第31話

飛行して、階段まで向かっている間、プテラノドン、ケツァルコアトルス、タペヤラといった翼竜に何度か襲われたけど、魔法を使って素早く倒した。

ルージュが攻撃されてハジメくんたちが落ちたら大変だし。


でも、翼をたたんで回転して突っ込んできた時は想像以上に早くてちょっとヒヤッとした。


ルージュがそれを見て自分でも試そうとしだして、それを止めるのも大変だった。

もし、今試されたら乗ってるハジメくん達が大変なことになるからね。


「あの平原が広いし野営もしやすいかな?

今日中に下に降りる階段まで辿り着くのは無理だし、今日はここまでにしよう」


無理すればたどり着くことも出来るだろうけど、そうやってたどり着いても深夜になってるだろうから、階段を守護する魔物と戦うのは結局明日になるから無理する意味が無い。


どうやら、この階層も夜は魔物が襲ってこないらしい。

野営の準備が終わって日が沈み出したあたりから魔物の襲撃がパッタリ止んだ。

ぶっちゃけ魔物の襲撃があろうとディアーネさんがずっと警戒していてくれるので、見張りなんて本当は必要無いんだけど。

だから俺以外の人は普通にテントの中で寝てるんだよね。


「暇だねディアーネさん。なんか時間を潰すいい方法知らない?」


「料理をすれば時間はいくらでも潰せますよ」


ディアーネさんだったらそう言うよね。


でもちょっとお腹がすいたな〜と思ってたんだよね。

時間も沢山あるし何か作るか。



「で、料理を作ってたら朝になっていたと」


ディアーネさんと色々料理を作っていたら朝になっていた。

夜の間に氷の壁でテントの周りを囲っておいたので魔物は侵入してきたない。

さっきからずっと氷の壁にガンガン攻撃してるけど。

日々どころか傷1つついていない、念の為ネズミ返しもつけてるし、登って入ってくることもないだろう。


「作ってるうちに楽しくなっちゃって、その代わり朝食が豪華だよ?」


カレイの煮付け、牛肉のしぐれ煮、

ナスの味噌汁、金平ごぼう等など、俺が朝食べたいなって思ったものを作りまくった結果である。


カレイに限らず、魚の煮付けって皮が汚く向けちゃったりして以外に難しいよね。

ディアーネさんの煮付けは全く皮が向けてなくて綺麗に出来ててやっぱり凄いな〜って思った。

火加減と調理時間なんだろうけど、上手くできない。


「事前に作って収納魔法で持ってきているんだから、今作らなくてもいつも豪華な食事だっただろう」


はい、全くもってその通りです。


「まぁ一徹したぐらいで、コウが苦戦する筈もないし、別に問題無い。で、今日の予定はどうするんだ?」


「それに関しては、明け方ちょっと連絡があってね。例のアミュレットが数用意出来たらしいから今日は超特急でボス倒して、下の階をちょっと見たら王都に帰還って感じかな」


今朝フェムトからアミュレット用意出来たってと連絡が入った。

地上では多国籍軍の編成で大忙しらしい。

なので、2、3日は猶予があると思うよって言われたけど早く帰った方が良いだろう。

顔合わせとか有るし。


この話をしたら思ったより早かったみたいで、驚いた後。真剣な表情になっている。


「急がなきゃ行けないのは確かだけど、焦りすぎるのも良くないよ。今から緊張してるんじゃ疲れちゃうよ。実際、半球ドームの中に乗り込むのは1週間後ぐらいだろうし」


今回は3カ国合同の多国籍軍として行動するのだから今すぐにみたいな、軽い感じで動くのは無理だろう。


みんなを納得させて、ボスのいる場所まで一直線で向かった。本当は道中でも狩りをしてもうちょっと時間をかけるつもりだったんだけど、ノンストップでボスのところまで来たので予定よりだいぶ早くたどり着いた。


本当はハジメくん達にガチバトルをしてもらう予定だったけど、俺が停止の権能を使って動かなくなったボスのトドメをハジメくんに刺してもらった。


「本当はこれあんまりしたくないんだけどね。レベルだけ上がって技術が上がらないから。今回は時間かけれないししょうがないって事で」


哀れギガノトサウルス、本当だったら苦戦しただろうに。

俺も大迫力の戦闘シーン見たかった。


動くことすら許されず、ただハジメくんの経験値になったギガノトサウルス。ちょっと申し訳ない気持ちになってしまった。


「下の階層だけ確認して帰ろうか」


ギガノトサウルスはハジメくんが倒したから、ハジメくんが持ってってと押し付けた後、階段を降りて次の階層に降りた。


「今度は氷の大地かイエティとかマンモスとかでっかいフクロウとかいそう」


雪に擬態して襲ってくる魔物も多そうだ。

1番きついのは気温かな?俺は水の精霊だからか全く寒さを感じないけど。

みんなは寒そうにしてる。

ルージュなんて冬眠するとか言い出したぞ?

寝たら死ぬぞ!って言ってたたき起こしたけど。


「マイナス40℃ぐらいかな?これは対策無しに進むのは無理だね。吹雪いてて視界も悪い。無理に進むと戻って来れなくなるかも。転移魔法で帰れるから、遭難しても死にはしないけど」


みんな元々革防具だから大丈夫だったけど、マイナス40℃じゃ金属鎧なんて使えないだろう。

実際、剣とか触ったら手に張り付いて大変なことになった。

フィロさんが錬金術で対応出来るとは言ってたから、しておいた方が良いだろう。

半球ドームの中にこう言った環境があるかも知れないし。


帰ろうとした時に襲ってきた白い毛をしたサーベルタイガーを倒してから、転移で王都へと帰還した。



読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る