第18話
「とりあえず寝よう」
自分の寝室のベットに直接転移したコウは着替えもせずにそのまま寝ようとしていると寝室にフィアが入ってきた。
「想像以上に疲れてるみたいだな」
「ただいま〜出来ればこのまま寝かせて欲しいんだけど…」
ベットにうつ伏せになったままフィアに返事する。
「それじゃあまず話だけ聞いてどうするか決めてくれ」
話を聞いている途中、寝落ちしないように何とか聞いた話をまとめると、コノハさん含め捕まっていたダイワの人達は飛行船を使ってダイワに送り届ける事になったらしい。
しっかりとしたお礼もしたいし、俺達もその飛行船でダイワに来ないか?という話になっているらしい。
いつもだったら着いてってもいいかなって思うだろうけど、あと30分で飛行船が出発するらしいし……でも、ダイワに行って買い物とかはしたい。
フィアに連れてってもらうか。
文鳥の氷像を作ってその氷像に同化した。
バサバサと翼を動かして、フィアの方に着地した。
精霊魔法で飛んでるから翼を動かす必要は無いけど、翼を動かさないで浮遊する文鳥ってちょっと怖くない?って思ったので翼を意味無いけど動かしている。
「このまま連れてって」
「分かった。だが、コウ本人だと証明するために人の姿に戻らなきゃいけない時は戻るんだぞ?」
「わかってるよ」
肩に乗ってる子の氷像実はコウです。って説明しただけじゃ信じて貰える訳ないし。
そのままフィアの肩に乗って飛行船まで連れてってもらう。
ダイワまで2時間ぐらいはかかるらしいからその間寝てれば多少マシになるだろう。
「コウ。もう飛行船に着くから1回人間の姿に戻ってくれ。その方が面倒な事にならないから」
ベットまでこのままが良かったんだけど…仕方ないか。
フィアから離れて人間の姿に戻る。
「部屋は真っ暗だったしうつ伏せだから気づかなかったが凄いクマだな…」
「そう言えば、コウさんニーズ様と戦闘してから1回もしっかりとした休憩取れてないんじゃ…」
「実はそうなんだよね」
イスカがほかのみんなに世界樹のダンジョンがどんなものだったか詳しく説明していく。
ダンジョンから戻ってきたら、そのまま島の話になって島で色々やってたらボロボロの海賊船見つけて、制圧したらダイワのお姫様が捕まってて、その対応でバタバタして、最後はフェムトからのお願いで一晩中苦戦することになって、やっと寝れると思ったら、
お礼がしたいからダイワに一緒に来ませんか?って言われた←イマココ
イベントが密集して発生したせいで大変な事になってる。
「まぁ、飛行船の中で寝れれば問題ないよって言う訳で早く飛行船に乗ろう」
ここまで乗ってきた馬車を降りて飛行船の発着場になっている場所に歩いてむかう。
この場所は王城並に警備が厳重なんだけど、なんか顔パスで通れた。
すぐにでも発進できる状態の飛行船があったのでそれに向かって歩いていくとコノハさんが出迎えてくれる。
「精霊王様はだいぶお疲れのようですけど大丈夫ですか?お願いした私が言うのもおかしいですが、無理せずおやすみになられた方が宜しいのでは?」
最初は嬉しそうに近づいて来てたんだけど、俺の顔がよく見える距離まで来ると凄く心配そうな顔になってしまった。
「ご心配ありがとうございます。色々なことが重なってしまい寝不足なだけなので大丈夫です。流石にダイワに着くまでは飛行船で睡眠を取らせていただければ回復しますので」
出来るだけ睡眠時間をという事ですぐに船室に移動させてもらった。
「ほんじゃお休み〜」
飛行船に備え付けられてるベットに横になるとすぐに眠ってしまった。
「ん〜。なんか魔物が近づいて来てる?」
ワイバーンの群れかな?
「おはようリア」
「おはようございますコウさん。まだダイワに到着するまで1時間ぐらいありますよ?
確かにワイバーンの群れが近づいて来てるみたいですけど、皆さんが甲板に向かいましたし、コウさんはまだ寝てても大丈夫ですよ」
「もう大分体調も良いし、もう眠くないから大丈夫。でも、安眠の邪魔された恨みをぶつけてくる」
そう言うとリアは苦笑いして、気をつけてくださいね?と送り出してくれた。
「流石に厳戒態勢だね」
甲板に行くと魔道機関銃をいつでも撃てるようにワイバーンが向かってくる方に照準を合わせているこの飛行船の乗組員とそれを見守るダイワの武士たちが沢山いた。
コノハさんも甲板に来ている。
「精霊王様もう大丈夫なのですか?顔色はだいぶ良くなっているようですが」
「ええもう大丈夫です。ご心配おかけしました。ワイバーンは俺が寝起きの運動がてらに倒そうと思ったんですが、ダイワのお姫様としてはこの飛行船の火力が気になりますか?」
「そうですね」
「じゃあ、俺は大人しくしていることにします」
コノハさんの横でしばらく待っているとワイバーンが30匹ほどこちらに向かってくるのが視認できた。
ワイバーンが魔道機関銃の射程に入るまで引き付け、射程に入った瞬間、魔道機関銃がいっせい射撃を開始する。
ワイバーンも散開して回避行動をとっているがじわじわと削られていき1匹づつ海に落ちていく。
最終的に10分
程度で今回の戦闘は終了した。
「コノハさんどうでしたか?飛行船の火力は」
「正直、想像以上でした。作ったのが帝国ではなく、リンファス王国でホントに良かったと心から思います」
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます