第13話
自己紹介をして、武士の人の話を聞いてみると、ダイワの姫様が俺に魔法を習う為リンファスに向かう途中、船がシーサーペントに襲われて撃退に成功するも船はボロボロ。
運悪くそのタイミングで海賊に襲われて捕まってしまったらしい。
幸か不幸か、撃退したシーサーペントが再襲撃をして来たせいで海賊船も半壊。
漂流してたら島を見つけ島に上陸しようと男の奴隷にオールで船を漕がせてたところ俺に見つかったって事らしい。
「待ってじゃあダイワのお姫様も捕まってるのこの船に?」
「はい、船室に監禁されている筈なのですが、場所に関しては…」
船の中だし、探し回ればすぐ見つかるだろう。
実は姫様だけ他の船に移動させられてるとかだと面倒だけど…そんな事ないよね?
「助けに来たとはいえ、この状況でいきなり知らない男性が現れたら警戒すると思うので、私が探します。コウさんは1度島に戻ってみんなにこの事を報告してきてください」
マルタの言う通り、この状態で知らない男が現れやら警戒するだろう。女性でも知らない人だったら警戒するとは思うけど、男よりは誤解を解きやすいだろう多分。
「報告には行かなくても、この船の現状は伝わってると思うんだよね。あっちにはリースさんがいるし」
「その通り。という事でみんな連れて来たわよ」
バッチリのタイミングでみんなを連れたリースさんが現れる。
「リースさん皆に状況は?」
「勿論、伝えてあるわ。シャルちゃんがもうどこにいるかも調査済み。ディアーネとリアちゃんは島に残って、捕まってた人に食べさせる料理を作っているわ」
全部手配済みみたい。
じゃあ、もうその部屋に行くだけなんだけど、それは女性陣に任せよう。
「ヤイチさんは、捕まっていた人たちをまとめてもらって良いですか?順番に隷属の首輪を壊しますので」
ヤイチさんとは助け出した武士の人の名前だ。
姫様の護衛をしていた人が他にも捕まっているらしいのでその人たちを集めて貰う。
「お任せ下さい。すぐに集めていきます」
そう言ってヤイチさんは行ってしまった。
ヤイチさんと同じく最初から甲板にいた人たちの隷属の首輪を壊しちゃうか。
「甲板にいる人たちは1列に並んでください、順番に隷属の首輪を壊します」
甲板にいた人達はヤイチさんの隷属の首輪が
壊れるのを見ていたので素早く指示に従ってくれたのでドンドン隷属の首輪を壊していく。
一気にやっても良いんだけど本来、隷属の首輪はつけた人物以外が外そうとすると爆発する物だから、念の為1つづつ丁寧に機能を停止させて壊していく。
甲板にいた10数人の隷属の首輪を壊し終わった辺りでヤイチさんが追加の人達を連れてきたのでまた1列に並んでもらい手早く終わらせる。
終わったーと伸びをしているとダイワのお姫様を迎えに行っていた女性陣が帰ってきた。
「そちらの方がダイワのお姫様?」
「そうです。コウさん分かってますね?」
絶対やらかしちゃダメですよ?と言うオーラがフィア達お嫁さん全員から出てる。
ダイワのお姫様は挨拶をするつもりだったのかこちらに近づこうとしたのを止められて困惑している。
まぁ、これに関しては信用が全くないのは理解してるけど。
ダイワのお姫様がまさか妖狐だったとは。
さっきからピコピコ動いている狐耳にユラユラ揺れてる狐の尻尾。
凄い気になるけど!初対面で触ろうとかそんなこと絶対しないから。
「やっぱりダメみたいだな。リース様では隷属の首輪を外せないんですか?」
どうやらフィアの判定的にアウトだったらしい。
リースさんに隷属の首輪を外せないのか確認し始めた。
「コウくんは精霊の力であれを壊してるわけじゃないし、私には無理かな」
「そうですか…やっぱりコウが外すしか無いか…。仕方ないイスカ、コウが変なことをしないように本気で拘束を…」
イスカに本気で力入れられたら腕折れる所の騒ぎじゃないから!
それだけは回避しないと…フィアが権能を使えば隷属の首輪を外せるんじゃない?
そうすればダイワのお姫様と俺が関わる必要も無いから、イスカにアームロックキメられて腕がちぎれることも無いだろう。
「俺じゃなくてもフィアなら外せるんじゃない?」
フィアがそう言えばと言った顔をした後隷属の首輪に触れると隷属の首輪は一瞬で消えてしまった。
フィアが隷属の首輪を外せるなら俺はこれ以上ここにいる必要は無いだろう。
何か墓穴を掘る前に島に帰ろう。
ディアーネさんリアがご飯の準備をしてるって言ってたからその手伝いをするとでも言えば良いだろう。
「俺は島に戻ってディアーネさんたちの手伝いしてくるね」
「それより。王都に戻って今回のことを陛下に報告してきて欲しい」
確かにそうか。俺なら比較的直ぐに国王と会えるだろうし。
「じゃあ、王都に戻ってこの事を報告してくる」
転移する前にダイワのお姫様が何か言おうとしていた気がするけど、下手に関わって自爆したくないので気づかないフリをしてそのまま転移した。
これが終わったら絶対にメルをモフらせてもらおうと心に決めるコウだった。
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