第46話

「うへぇ。流石にこれは気持ち悪い」


まだ、山脈には到着してないけど、ミ=ゴが大量にいて大規模な鉱石採掘を行っているのが確認できる。


ミ=ゴ以外はいないっぽい。あの山脈はミ=ゴのテリトリーという事なのだろう。


「今、攻撃しちゃっても良いんだけど、実力を見せるために 、飛行船で通り抜ける時に倒した方が良いでしょうから、もう帰りますか。しっかり偵察は出来てますし」


目的は既に達成してるしいつまでもここにいる意味は無いか。

俺はただアルさんの背中に乗ってただけだったけど、先行偵察を終えて飛行船へと帰還した。


「では、予想通り魔物は大量にいたけど、進路に変更は無しという事ですか?」


「エステルさんもアミュレットは長く持たないって言ってたでしょ?いまいち実感できてないのかもしれないけど、それが無くなったら、30分もすればこの空間に取り込まれて、人間を卒業する事になる。だから今回は時間をかける訳には行かない。それに戦う本人が大丈夫って言ってるんだから大丈夫。今回、敵は神獣様におまかせして俺らは飛行船を進めることだけを考えていればいい」


と、先行偵察した情報を正直に伝えたら、ひよってやっぱり山脈を迂回した方が良いと言い出した指揮官クラスを若干脅して無理やり山越えを納得させた。


でも、アミュレットが長くても2週間ぐらいで壊れるのは事実だし、壊れたら30分もあればクトゥルフ神話生物の仲間入りするのも本当。

アミュレットは2週間ぐらいで壊れるって期間まで丁寧に教えると、それはそれで混乱が起こりそうだからそれは黙っておくけど。


「貴方たちは神獣という存在を舐めすぎです。ただの魔物がどれだけいようと相手になりません」


俺に対してもそうだけど強さが離れすぎてるせいで、正確に伝わってないんだよね。

帝国に巨大な隕石を落として消滅させた今だってそうだから、これはもう一生理解して貰えないなって諦めてるけど。


俺のこともアルさんの事も今ある飛行船の主砲一斉砲火なら倒せるとか思ってるんじゃない?

その程度じゃかすり傷ひとつつかないけどね。


「それにもし迂回したとしても別の種類の魔物が大量にいるだけだと思うよ。あの山脈不自然に1種類の魔物しかいなかったから」


これも事実だし、ここまで言えば迂回路は選ばないだろう。報告はこれで終わりなので各飛行船と連絡できる魔道具が置いてある部屋を後にした。


「神獣ってここまで信用されないものですかね?そりゃここ何千年人間に対して実力を見せるようなことは無かったですが・・・それにしてもです」


「神獣や精霊王の強さを人間と比べてで判断してますからね。しょうがないんじゃ無いですか?」


そもそも比べるとかそんな次元じゃないんだけどね。


「仕方ないか。確かにそうなのかもね、でも、コウくんが色々暴れ回ってるだろう?

こないだの隕石とか」



「人間って都合のいいように解釈する生き物なんで・・・」


俺だって元は普通の人間だったからよくわかる。


「これで迂回するとか言い出したら見捨てて、俺らだけで進めばいいだけです」


「加護与えて権能まで使って守ってるのに、簡単に見捨てるなんて出来るの?」



「確かにそうですけど、彼らのせいでフィア達にまで被害が及びそうだったら余裕で見捨てますよ」


「そう、君がそう言うならこれ以上は言わない」


君はなんだかんだ言って見捨てられないと思うよって顔が言ってますよアルさん。


「それにしても久しぶりに人化をしたけど、やっぱり私には窮屈に感じるな。イスカちゃんなんてよくずっと人化した状態で生活できるな〜って思っちゃうよ」


本来人間の何十倍もデカいドラゴンなんだから、ドラゴンからしたら人間の姿は窮屈なのかもしれない。

イスカがフロンダンジョンで人化を解いて泳ぎ回ってくるって言ったのは、ずっと人間の状態だと窮屈だったからかも知れない。


「俺は最初から人型なのでその感覚はわからないです」


「そう言えばコウくんは元々人間だったね。正直普通の人間が2ヶ月で亜神まで上り詰めちゃうのか神獣の私でも直接見るまでは信じられなかったよ」


「俺一人の力でなったと言うよりはフェムトに色々手伝ってもらってですけどね」


「でも、最初のきっかけである停止の権能を手に入れたのはコウくんの力だけで手に入れたはずでしょ?何せ権能を手に入れるまで、誰にも気づかれず神界を魂だけで、さ迷ってたんだから」


確かにそんな事もあった。あれもエステルさんのミスでああなったんだよな。


「そんな事も有りましたね。本人としてはほぼ無意識なので実感が無いんですけど」


家で寝て起きたら突然知らない場所で美人が土下座してたもんだから最初はすっげー変な夢だなって思ってたぐらいだもん。


「神界では凄い騒ぎになってたんだよ?あの事故」


「でも、信じられない度合いで言えば、フィアの方が凄いんじゃ無いですか?」


フェムトですら何度も驚かさえてるからなフィアには。


「オフィーリアちゃんね。思わず2度見しちゃったよ。コウくん以外にほぼ自力で権能を使えるようになりそうな人がいるとは思ってなかったから」


俺もマギから聞いた時びっくりした。

これに関しては俺が原因みたいなところ有るけど。


山脈が近づいて来るまで、アルさんとお話して時間を潰すコウだった。




読んでいただきありがとうございます。





新作始めました。ダンジョンクリアして報酬にスキルを貰って強くなるお話です。

https://kakuyomu.jp/works/16816927859804684114












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