第24話
フィロさんが復活するまで、よってくる魔物を迎撃しつつ暇つぶしをしていたけど、魔物の襲撃が一切途切れずに続いているのでフィアの重力魔法で空中に退避する事になったんだけど、試したい事が出来たので俺1人だけ地上に残っている。
「砂さえあれば好きに見た目を変えられるあのゴーレムを見て、俺も真似できないかな?って思ったんだよね」
水属性の魔法で大量の水を作り出し、水の精霊の能力でその水に同化する。
「ここまでは、普通に成功。と言っても水に同化するだけならやったこと有るし、問題はここから出来るかだよね」
ここから砂のゴーレム見たいに水をドラゴンの形に出来ないか試してみる。
細かくイメージ出来た方が良いだろうから、イスカのリバイアサンの姿を思い浮かべながら水を操作してみた。
「多分できたと思うんだけど、自分の姿を直接見る事が出来ないから、なんとも言えない。イスカに感想を聞いてみるか」
この状態でも精霊魔法を使えば普通に飛べたのでそのままの姿で皆のところに移動する。
「コウさんがリバイアサンになってます。
人間の姿のコウさんもカッコよくて素敵ですけど、リバイアサンの姿もかっこいいですね!」
確認する前に興奮したイスカにカッコイイと褒められた。
いや、イスカを見本にした訳だから自画自賛?
でも、リバイアサンの状態だと、俺にはサイズぐらいでしか見分けつかないんだよね。
人化している時は簡単に見分けがつくんだけど。
「ちゃんとリバイアサンに見えてるなら成功と言えるかな」
「そもそもなんでコウさんがリバイアサンの姿に竜化でも使えるようになったんですか?」
「ただ、水をリバイアサンの姿に似せてその水に同化して操ってるだけだよ。だから強さとか出来ることは、何も変わらないよ。
変わったのは見た目だけ。でも、見た目って重要でしょ?絡まれないためにも」
俺って人間の姿だと基本、舐められちゃうから、これならそんな奴出てこないでしょう。
「いやコウ1回冷静になって考えろ。
どう考えても新種の魔物と間違えられて攻撃されるのがオチだぞ」
「確かに、じゃあこれはなかった事に・・・」
しようと言おうとしたら、イスカが凄い悲しそうな顔をしてしまった。
やっぱり同族っぽい姿だから気に入ってくれたとか?
イスカと2人で海を散歩する時はこの姿でって言うの有りなのかも?
でも、水のままだと海中に入ったらわからなくなっちゃうか。
リバイアサンの姿に似せている水を凍らせて
動かせるか試してみると普通にグネグネ動かせるし、口もパカパカ開閉出来る。
固体なのに液体見たいに動かせるのが凄い不思議だけど魔法ってすげ〜って事だろう。
なんか見た目だけって言うのも勿体ないな、この姿だから出来ることって他に無いかな?
なにか活用法が無いかなと真下に集まってきた魔物をしっぽで叩き潰しながら考える。
「じゅうぶん、活用できてるじゃ無いですか、現在進行形で」
ハジメくんが何言ってんだこいつって顔でそう言ったけど、わざわざリバイアサンの姿にならなくてもできる事だから個人的にはちょっと違うって感じなんだよね。
リバイアサンの姿だから想像しやすい魔法・・・。
顔をこちらに向かってくる魔物に向けて口を開く。
口から全てを凍らせるビームをだすイメージで魔法を使った(シン・ゴ○ラのビーム的なイメージ)。
思ったより威力が高くて辺り一面凍ってしまって砂漠に居たはずなのに南極や北極のような見た目になってしまった。
「イスカのブレスをイメージして魔法を使ったんだけど、これはリバイアサンの姿の方がイメージしやすくて威力も上がる気がする」
人間状態で口からビームよりドラゴンの姿で口からビームの方が俺は想像しやすいし。
人間状態で口からビームを出すのはなんか嫌だ。
口から出さなければいい話なんだけど、ゲームに出てきたレーザー砲を打つイメージなら人間の姿でも問題ないだろうし。
「今日はダンジョンに潜るのが遅かったし、この階層は未探索だから何処に下に続く階段があるかも分からない。新技を考えるのも重要だが、このままだとここで野営する事になるぞ?」
フィアの言う通りだな。ダンジョンに潜った時間で昼過ぎだったのに、4層におりてすぐに戦闘だったせいでだいぶ時間が経ってるのに、プラス新技開発なんてしてたら日が沈んで、ここで野営する事になっちゃう。
「確かに、遊んでる場合じゃ無かったね。すぐに元に戻るから急いで先に進もう」
先に進む為、元の姿に戻ろうとしたらフィアから待ったがかかった。
「コウがそのままなら全員が上に乗って移動出来るからそれの方が早いんじゃないかと思ってな」
その通りだな。でも、このままのサイズだとデカすぎるから、全員が乗ってちょっとリラックス出来るぐらいのサイズまで小さくなろう。
サイズもほぼイスカ原寸大で再現したので
皆をのせて移動するには無駄に馬鹿でかいので、丁度いいサイズまで水を減らして調整した。
どの方向に向かうか話し合いひとまず。
ひたすら真っ直ぐ進む事になった。
読んでいただきありがとうございます。
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