第2話
無視して離れていけば勘違いだったって思ってくれないかなと返事をせずそのまま先に進もうとしたら肩をガシッと捕まれ捕まってしまった。
と言うか道の真ん中でこんな事してるから周りからめっちゃ見られてるじゃん。
何故か20代前半の女性が17歳の男子に先輩って言ったりしてるから変に周りの興味を集めてしまったらしい。
最終手段のフェムトの魔法を使うにもここだとまずい。
人違いだって言ってもこっちが認めるまでずっとついて来そうだし…。
一旦人気のないところに行って話をするしかないか。
「どうして俺だって分かった?そもそも別人に見えてるはずなんだけど」
俺だって認識阻害の魔道具は作ってるので、そもそも俺だって分からないはずなんだけど。動いてる時におかしな動きにならない様に身長とかは認識阻害をする前と変わらない、だとしても分からないだろう普通。
こいつとあってた時と比べたら縮んでるし。
「姿を変えたぐらいで私が先輩のこと見逃すわけないじゃないですか。身長まで変えれる変装なんて初めて見ましたけど」
何を言ってるの?って言いたいところだけど実際見破られてるしな。ぶっちゃけ怖い。
「正直に話した方がいいと思うよ。多分この人記憶を消しても無駄な気がする」
フェムトもそう思う?俺が日本にいた時はこんな感じじゃなかったんだけど。
それに今日平日だから仕事してるはずだろ?
私服だから外回り中って訳でも無さそうだし。
「愛、今からこいつ何訳分からないこと言ってんの?って話を始めるけど、途中でちゃちゃ入れないで最後まで聞いて欲しい。質問は最後に受け付けるから。後、手話していもう逃げようとしないから」
「分かりました先輩!」
そう言って離れてくれたので、気づいたら集団転移に巻き込まれて異世界に召喚された事。異世界で色々やって世界を救った結果ご褒美として今、地球旅行に来ていたこと。
最後に1番重要な同行者のうち2人以外は全員お嫁さんですという事もちゃんと説明した。
「要約すると先輩は異世界で俺TUEEEEしながらハーレムを築いてたということですね」
「まぁそういう事になるね。っと言うか信じるの?信じるにしてもあっさりしすごじゃない?これから信じない愛に対してドラゴン見せたり、魔法を見せて驚かせるところじゃないの?」
「先輩がいなくなってから地球でも色々起きてたんですよ」
そう言って、地球で何が起きていたか話して聞かせてくれたが衝撃的なことが起きていた。
ある日突然隕石が南極に落ちてきたと思いきや実は金属生命体で瞬く間に南極を支配、そこから人間のすむ大陸への侵攻をかいし、それにたいし各国の軍が応戦するも敗走。
人類は滅びるしかないのかと叫ばれていたその時、超能力に目覚める人達が現れ始めたらしい。
超能力に目覚めた人達と軍隊が協力して金属生命体を南極に押し返した。
今も南極で金属生命体との戦闘は続いているらしい。
「ぶっ飛んでんな地球。確かにそんなことがあったら俺の話を聞いても驚かないか…。
でも、超能力なんて人間が突然手に入れたら大変なんじゃない?犯罪とか超能力者至上主義者見たいのが出てきて」
「ご想像の通りそういった輩も沢山出てきてます。金属生命体側に回った人間も多くいます。最近は組織もまとまって来て犯罪にも対応できるようになってきましたけどね」
これって地球観光所の騒ぎじゃないのでは?
神界でフェムトが地球の神様と話していたのはこのことか?
このこと知ってた?という意味を込めてフェムトの方を見るとわざとらしくへっったくそな口笛を吹いてた。
知ってたらしい。
「地球の神はややこしくなるから、積極的に手伝う必要はないって言われてたから言わなくて良いかなって思ってたんだ。別に人間の生活に大きな変化はまだ起きてないって言われたし」
確かに超能力が有るからって急速に発展して街並みが変わってるとかそういった事は起きてないな。
地球の神が積極的に関わらなくていいって言ってくれてるなら予定通り地球観光をするか。
今までより注意は必要だと思うけど。
「ちなみに愛も超能力者だったりする?だから俺に気づいたとか?」
「確かに超能力者ですが先輩に気づいたのとは全く関係ないです。【思考加速】が私の超能力です」
最大で1秒を1000倍まで伸ばせるらしい。
一種の時間停止なんじゃ?それ。
1000倍まで伸ばせるのは3秒ぐらいが限界らしいけど。
3秒もあればじゅうぶんだろ。
本人が1000倍の速さで動くことは出来なくても擬似的に相手の動きを千分の一の速さに出来るんだから、余程の飽和攻撃じゃなきゃ攻撃避け放題じゃん。
「先輩に1つお願いが有るんですけど良いですか?」
「物による。金属生命体を滅ぼしてとかそんな感じだったら断るよ」
神様も積極的に関わらなくて良いって言ってたみたいだし。
むしろあの感じ関わって欲しくない感じもするし。
案外金属生命体は神が与えた人間への試練なのかもしれない。
「そんなことお願いしませんよ。私も異世界に連れてってください。先輩のお嫁さんとして」
読んでいただきありがとうございます。
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