第38話


「ハジメくんが完全に寝ちゃったし、泊まって行ってください。部屋はいっぱい有るので」


ハジメくんが酔いつぶれて寝てしまったので連れ帰るのも大変だろうし、泊まって貰うことになった。


「部屋割とかは好きに使ってください」



「早く起きすぎた」

食堂で解散したあとは直ぐに寝てしまったので特に何も無く朝を迎えたんだけど、日の出前に目が覚めてしまった。


「二度寝するのもあれだし、料理場に行くかディアーネさんはもう朝食の準備を始めてるだろう」


顔を洗ったり最低限の身だしなみを整えたあと調理場に向かうと、ディアーネさんとリファーリア殿下が2人で調理していた。


「おはようございます、リファーリア殿下。ディアーネさんもおはよう」


「おはようございます、精霊王様。私のことはリアって呼んでください」


「おはようございます、コウ様。今日もなにか作りますか?」


「なら、リアさんって呼ばせてもらいますね。俺の事もコウって呼んでください」


「そうですね。そしたら私もコウさんと呼ばせていただきます」


「早く起きすぎたから朝食手伝おうと思ったんだけど、邪魔かな?」


2人とも息ぴったりで仲良さそうだし 、俺がいたら邪魔だろう。


「出来れば、コウさんとも一緒に料理してみたいです」


「じゃあ、なにか作るか。野菜多めのスープでも作るか、シズガラスープを使えば基本美味しいスープになるし」


白菜、玉ねぎ、人参、じゃがいも等適当に手に取った野菜を食べやすいサイズに切って、

シズガラスープにぶち込んで煮る。

灰汁をとったりしつつ、やっぱり肉も入っていた方がいいかなと思ったので鶏肉を切って追加して火が通れば完成。



「やっぱりシズガラスープ便利だ。これ使えば大体美味しくなる」


「それにしてもリアさんは料理上手ですね。野菜を切るのも早くて正確ですし」


というか俺より普通に料理が上手い。


「コウさんも上手でしたよ。普通に王城で料理長をできる腕前です」


「コース料理とか俺には作れないですし、自分に作れるのは家庭料理ですよ」


「ディアーネさんと比べてるからそう思うだけだと思いますよ?お世辞抜きで料理長ができる腕前です」


ディアーネさんと比べてるつもりは無かったけど、リアさんがここまで言ってくれてるし

ありがたく受け取っておこう。


「まだまだ量が足りないし、ドンドン作っていこう」


使用人の分のご飯も作るから1回に20人分ぐらい作らなきゃ行けないから結構忙しい。

俺とディアーネさん以外にも王都の屋敷には何人か料理人を雇っているから20人分全部作るわけじゃ無いけどそれでも結構な量作るからね。朝ごはんはスクランブルエッグとか

ベーコンとほうれん草のバター炒め見たいなシンプルで軽いものが多いから、夕食に比べたら圧倒的に楽だけど。



「やっぱり、料理が料理が出来るようにならないと」


朝食を食べて皆が帰った後、談話室でまったりしている時に、料理できない組の奥さんたちが口を揃えてそう言った。


因みに、フィア、マルタ、メル、シャルの4人でイスカは普通に料理が上手い。

自分から作ったりしないけど。


リアさんとふたりで料理していた話をしたら

皆、羨ましかったらしい。

イスカも一緒に料理はしたいって言ってたし。


「皆、ディアーネさんに習ってある程度出来るようになってたでしょ?なら、皆で作れる料理でも作るか〜。なんか考えとくよ」


餃子とか良いんじゃないかな?

皮と餡は先に作っておけばいいし、皆で包む作業をすれば楽しいんじゃないだろうか。

でも、今日すぐにやる必要は無いだろう。

せっかくならフェムトも加えてやりたいし、異世界の神倒してからだな。


なんかフラグ立てちゃったかな?もしかして。


この程度でフラグ立ってたらなんか発言する度にフラグ立っちゃうか。



「コウ、実は作る料理自体は決まってるだろう?」


エスパーかな?


「これがいいかなって言うのは有るけど、フェムトもいる時にやりたいから、もうちょっと後にこのイベントはやろうかなって」


流石にこの理由にケチをつける人はいないので、異世界の神を倒した後の自分たちだけの戦勝パーティーでそれをやろうという事になった。


これは完全にフラグ立ったな。

だとしても負けるつもりも死ぬつもりもない。

最悪、死ななければフェムトが何とかしてくれるだろう。


「そうだ、シャルの防具はどうするの?

なんか革防具買いに行く?」


「既にフェムト様から皆さんと同じものを作って貰ってるので大丈夫ですよ」


そっか、なら安心。リバイアサンの鱗を錬金術で布に加工してるから、最高級の防具だからね。


それにしても鱗を布に加工ってやっぱりすごいよね。どうなってるんだろうこの世界の錬金術。


「コウ、今日は1日予定無いんだよね?」


「本来リアさんと今日会う予定だったけど、昨日会ったからね。今日は予定ないよ」


シャルは人間界楽しみって言ってたから、街を歩いて見たいとかかな?


「じゃあ、遠慮なく寝室で、やれるね。

コウったら昨日普通に寝ちゃうんだもん。お客さん来てるし、しょうが無いかって昨日は我慢したんだから良いでしょ?」


この日はゆっくりお嫁さんたちと家で過ごすことになった。



読んでいただきありがとうございます。




新作始めました。ダンジョンクリアして報酬にスキルを貰って強くなるお話です。

https://kakuyomu.jp/works/16816927859804684114





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