第37話

「部屋に居ないと思ったら、精霊界に行ってたのか。絶対ダメとは言わないが、家に客人が来ている状態なのに、屋敷から離れるのは良くないと思うぞ」


はい仰る通りですね。流石に自由行動が過ぎました。


「返す言葉もございません」


「しかもマルタは泥酔と・・・」


そうですねマルタは今俺の背中でスヤスヤ寝ていますね。


「もう夕食だし、他の人を待たせるのも申し訳ないから、早くマルタを寝かせて食堂に行くぞ。言い訳も考えておけよ」


言い訳に関してはバッチリなので任せてください。


マルタを寝室に寝かせてから、食堂へと向かっていった。


「いや〜申し訳ない。実は自家製の白ワインが完成したと聞いたので、皆に飲んでもらおうと受け取りに行ってたら思ったより時間がかかってね。それと彼女はワインに使うブドウを管理してくれている妻のシャルロッテです」


「シャルロッテです。ディルフィーニっていう普段はイルカの姿をして生活してる種族です。よろしくお願いします」


よし、何も嘘は言ってない。白ワインが最近完成したのもほんとだしシャルがブドウの管理をしてくれてるにもほんとだからね。

最初の目的は温泉に入る事だった事を言ってないだけで。


「海ぶどうのワインですね。確かにディルフィーニは海ぶどうの管理をしてますし、嘘は言ってないですね。で、ワインはどこに?」


しっかり冷やしておいた白ワインを収納魔法から取り出して渡す。


「直ぐに飲めるようにしてあるんですね。

コウ様も早くお座り下さい」


椅子に座るとどんどんと配膳されていく。


「あれ?かき揚げも作ったんだ」


きんぴらごぼうを作った時に、かき揚げとか天ぷらの話をしたけど、話を聞いただけでこの完成度ってやっぱりディアーネさん凄いな。


「リファーリア殿下も料理楽しかったですか?」


「はい、とても楽しかったです!何しに来たのか目的を忘れたのか?ってフィロ姉様に怒られましたが」


もう既に怒られた後だったのね。


「俺も好きなことになると暴走して、怒られるのがしょっちゅうです。ダンジョンにいる時もそれで怒られました。だから逆に親近感が湧きました」


「因みに何があったんですか?」


「詳しくは省くけど、皆を置いて1人でダンジョンの中突っ走った」


「省きすぎてそれじゃあ伝わらないでしょう」


ハジメくんがそう言うけど、恐竜のことを1から話さないと行けなくなるし、説明が長く

なると料理冷めちゃうじゃん。


「説明しても良いけど、料理冷めちゃうよ?」


「「それは行けません!」」


ほんとにリファーリア殿下とディアーネさんの息ぴったりだな。


俺も折角のご飯が冷めるのは嫌なのでご飯に集中する。


日本だとタコって地味に高いんだよな〜。

こっちだと食べ放題だから好きなだけ食べれる。

たこ焼きも作りたいけど、ソースがな〜。

どっかに有ればいいんだけど。

でも、大阪で味付け塩だけのたこ焼き食べたことあったな。

たこ焼き作るか。専用の鉄板を作ってもらうところからだから時間かかるけど。


たこ焼きも作りたいけど今は食べてる料理に集中だな。

揚げ物が2種類あるからちょっとおもたいかなって思ったけど、タコとなすの和え物がさっぱりしてるからいいバランスになっている。

ワインとも意外に合うし、海ぶどうの白ワインの飲みやすさもあって、だいぶ量飲んじゃいそう。

ワインの中ではアルコール度数高めだから

飲み過ぎないように注意しておかないと。


「説明忘れてたけど、この白ワイン飲みやすいと思うけど、ワインの中ではアルコール度数高めだから飲み過ぎないようにねって・・・ハジメくんもう酔いつぶれてるの?」


ハジメくんが既に顔を真っ赤にしてフラフラし始めていた。


「まだ17歳だからこっちに来るまでお酒なんて飲んだこと無かったから、慣れないんですよ。逆にコウさんはなんでそんなに平気そうなんですか?何気に1番飲んでますよね」


タコ料理ときんぴらごぼうのかき揚げとの相性が良かったからつい。


「リバイアサンの酒飲み連中と最後まで飲んでたのに全く酔って無かったですもんね」


日本にいる時は普通だったんだけどね。

こっちに来てから飲んでも酔わなくなったから精霊になったからだと思ってたんだけど、

精霊もお酒を飲んだら普通に酔うってディアーネさんに言われたし理由わかんないんだよね。


「えっなんですかそれ?地味に怖いです」


「俺もなんか気味悪いから色々理由考えてみてるんだけど、未だに謎。進化したら強くなるのかなとも思ったけど、ハジメくんがこうなってるから違うと思うし」



「コウが酔わないように無意識に権能を使ってるんじゃないか?」


確かに、権能ならそれもできるな。

酔ったらまずいなって思って無意識に権能を使ってたって事か。

どれだけ飲んでも酔わなくてちょっと残念だったから、意識すれば権能を使わないで酔うことも出来るかも。

ただし、既に大量にアルコールを摂取してる

今、権能を切るのは自殺行為だと思うから、それはまた今度試そう。



読んでいただきありがとうございます。



新作始めました。ダンジョンクリアして報酬にスキルを貰って強くなるお話です。

https://kakuyomu.jp/works/16816927859804684114











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