地球観光編

第1話

島の開発でディアーネさんと話し合ったり。

島専用の貨幣を作ったり。無詠唱魔法を使えるようになるための授業に使う為の魔道具の作成依頼を出したり。

働き詰めで発狂しかけてたハジメくんを島に連れてきてストレス発散させたり。

色々やってる間にあっという間に1週間が経過して地球旅行に行く当日になっていた。


「みんな準備出来た?魔法は本当に緊急事態のときを除いて絶対使っちゃダメだからね。後、みんなに渡した認識阻害の魔道具も絶対外しちゃダメだよ?特にメルちゃん、コノハちゃん、ルージュこの3人の本当の姿がバレたら大変なことになるから」


獣人にドラゴンが突然街中に出てきたら大パニックになるだろうからね。絶対観光どころじゃなくなる。

地球にはヒューマンしか居ないと3人ともちゃんと理解してるし大丈夫だろう。

後はナンパ避けの意味もある。みんな綺麗だから普通に歩いてたらナンパや事務所からの勧誘とかがわんさか来てイライラすることになるだろうから。


フェムトから貰った認識阻害の魔道具は周りからは何処にでも居そうな一般人に見えて、認識阻害の魔道具をつけている人同士は普通に見えるようになっている。

この効果のおかげで周りからの妨害を避けつつ本人たちは変装せずに歩き回れる。


地球にいる時だけじゃなくて、こっちの世界でお忍びでみんなとデートする時にも使わせてもらおう。

と言っても地球だと魔力を持っている人は存在せず、魔法も使えないので魔道具が見破られることは無いけど、こっちの世界の場合、魔法使いに見破られる場合もあるから、あまりオススメしないって言われた。

なんか後ろめたい事をしてるって疑われたくないし極力使わない方が良いか。


1度しっかり起動するのを確認してるけど、念の為という事でもう1回出発前に不具合がないかフェムトが調べた。


「よし、全部問題なく起動してる。もしもの時のために予備も沢山持ったし、最悪、相手の記憶を弄ればどうとでもなるだろう。それをやると直接干渉をせず、神界からただ傍観することを決めた、地球の神達がうるさいから記憶の改編はほんとに最終手段だけど」


一応地球にもちゃんと神様がいるんだね。

この世界みたいに実際に力を授けたりみたいな干渉はせず人間自身が自力で進化していくのをただ眺めてるだけみたいだけど。


「よし、じゃあ早速地球に転移しよう。僕が良いよって言うまでみんなで手繋いで目つぶってて」


それが本当に必要なのか分からないけど、言うことは聞いておいた方がいいだろうと思い言われた通りにする。

すると床が無くなり宙に漂っているような感覚に襲われる。

フェムトはここで誰かと

話しているみたいだ。この感じ神界に似てるかも、ってことは恐らくここは地球の神界。

余計なもの見ないように絶対目を開けないようにしよう。


少しすると足が地面について浮遊感も無くなった。


「もう大丈夫だよ」


目を開けると懐かしい日本の光景が広がっていた。

あっちの世界に比べるとやっぱり地球の方が騒がしいな。

電車とか車の音とか、お店から流れてくる販促ソングとか。


「なんで初っ端から、秋葉原なの?」


転移してきた先は秋葉原の人気のない裏路地だった。


「まずは貴金属を換金してお金作らないとだから、質屋が多そうだし。色々買い物も出来るでしょ?上野まで行けば動物園もある。スタート位置として割といい場所だと思わない?」


そう言われると確かにそんな気がしてきた。


「どうやって資金を手に入れるのか疑問に思ってたけど貴金属売って金にする予定だったんだ。でも足がつかない?」


「そこは魔法でちょちょっと細工をさせてもらう。勿論、犯罪に加担させるつもりはないよ」


魔法は余程の緊急事態じゃなければ使っちゃダメって言ってたのに初っ端から魔法使うのね。

まぁお金無いと何も出来ないし、魔法使わないとお金も手に入るのは大変だろうし仕方ないか。


まずは換金するために質屋に向かった。


フェムトが魔法で怪しまれないようにしているのでダイヤモンドやルビーなどの宝石を複数出しても全く疑問に思わず、どんどん査定をして金額を決定していく。

最終的に500万ぐらいになった。

地球旅行は7泊8日なのに500万なんて使いきれるのかな?

もう地球に来ることは無いだろうし悔いが残らないようにあれもこれも買ってたら案外500万なんてすぐに使い切っちゃうかも?


次はボードゲームの専門店に行ってやったことあるもの無いもの関係なく沢山買い漁った。

会計の金額を見て、この調子で買いまくったら500万すぐに無くなるなと確信した。


と言うか最初に秋葉原に来たのってフェムトがボードゲームの専門店に来たかったからだろ絶対。


せっかくだしゲーセンに行ったり、電源をどうにかしないといけないけどテレビゲームを買ったり秋葉原を歩き回っていると。


「先輩ですよね!?なんかちっちゃくなってるけど」


突然声をかけられたと思って声のした方を見ると日本で働いていた時に面倒を見ていた会社の後輩だった。


認識阻害の魔道具効いてるはずでは?





読んでいただきありがとうございます。

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