第42話
夕食を食べ終わり、食休みを兼ねて夕食前にしていた地球についての話の続きをしていた。
「この本ひとつとっても言えることだが、魔法が無いのにこれだけの物を作る技術を持ってると言うのは凄まじいな」
フィアたちは紙の質だったり本に掲載されている写真、本の値段がこっちの世界と比べるとめちゃくちゃ安いのに驚いていた。
「魔法が無いからこそこういう技術を必死に手に入れたのかもね。俺からしたら地球より高度な技術も沢山あると思うし」
こっちに来て魔法すげーって出来事ばっかりだったし。
「フィロ姉さんが地球に行ったら色々魔道具で再現しようとするでしょうね。振り回されるハジメさんが少し可愛そうです」
個人的にはフィロさんに魔道具で家電を再現して欲しいのでぜひ地球で家電を買い漁って研究して欲しい。
ハジメくんは尊い犠牲だな。
その後も、料理や動物園、水族館、遊園地の話で盛り上がった。
「なるほど、あっちで料理のお店をやるのは良いけど、建物もこちらでですか。この後作りに行ってきます」
島の建物はティアナさんに完全に丸投げして今日はハジメくんにでも会いに行く事にした
。
「久しぶり、ハジメくん。これお土産ね」
お土産は昨日手に入れた真珠。当然何処で手に入れたのか話しになったので、ダイワの海底にある水中ダンジョンで手に入れたと教えた。
一緒にどう?って誘ったけど丁重にお断りされた。
「それにしても、海底ってそんな場所にもダンジョンの入口はできちゃうんですね。その場所以外にも海底に入口があるダンジョンは存在するんでしょうかね?」
「全く探してないからなんとも。ハジメくんが探してみるのも有りなんじゃない?」
「ほぼ開拓されてない辺境の領主をやることになったので、そんな暇無いですよ。毎日領主としての勉強です」
辺境の領主か…やりたい放題自由にしてる俺と違って大変そうだ。
それにしてもだからやたらと商人がハジメくんの屋敷に尋ねて来てるのか。
愚痴が色々溜まってそうだったので俺が聞いてあげることにした。
本当はお酒飲みながらが良かったけど朝っぱらから飲むわけにいかなかったので100%果汁ジュースにした。
そしたら愚痴が次々出てくる。途中ハジメくんがイライラしすぎて、後ろから黒いオーラが出ていた。
1回ダンジョンに連れて行って好き放題に暴れさせてストレス発散させた方が良いじゃないかな?
「そう言えば、エステルさんから地球に行ける話説明された?」
「昨日、エステル様が直接来て説明されていきました。レイラ達がまっ○るを見てどこに行きたいかピックアップして貰っているところです」
ハジメくんのところも例の旅の情報誌貰ったんだね。
気づいたら結構な時間話してたし商人と面会の約束がある様なので邪魔しないようにそろそろ帰る事にした。
帰り際に高ランクの魔物の素材を集めておきたいので、今度フロンのダンジョンに行く時は俺も誘ってくださいって言われたのでわかったって答えて置いた。
そのあとは、今朝話したばっかりだけど島の方の建築の方は進んでるかなと思って島に見に行くと、既に道が敷かれていて大勢のリバイアサンが石材や木材などの建築に使う材料を運んでいた。
その中でも既に何軒か屋台が営業していて地上で生活してる幻獣種が採ってきた材料と物々交換している。
リバイアサンを怒らせるようなやつはいないらしくみんな大人しく並んでいる。
「コウ様。里と同じように作って行ってるんですがどうでしょうか?」
「さすがティアナさんだ。仕事が早くて助かる」
「ありがとうございます。今回はアルビオン様も手伝ってくれてるので建築がサクサク進みます。後、石材の確保にダンジョンを利用して良いでしょうか?」
確かにロックゴーレムは石材として使えるからダンジョンで集めてくるのもありだな。
普通の石材より魔力の通りが良くて耐久姓も高いみたいだし。
重量辺りの売却額は高くなくて冒険者達には人気ないけど。
ティアナさんなら空間魔法が有るから気にする必要ないだろう。
次いでにアイアンゴーレムも倒せば調理器具の作る素材も集められる。わなも無いしあの程度のダンジョンならやられるようなリバイアサンは居ないだろう。
坑道風で入り組んでるから、迷子にならないかだけ心配だけど。
流石に迷ったりはしないか。念の為ディルフィーニを連れていった方が安全だよとはアドバイスしておいた。
ダンジョンに入るのは問題ないのでリバイアサン達は自由に使ってくれと許可をだしておいた。
ティアナさんと別れて屋台の方を観察する事にした。
一見、人の姿をしているからなんの幻獣種か分からないけど、結構色々な種類の幻獣種が来ているらしい。
猫又とか猫のままの姿で二足歩行して列に並んでいる。
猫又を見てるとロスさんからお呼び出しがかかった。
この島の土壌を再生させてる間に木の実とか食べれそうな物を集めておいたから確認して欲しいと言うことだ。
なにかいい物があるといいなーとロスさんのところに向かった。
読んでいただきありがとうございます。
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