第28話
「シダ植物の原生林・・・恐竜が似合いそうな景色だ」
3層でモササウルス、プレシオサウルス等水中で生活する恐竜には既に遭遇してるから
この階層に陸上で生活する恐竜がいてもおかしくないだろう。
寧ろ、出てきて欲しい。生きてる恐竜が見れるとか地球上全ての男子の夢だと思う。
「5層に降りてからずっとソワソワしていますが、どうしたんですか?」
そんなにソワソワしてた?本人的にはこれでも結構抑えてるつもりなんだけど。
「あれは、モフるのを我慢している時と同じだな。コウ、ダンジョンの魔物をモフるのは無理だぞ」
「今回はモフるとかじゃなくて、雰囲気的に恐竜が出てきたら最高だなーと」
でも、ラプトル4匹テイムして
ジュラ○ック・ワールドごっこしたい。
テイムスキルなんて持ってないし、持っていたとしてもダンジョンの魔物はテイムが出来ないので無理なのだが。
「確かにいかにもジュラシックって雰囲気ですよね。化石じゃ無くて、動いてる姿は確かに見てみたいな。コウさん程では無いですけど」
「コウ、まだコウが言ってる恐竜が出てくると決まったわけじゃないから、そんなにはしゃいでると、出てこなかった時ショックが大きいんじゃないか?」
そんなにはしゃいでる?結構我慢してるよ?これでも。今すぐ恐竜探しに行きたいのを必死に我慢してるんだから。
話していると近くの草むらがガサガサと揺れた。
「恐竜!」
果たして初遭遇はどんな恐竜かな?とスキップしながら草むらに近づくと小さい恐竜が顔を出した。
「可愛い!ディロフォサウルスだ。1匹しかいないけど、群れで行動しないのかな?
もしくは君は囮かな?」
俺の顔を見て首を傾げるような動きをして、
その動きも可愛いな〜と思いながら、仲間のディロフォサウルスは何処に隠れてるのかな〜と魔力探知探してみると、やはり後ろの草むらに数匹ディロフォサウルスが隠れている。
やっぱり、この子は囮役だったみたい。
ディロフォサウルスは俺が気づいた事を悟ったのか。毒液を吹き掛けて来た。更に、そのタイミングに合わせて隠れていたディロフォサウルスが飛びかかってくる。
「もうちょっと、観察してたかったんだけど、仕方ないか。それとディロフォサウルスが毒液を吐いてくるって・・・神様が魔物として作り出した時にジュラ○ック・ワールドでも見てたんだろうか」
地球でもジュラ○ック・ワールドの影響か
ディロフォサウルスが毒液を吐くゲームが多かった気がする。
小さくて、群れで行動するっていうのも映画の影響で本当は人間より大きいんだったっけ?
そんな事を考えつつ毒液を氷の壁で防いで、ディロフォサウルスたちは氷漬けにして討伐した。
「他にも色んな種類がいるよね多分!
冒険者ギルドにだって報告しなきゃ行けないんだからしっかり調査しないと!!」
そういって1人森の中を進んで行った。
ーフィアsideー
コウがあんな状態になるのは綺麗な毛並みの生き物を見た時だけだと思っていたんだが、
どうやら違ったらしい。
ああなったコウを止めるのは無理だ。
と言うか、魔物を気にせず走り出したコウを追いかけて魔物に不意打ちでもされたらこっちが危ない。
さっきの小さい魔物も囮役と攻撃役に別れて
襲ってくる程の知能を持っていた。
毒液も吐いてたし、あんな無警戒で進んでいたら命がいくつあっても足りないだろう。
コウなら問題ないんだろうが・・・。
「コウがああなってしまったから、私たちはここでコウが帰ってくるまで休憩にしよう。後、ハジメくんはあの魔物のことを知ってそうだからどんな魔物か教えてくれると助かる」
恐竜と言ってたか。昔、3層でコウがレベルをあげるために魔物を狩りまくっていた時にも恐竜って言ってた気がする。
コウが言うにはこちらの魔物には、地球で空想上の生き物として言われている生き物にソックリな魔物が多いらしい。
恐らく恐竜もそのカテゴリーだろう。
「説明するのは良いんですけど、先ずはコウさんを追っかけなくて良いんですか?」
「あんな無警戒で魔物を引き寄せるように走るコウを追いかけるのは自殺行為だ。
そのうち正気に戻って帰ってくるだろう」
今も木が倒れる音が向こうから聞こえてくる
コウが魔物と戯れてるんだろう。
火柱が上がったりもしている。火属性の魔法を使う魔物もいるようだ。
「自分もあの中に突っ込んで行きたくないので、ここで大人しく説明してます。さっきの魔物は地球だと恐竜って呼ばれていて何億年も前に絶滅した生き物です。だから本物を見たコウさんはテンション上がったんだと思います。地球の恐竜は魔法なんて使わないのでどんな動きをするのかとか、そう言った説明は出来ません」
「成程、コウのああいった時々ダメになるところ嫌いでは無いがダンジョンなんだからちょっと我慢して欲しかったな」
帰ってきたら、正座させて説教確定だ。
「地球だと映画だったり、ゲームに出てきたりして俺も好きでしたからテンション上がるのは分からなくも無いですけどね。
あそこまではならないですけど」
コウが帰って来るまで順番に警戒をしつつ
休憩をするフィアたちだった。
読んでいただきありがとうございます。
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