集団転移に巻き込まれました、当然チートスキルは無しです。神様がお詫びに種族を変えてくれたけどこっちの方がチートじゃないですか？

第51話

「驚きはしたけど、フィアだからできても可笑しくないかも？て言う感じが強くなって来たな。寧ろフィアにできないことなんて有るの？」

フィアなら何やらかしてもフィアだからね、で納得できる気がする。

今回はマギにも権能が使えるようになりそうって言われてたから、驚きが半減してるってのも有るかな？

「色々と言いたいことが有るが、先に倒しておかないとな」

そう言って前足が無くなったことで、バランスを崩して倒れたミゼーアが消えた。

ミゼーアが逃げたんじゃ無くてフィアがやったって事でいいんだよね？

「まだ2回しか使ってないのに魔力の消費が凄いな。何回も使うのは難しいな。制御に慣れれば変わってくるのか？」

フィアがやったので間違いなさそう。

「フィアの権能って一体どんな能力なの？」

効果を見る限りえげつない権能な気はする。

「対象を消す権能みたいだ。戦闘特化の権能だな」

対象を消す権能か･･･。それ、大嘘憑き（オールフィクション）じゃない？

裸エプロン先輩のチート能力じゃん。

「多分だけど、戦闘だけじゃなくて色々使えると思うよ。消すって事は無かったことにするって事でしょ？その気になればやりたい放題だよね」

その気になれば世界そのものを無かったことに出来ちゃうわけだし。

「成程、消失させて無かったことにする･･･なら寿命と老いの概念を消失させてしまえば、不老不死？」

なんかフィアが物騒な事を言い出した。

まさか今、試すつもり？

「まさか、不老不死になろうとしてる？」

「だってコウとずっと一緒にいる為には不老不死にならないと無理だろう？」

「そうかもだけど、いきなり試すのは危ないでしょ？もっとその権能に馴れてからの方が安全だと思う」

フィアがそれもそうかと思い直してくれたので、フィアの気が変わる前に先に進もうと思ったら、ハジメくんが体育座りでいじけている。こっちは何があった？

「コウさん、なんで俺はここにいるんですか？」

随分前から言い始めてたけど、本格的に俺要らなくね？ってなっちゃったみたい。

「ハジメくんは神特攻が付与されたその剣で異世界の神を倒してもらわなきゃ行けないんだから元気なら良かっただして」

エステルさんが用意した神殺しの剣。

相手が神に近ければ近い程、この剣の効果は強くなる。本物の神ならカスっただけでも大ダメージを与えられる。

しかも回復を阻害する効果付き。

「じゃあ、この剣をコウさんが使えば良いじゃないですか」

「俺らにもその特攻、効果が出ちゃうから無理」

ディアーネさんなら大丈夫だけど、リファーリアさんについて行っちゃったし、もし居たとしても包丁以外刃物は持たないとか言いそうだし。

「それに俺は皆が異世界の神に取り込まれないように権能で保護するので手一杯になるだろうから、俺は直接攻撃出来ないし」

異世界の神に近づけば近づくほど異世界の神からの影響は強くなってる。

直接対峙したら俺はそっちの対処をしなきゃ行けない。

「それに、王女様と結婚しても文句言われない功績を立てるために来たんでしょ？」

「そうでした、その為に役に立たなくても着いていかなくちゃ」

完全にでは無いけど、持ち直したかな？

その調子で頑張ってもらおう。

なんか、色々あったけどその間ティンダロスの猟犬が出て来なかったって事は完全に諦めたと考えていいだろう。

気を取り直して、次に進むと、アリの巣のような洞窟になっていて、ムーンビーストの巣になっていた。

ホントだったらゴールを見つけるのに時間が掛かるんだろうけど、シャルの探知能力が有るので、あっさりクリアした。

「それで、次はすぐ横にマグマが流れてる火山地帯か･･･さっきまでとは違う雰囲気の敵がいるけど、なにか御用ですか？」

目の前にいる火の精霊に話しかける。

「君たちが来るのを待ってただけだよ？

ねえ、僕と取引しない？僕のお願いを聞いてくれたら、ニョグダの所まで一気に行ける道を用意してあげる」

「クトゥグアの癖してナイアルラトホテップ見たいな事、言うんだな」

もっと言うこと会ったんだろうけど、何故かそう言ってしまった。

「あんな、人の不幸を喜ぶ陰キャと一緒にしないでよ。ニョグダ如きが僕を真似たクリチャーを作り出して使役してるのがムカつくから、代わりにニョグダを倒してもらおうかなって思っただけだよ」

「フーンでじゃあ代わりに倒しますって言ったら、今すぐニョグダの所までショートカットさせてくれるの」

そう上手い話なんて無いだろうけど。

「それでも良いけど、それだと僕がつまらないから、君と僕が勝負して君が勝ったらって言うのはどう？」

つまり、暇つぶしに付き合えって事か。

そもそもクトゥグアがそんなことが出来るのかとか、出来たとして約束を守るのかとか色々懸念点は有るけど。

断って面倒な事になるのも避けたい･･･はぁ受けるしかないか。

「わかった、その条件で良いよ」

それを聞いたクトゥグアは邪悪な笑みを浮かべた。

読んでいただきありがとうございます。

新作始めました。ダンジョンクリアして報酬にスキルを貰って強くなるお話です。

https://kakuyomu.jp/works/16816927859804684114