第26話
魔物をどれだけ倒してもつぎからつぎへと集まってくるので、見張りが大変かもと思っていたけど、日が沈んだとたん魔物の襲撃がパッタリと止んだ。
何故かは分からないけど、4層の魔物は夜は活動しないらしい。
そう思わせといてって事も考えられるのでしっかり見張りは交代で行なったけどね。
ほぼ、有り得ないけど、ここまでくる冒険者がいる可能性も有るし。
結局、夜の間は魔物も人も現れなかった。
太陽が出た瞬間魔物の襲撃が始まったから、朝はバタバタしちゃったけど。
そんな感じで2日間程、代わり映えのしない砂漠をただひたすらに真っ直ぐ進み続けていた。
「本当に真っ直ぐで良かったのか不安になってきたけど、だからと言って今から別の方向に向かうのも無理だよね・・・」
俺もそうだけど、ゴールがわからない分、皆
ストレスが溜まってきている。
転移魔法でいつでも帰ることは可能だから深刻な感じでは無いけど。
「だいたい時速500kmで既に計20時間ぐらいは進んでいるのに未だ階段は見つからないからな。この方向は違うんじゃ無いかって思うのも当然だな。私としてはコウの体調の方が心配だ」
皆が休憩してる時間も皆をのせて飛び続けてるからね。
魔物の襲撃も無いしそれ程疲れないけど、
フィロさんにトランプとかUNO、リバーシまで作ってもらって人の上で遊ぶのはどうかと思うんだ。
若干1名料理し出す人もいたし。
「みんな、それだけコウの事を信用していると言う事だ」
本気でそれ思ってますフィアさん?
さっきから目が泳いでますよ?
「まぁ、フィアが相手してくれるから良いんだけどね。あら?今まで1匹も出てこなかったのに飛行系の魔物が近づいて来てるな。
フィア、揺れるかもしれないから揚げ物してる水の精霊を止めてきて、油をこぼされたら嫌だし」
氷像に同化してる間は氷像に攻撃されると俺自身もダメージを受けちゃうから、高温の油をこぼされたら火傷はしないけど、普通に熱い。
「分かった、すぐに止めてくる。戦闘の準備は?」
「一体だけだから必要ない。頭部には近づかないよう言っておいて」
多分、魔力の感じから宝石竜だと思し、すぐ終わるでしょう。
魔力を感知した場所に飛んで近づいて行くと
ようやく相手も気づいたようで、こちらに向かってきた。
「トパーズドラゴンかな?」
黄色で光沢をもったドラゴンを視認できた。
黄色い宝石って色々あった気がするけど
パッと思い浮かべたのがトパーズだったので、トパーズドラゴンって事にしておこう。
「うわ!?ブレスがサンドブラスト見たい。あったったら、氷像が削られるかも」
風属性の魔法と土属性の魔法を合わせて細かい砂を圧縮した空気で飛ばしてきた。
砂が研磨剤の役割をしいる。
見た目は砂を口から吐いてるだけだけど、えげつない系の攻撃だ。
「まぁ、当たらなければ意味ないよね」
急降下する事でブレスを交わしてすぐにトパーズドラゴンの腹目掛けて急上昇してそのまま噛み付いた。
「このまま噛み砕いても良いけど、流石に勿体ないか」
リバイアサンの氷像の口に挟まれてバタバタしているトパーズドラゴン。
このまま噛み砕けば終わりだけど、流石に宝石竜の素材を無駄にするのは勿体ない。
素材として有効活用するために氷の刃で首を落として討伐した。切り口も凍らせているから血も出ない。
ドラゴンは血も使えるからね。
「コウ終わったか?数人急な動きに耐えられなかったみたいでな、ダウンしてるから進む時はいつもより速度を落として欲しい」
さっきの急降下、急上昇はやっぱりキツかったか、ジェットコースターと比べ物にならない速度と落差だったから、分からなくもない。
「フィアは大丈夫だったの?」
「やばいと思って自分で飛んで退避したからな。ほかの人が振り落とされないように重力魔法で補助もちゃんとしてたぞ」
成程、自分で飛ぼうと思えば飛べる組は無事って事かな。
「分かった。じゃあゆっくり進もう。ようやく、ボスっぽい魔力を感知できたし」
「やっとか、先ずはこの方向で間違ってなかった事に一安心だな。魔力からボスの想像はつくのか?」
「それは微妙。でも、蛇の魔物に似た感じはするから蛇系かも。後、ここからは空を飛ぶ魔物が普通に出てくるみたいだから、フィアに迎撃頼んでいい?俺がやるとまた皆酔っちゃうから」
「分かった。魔物を倒す度にあの動きをされると私もキツイから魔物は私が相手をしよう。それに蛇系の魔物か・・・状態異常にしてきたり、不意打ちを狙ってきたり戦いづらい魔物が多いから厄介なんだ蛇系は」
それはやだな。もし俺の予想が当たってるなら、状態異常にしてくる蛇なのか?
もう、バレてるから不意打ちは出来ないわけだし。
「後、怖くて聞けなかったんだけどさ、氷像の上で耐えられなくて戻した人いる?」
ジェットコースターよりやばかったわけだし、ゲロっちゃった人がいてもおかしくない。
氷像はオレ本体じゃないけど、同化してるから吐かれるのはちょっと・・・いや、大分きつい。
「それなら大丈夫だ」
「良かった。誰も戻さなかったんだね」
「既にディアーネが綺麗に洗い流してくれたからな」
「全然大丈夫じゃないー」
発狂して暴れ回りもう1回ゲロられるコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
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