第25話
「空を飛ぶ魔物も出てくるのかと思ってたけど今のところは遭遇なしか。今のところはこうやって空を進めば安全なのは良いけどちょっと暇だよね」
小型化したリバイアサンの氷像に同化して
皆をのせて魔物の警戒をしつつ、空を飛んでいる。
なにか目印になる物が無いかとそれも探しているけど、ほんとに砂しかない。
「だからこそこのスピードで進めているんだから問題ないだろう。そもそも、コウが普通の魔物と戦ったとしても、暇つぶしにはならないだろう」
それはその通りで、寧ろ数だけ多いから面倒臭いまである。
「その通りだけど、ただ真っ直ぐ進むって言うのもやっぱり暇じゃん。階段の門番的な魔物の魔力も、まだ感じられないし」
3層の時は入り口からでもクラーケンの魔力を感知できたから、3層よりも広いことは確実だったけど、想像以上に広いかも。
「後はフィアが話し相手してくれてるぐらいで皆、俺の上で寛いでるけど大丈夫なの?
飛行タイプの魔物が出てこないって決まった訳じゃないし、地上からの攻撃が届く可能性だってゼロじゃないよ?同化している間は氷像を攻撃されて傷つくと俺も普通にダメージを食らうから必死に避けるから、その時に落ちても知らないよ?」
結構戦闘してたし、疲れてるのかもしれないけど、気持ちは遊園地とかの帰り、運転手1人しか起きてない車内見たいな感じ。
いや、助手席に座っている人が話し相手には
なってくれてるか
「最低限の警戒はしているはずだぞ?多分」
「それなら良いけど。今日中には絶対階段までつかないし、ここら辺で野営の準備を始めた方が良いかな?」
まだ日が沈むまで時間は有るだろうけど、付近の魔物の討伐にテントの設営までするのは時間がかかるだろうし、途中で日が暮れたってなると面倒だから早めに決めた方が良いだろう。
ちなみにダンジョン内だけど太陽が出ているので、後どのくらいで日が沈むかは凡そ調べることが出来る。
「そうだな、コウの上で交代で睡眠して夜どうし進む方法もあるが、地図も無いんだし無理する必要ないだろう。今日はここまでにして野営の準備をする事になった。地上に降りるから各自戦闘出来るように準備してくれ」
サラッと恐ろしいこと言ってるけど、ジョークだよね?
もし、夜どうし進む事になったら、俺不眠不休で働き続ける事になるよ?
「流石に冗談だ。それに砂漠の夜は相当冷える。その時点で夜も進むのは得策じゃない」
砂漠だから昼と夜の寒暖差はすごいはずだよね。
持ってきたテントには温度を一定に保つ効果も有るからテントの中なら気にならないけど。
「ジョークでよかった。下に降りる階段を見つけるまで不眠不休だって言われたらどうしようかと」
「いつ辿り着くのか分からないのにそんな事言う訳ないだろう」
「それもそうか。おっと、もう地上からの攻撃が届くみたいだから気をつけてね、と言うか降りれる人から飛び降りて良いからね」
地上から結構な量の魔法が飛んでくるようになった。
リバイアサンの氷像と同化してると避けれないから、結構被弾している。
ダメージは無いけどちょっとくすぐったい。
皆が早く降りて同化を解除して人間の姿に戻れば普通に良けれるから、寧ろ早く飛び降りて欲しい。
いや、同化を解除して氷像に自由落下して貰えば良いか。下にいる奴を押しつぶせるし。
「やっぱ、飛び降りるの中止!このまま氷像で押しつぶしちゃおう」
同化を解除して人間の姿でそういったんだけど、結構ギリギリだった。
何人かもう飛び降りようとしてたから、
まだ上空1000mぐらいはあったんだけど、
流石にまだ降りようとする人が出るとは思ってなかった。
危ない危ない。
氷像が自由落下し始めて、上空100mぐらいで1度フィアの重力魔法で人間は浮いた状態にして貰った。
氷像と同じタイミングで地上に降りたら大変な事になるからね。
地面が硬い岩じゃなくて細かい砂だったから
氷像を落としても思ったより魔物の被害は少なかった。
倒しすぎてもハジメくんのレベル上げに支障が出ちゃうしちょうど良かったかもしれない。
「あんまり強そうな反応はしないけど、数だけは多いから油断しないように」
それだけ言って、各自で野営をする為に魔物の殲滅を始めた。
「やっと終わったー。ダンジョンて魔物の出ないセーフティーエリアとか無いんですか?」
ハジメくんがそんな事を言うが、確かにゲームとかではあったよね。魔物が出現しない安全なエリア。
「魔物の出ないエリアがあるダンジョンも有るらしいけど、フロンダンジョンは無いと思いますよ。それを含めての高難度という事でしょう」
「結構キツイよねしかもこの階層は地面の下から攻撃してくる魔物だっているのに、出てこれないように砂を凍らせて起きましょうか、冷たくない氷とかもできるし」
そう言って地面を凍らせた。
「これで、地面からの敵を警戒する必要が無くなりましたね。それだけでもだいぶ安全になりますし、テントを張るのにペグもさせます」
砂だと専用のペグじゃ無いとペグさせないもんな。あぶね〜このままだったら、寒い夜の砂漠なのにテントすら張れない可能性もあったのか。
本当タチの悪いダンジョンだなと思うコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます