第40話

酒呑童子の精霊化も無事終了し、酒呑童子は精霊魔法の練習をしに行った。

今は甘い物を食べて休憩をしつつ、フェムトに地球旅行について説明を受けていた。


「これが旅の情報誌ね。コウ以外は地球でやらかさないようにあっちの常識を教えるからそのつもりで」


色々と勝手が違うしそれは必要だろう。地球に行って犯罪者になりたくないし。

それにしてもどうやってこの情報誌用意したんだろう。

フェムトが机に置いた旅の情報誌をペラペラめくりながら流し読みしていく。

日本でだって行ったことない場所ばっかりだし、海外なんて台湾しか行ったこと無いから色んなところ行ってみたいな。


「そう言えばハジメくんたちもちゃんと地球に行ける事になった?」


「大丈夫だよ。勇者くんの方はエステルが面倒を見るから別行動だけどね」


ハジメくんたちもしっかり地球に行けるみたいで安心した。

その後、フェムトがフィア達に地球の常識講座を初めてしまったのでやることが無くなってしまった。


ダイワの海底にあるって言うダンジョンの下見をするか。

フロンのダンジョンは今から行ってキリのいいところまで進むのは無理だろうし。

でも海底ダンジョンのある場所には行ったことがないから、まずアズチに転移してそこから空を飛んで行くことにしよう。

早速行ってみようまずはアズチに移動してそこから人には見つから無い高さまで飛び上がって一直線で海底洞窟のあり場所付近まで移動した。


「場所はここら辺らしいけど…。」


海底を30分程度探し回ると、俺がよく知るダンジョンの入口を発見した。


「中も本当に水中になってる。あれが例の口の中に入れて噛むと空気が出てくる海藻かな?」


ダンジョンに侵入すると中は本当に水中になっていた。辺りを見渡すとあちこちに同じ海藻が生えてるので、これが例の空気の確保ができる海藻かな?とちぎってもぐもぐすると本当に空気が出て来た。


ダンジョンにいる魔物と戦うために適当に進み始める。

ワニやサメ、シャチの魔物と遭遇したりヒラメみたいな魔物とも遭遇した。


やっぱり1層目からなかなかランクの高い魔物が出て来るみたいだ。

環境だけでなく、出てくる魔物のランクもフロンより上みたいだな。


フロンのダンジョンは一層と二層は偶にカラードラゴンが出てくるぐらいで、他の魔物は倒した事ないからな。


それに比べてこの海底ダンジョンはカラードラゴンクラスがうじゃうじゃ泳いでるし油断してダメージを貰わないように気をつけ無いと。


下に降りるための階段を探す訳じゃなく、なにか無いかな?とうろちょろしてると1mぐらいのアコヤガイを見つけた。


「真珠が有るかも?天然物は全部真珠が入ってる訳じゃ無いんだっけ?」



綺麗な真珠が手に入るかも?と気になったのでこの場でアコヤガイを開いて真珠が有るか確認する。すると直径1cmぐらいの綺麗な球体をしている真珠が複数入っていた。

アコヤガイのサイズが大きかったから真珠も大きいのかな?って思ってたけどサイズは普通でその代わり数が沢山入っている感じだった。


拳大サイズの真珠なんてあっても使い道に困りそうだし、サイズは普通で数が沢山方が使い道があって有難いか。

アコヤガイは1つだけでなくまだ付近にいたので回収しておいた。


「あれ、フロンダンジョンで飛びかかってきたカジキの魔物だ」


なかなか火力のある魔物だったなと思いながら見ているとピラニアのような魔物に群れで囲まれ一瞬で骨だけになってしまった。

もしこのダンジョンで血の臭いを漂わせちゃうとあっという間にピラニアのような魔物に囲まれちゃうっぽいな忘れないようにしとかないと。

フィア達に真珠のお土産は出来たのであとは最初の目的、宝箱を探して開けるだけ。

酒呑童子いわく一階層から宝箱がでるし中身もまあまあ期待できるらしい。

どの代わり宝箱には基本罠が仕掛けられてるらしいから注意が必要だ。


「と言っても簡単には宝箱は見つからないな〜」


特に何処に向かうわけでもなく一階層をフラフラしてるけど、宝箱は1個も見つからない。

「岩場の間とかもしっかり探してるのに1個も見つからないなんて」


今回はもう諦めようかな?って思っていると辺りに何も無い砂地の海底のど真ん中に宝箱がポツンと置いてあるのを発見する。


「これは…」


宝箱に近づき開けようとすると砂の中から大口を開けたアンコウが現れた。


「生き物の反応がしてたから分かってたけどエスカが宝箱になってるアンコウか、ミミックの水中番だな」


魔物が潜んでるのは事前に気づいていたのでアンコウは一瞬で氷ついた。


この疑似餌宝箱なにか入ってたりするのかなと中を確認してみたけどなにも入っていなかった。


その後、探索していくつか宝箱を見つけたけどみんなアンコウの疑似餌だった。


偽物率多すぎ!今回は諦めて帰ろうと思った時に海藻などがついて岩場に擬態している宝箱を見つけた。

今度こそ本物かも!と罠があっても大丈夫なように水流を操って離れたところから宝箱を開けると紫色の物体が宝箱から出てくる。

わなで毒が出てきたのかな?

紫色の物体が拡散しないように1箇所にまとめて凍らせて収納魔法にしまった。

宝箱を確認しに行くと中にはランタンが1つ入っていた。




読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る