虫の中では可愛い部類だと思う。


「今日は丁度バーベキューだし、歓迎会ってことで好きに食べて飲んでください。住む場所を先に決めたいとか用事があったら無理に参加しなくても大丈夫だから」


「確かに住居は作らなきゃ行けないんですが、今それを言うと暴動が起きかねないので…」


俺と話をしてくれてるこの人以外ご飯に夢中だもんね。


「今日は、城にあるダンスホールにでも泊まる?あそこなら広いから、アラクネでも窮屈に感じたりしないでしょう?」


「申し訳ございません。今晩はそのようにさせて頂きます」


「気にしないでダンスホールなんて基本使わないから、披露宴では使うつもりだけど。

それでなんだけど披露宴その他諸々で使う衣装をアラクネたちにお願いしたいんだけど…良いかな?」


「初めからそんな大役を任して頂いて良いんですか!?」


「アラクネ達が来ている服を見ればセンスがいいのはわかるし」


「ありがとうございます。我らアラクネ一同最高のものを用意させて頂きます」


「お願いね。えっと…」


そういえば、まだ名前聞いてなかった。

俺が初っ端から口の話したせいだな。


「申し訳ございません。自己紹介をしていませんでした。私アラクネのネルルと申します」


「俺が変な話を振っちゃったせいだから気にしないで。コウ・アポストロスです。

よろしく」



お互いに自己紹介をしてネルルさんと握手した。




読んでいただきありがとうございます。

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