第3話
「本気で言ってる?」
聞き間違いかな?そもそも愛とは愛が後輩として会社に入社してきた時に少し面倒を見てあげたぐらいで特になにかあった訳じゃない筈だけど。
「本気も本気、ちょう本気です。異世界に連れてって先輩のハーレムに加えて欲しいって言ってるんです」
どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。
そもそも地球の人間を勝手にあっちに連れて行っていいものなの?
「1人ぐらいだったら問題ないよ」
俺の確認したいことなんておみとうしだったらしくフェムトが連れ帰る分には問題ないと教えてくれる。
「ひとまず、結論は置いておいて、まずは自己紹介をしてくれ。俺以外はみんなお前のこと知らないんだから」
「そうでしたね。私は須藤 愛、先輩は忘れてるみたいですけど、中学生の頃からの知り合いです」
「いやいや何言ってんの?中学生時代に須藤愛なんて知り合いいなかったぞ」
中学生時代にこんな文武両道大和なでしこみたいな美人と知り合いだったら絶対忘れない
筈。
「親の再婚で名前が変わっただけです。
佐倉 愛だったら覚えてますか?」
「そりゃオタク友達だったし…名前が変わった!?同一人物ってこと?」
整形したんですか?ってレベルで別人なんだけど。まじか〜。
「まぁこれについては怒ってません。それだけ私が綺麗になろうと頑張ったってことです。ちなみに整形はしてないですよ」
そう言えば中学生の佐倉 愛だった頃もオシャレすれば美人なのにって周りが言ってた気がする。
気を取り直して今度はこちら側の自己紹介の番だ。
みんな認識阻害の魔道具を外した状態で自己紹介してもらった。
メル、コノハ、ルージュの姿を見た時のテンションの上がり方が半端なかった。
獣人にドラゴンだからね。
愛は俺と気の合うオタク友達だったからこうなるのも仕方ないかな?とも思う。
「そう言えば今日平日なのになんで昼間っからアキバにいるの?仕事は?」
「あの会社は先輩がいるから入社しただけなんで、先輩がいなくなってすぐに辞めました。株で儲けてるんで、働いてるより稼いでますけどね。なので平日祝日関係なく自由に遊びに行けます」
株で儲けてるって…。まぁ愛って色々ハイスペックだし嘘はついてないだろう多分。
地球観光にまさかの追加が加わってこの後どうするかという話になる。
秋葉原を軽く回ってお昼をすぎて丁度お腹も空いてきたのでどこかでご飯を食べようということになった。
「お金も有るしもっといいお店にも行けたのにほんとにここで良いの?」
どんなお店があるか愛のスマホのマップ機能で調べて1つ1つ説明していったところ、フィア達が選んだのはとあるファミレスだった。
俺も値段もお手ごろで学生時代にはお世話になったけど、もっとお高いところも行けたのにって言ったら。
このぐらいのお店の方が色々話しながらゆっくり食べれそうだからということらしい。
確かにドリンクバーも有るし、長居もしやすいけど。
ドリンクバーだけで粘るとお店の人に嫌がられるよ?せめてフライドポテトぐらい追加中文しないと。
フィア達はドリンクバーなんて知らないはずだから、そんなこと考えて言ったわけじゃないと思うけど。
特に反対な訳じゃないので昼ごはんはファミレスでということになった。
昼時だけどファミレスの席が運良く空いていたのですぐに席に通された。
メニュー表を貰ってなに食べるか決めるのは良いけど、フィア達聞いたことがない料理片っ端から食べるつもりなのかな?もしかして。
結果、テーブルいっぱいに料理が並べられてる。エスカルゴまで注文しようとしてたので、それは全力で止めた。
「素材そのものは、魔物の方が美味しいですけど、調味料のレパートリーが凄まじいです。全部買って帰って研究しなきゃ。このマヨネーズとか、なんにでもあいます」
「あれ?先輩マヨネーズ作ってないんですか?テンプレなのに」
「マヨネーズ作ったら大変なことになりそうだったから…黙ってて悪かったと思ってるからそんな怖い顔でこっちを見ないでください」
ディアーネさんとリアに故意にマヨネーズを作っていなかったことがバレてすごい顔で見られている。
「地球に来たからには実物を買うこともできるし、作り方だって自分で調べられるから許して」
そんなことがありながら、ファミレスで食事を楽しんでいると入口近くの窓ガラスが割れて爆発音が響渡った。
「全員手を頭の後ろに組んで仰向けになれ!ならない奴は皆殺しだ!」
どうやらファミレスが犯罪者に襲われたらしい。
なんで旅行中にこんなことになるかね?
「あれって殺しても構わない?」
「問題無いですけど、魔法使って倒すつもりならそれも問題になると思いますよ。超能力者は政府に能力の申告が義務づけられてますから」
ってなると魔法使って倒すとこっちも違法超能力者になって犯罪者になる可能性も有るってことか。
「じゃあ、愛が倒したってことにすればいいか」
「そんなことしなくても、私が倒しますよ。敵は1人だけで火を操る超能力者みたいですから楽勝です」
そう言って、ポケットから警棒のようなものを取り出して犯罪者に向かって走り出した。
それに気づいた犯罪者は愛に向かって火球を飛ばしまくって来たけど、全て警棒で叩いて消滅させている。
無傷で犯罪者の所までたどり着いて警棒で殴って一撃で意識を刈り取った。
読んでいただきありがとうございます。
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