第19話
「凄いですよね飛行船。最初見た時は俺もビックリしました。聞いた話によるとカラードラゴンまでなら、この飛行船で苦戦することなく倒せるらしいですよ」
ボロボロになるから素材としては使えないだろうけど。
「Aランクの魔物も苦戦することなく倒せるですか。確かにさっきの戦闘を見た後なら、それも納得できます。それと…やっぱりなんでもないです忘れてください」
そう言われると気になっちゃう。
「何か気になることが?飛行船の建造は何一つ関わって無いので詳しいことは説明できないですけど」
あ
「その…すごい失礼な質問なんですけど、精霊王様とこの飛行船どっちが強いのかなと思ってしまって」
なるほど、そう言うのってやっぱり気になるよね。
今度、飛行船とドッグファイトするか。
観戦自由にして。
リンファスに帰ったら国王に相談してみよう。
「別に失礼でもなんでもないですよ。コノハさん以外も行きなっている人は多いで──動きが無いから、てっきり襲うつもりはないと思ったのに…大物に目をつけられてしまったみたいです。後、数十秒もすれば飛行船のレーダーでも感知できる距離に入るでしょう」
突然、飛行船に非常事態を告げるサイレンの音が鳴り響く。
「古代竜と思わしき反応をレーダーで感知。古代竜から離脱するために全力移動を開始します。大きく揺れる事が予想されますので注意してください。繰り返します──」
その放送の後、飛行船が急加速する。
「この程度の速度じゃ逃げれるわけないよな」
飛行船は速度を限界まであげたにも関わらず、古代竜との距離は離れない。
どころか後数秒で完全に並ぶなこれ。
逃げ切れないと理解したのか飛行船の速度を落として魔力障壁が展開された。
速度をあげるために使われていた動力も魔力障壁に回したんだな、意味ないと思うけど。
東洋竜のような姿をした古代竜がわざわざ小さい手で展開された魔力障壁だけを攻撃する。
1回引っ掻き攻撃されただけで魔力障壁はパリーンと音を立てて壊れてしまう。
その間も飛行船についている魔道機関銃やレーザー兵器で攻撃してるけど古代竜は傷一つつかない。
完全に俺らで遊んでるな古代竜。
全くいい性格してるな。
さて、さっさと倒しちゃいますか。
人間界にいる時は周囲の人に怖がられないようにつけている。フェムトが作った、魔力や強者のオーラ的なものを隠蔽できる腕輪を外す。
すると、飛行船に軽めの攻撃をしてさらに怖がらせようとしていた古代竜の動きが止まり、古代竜の顔がこちらを向いた。
「何?まさか逃げるつもり?」
この古代竜にプライドは無いのだろうか?
腕輪を外して俺の魔力が正確に感知できるようになった途端逃げ出した。
「俺はお前みたいにいたぶって遊ぶ趣味は無いから一撃で終わらしてあげる」
古代竜の周辺の温度だけ絶対零度まで低下させる。
流石にこれだけで古代竜が氷漬けになって死ぬことは無いけど、動きは極端に遅くなった。
動きが鈍った古代竜に向かって氷刃を飛ばし頭を落とした。
「せっかくきれいな状態で倒したんだから回収しないと」
海に落下していく古代竜の死骸を回収しに行く。
ただ倒すだけなら大量に氷の槍を作って古代竜に向かって倒したり、カチカチに凍らせたりすればもっと早く倒せるけど、それだと素材としての価値が落ちるから、ひと手間かかる倒し方にした。
古代竜の肉まだ食べたことなかったからね。
シズやクジャタとかの方が美味しいだろうけど、ほかの肉も食べてみたいし、料理によってはこの肉の方が上手い!とかもあるから。
食べたことが無いお肉は積極的に手に入れていきたい。
古代竜の回収を終えて、飛行船に帰ってくるといっせいに視線が集まった。
リンファス出身の人達は、なんでギリギリまで攻撃しなかったんですか?まじで焦りましたって感じで、ダイワ出身の人達は俺の本来の魔力量に驚いたり怖がったりって感じ。
ただコノハさんはただじーっと俺の事を見てるだけで、何を考えてるか分からない。
この状態だとただ怖がられるだけでいい事ないのですぐに腕輪をつけ直した。
そもそも古代竜を倒すだけなら腕輪を外す必要無かったんだけどね。
魔力や強者のオーラ的なものを隠蔽するだけで実際に弱体化する訳じゃないし。
「さてと、まだ時間は余ってるし2度寝するか」
もう襲ってくる魔物もいなそうだし、船室に戻って2度寝をした。
「起きてください。もう、ダイワに着きますよ」
リアに揺すられて目を覚ます。
どうやらダイワに着いたらしい。
体を起こし窓から下を見ると大きなお城がたっている。勿論和風だ。
「本当に江戸時代にタイムスリップしたみたいだ」
ただ似てるのは見た目だけで、魔道具があるから普通に衛生的らしい。それを聞いて一安心。
後、面白いのがダイワの人は属性魔法を使える人が極端に少ない変わりに、独自の身体強化魔法を使えると聞いた。
獣人の使う闘気と似たようなものらしい。
ぶっちゃけ今回は完全に観光気分だったのになー。
恐らく将軍家が暮らしているであろう城を眺める。
「なんて言ったらいいのかな?負のオーラ的なもの。瘴気って言えばいいのかな。なんでそんなものが城に集まってるんだ?」
読んでいただきありがとうございます。
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