第21話

ハジメくんのリクエストでカルボナーラを作る事になったので、まずはベーコンと玉ねぎを食べやすい大きさに切る。


次にフライパンにオリーブオイルをひいて、ニンニク→ベーコン→玉ねぎの順で中火で炒める。


炒め終わったら火を弱火にして牛乳とチーズを入れる。

チーズが柔らかくなってきたら茹でておいた生パスタを入れて、塩コショウで味を整える。


ここで火を止めてあらかじめ掻き混ぜておいた卵を全体にかけて、素早く絡める。


余熱で混ぜて、卵が全体に馴染んだら完成!


後はお好みで黒コショウをかけたりはご自由にどうぞって感じ。


「クリームソースのパスタですか。この味はペペロンチーノよりも子供にも人気が出そうですね。乳製品に卵まで使うので値段的には高くなってしまいますが」


「やっぱりそうか、ミートソースとかナポリタンとかなら安くて美味しいのも作れるかな?ナポリタンだとウィンナーだよねやっぱり。まずはウィンナーを作る必要があるか」



「他のパスタソースやウィンナーとやらも大変気になりますが、今はカルボナーラを作ってください。まだ人数分足りてないですよ?」


そうだった。割と大人数だからね今日。

でも、ステーキ作ってるならカルボナーラは量が少ない方が良いじゃないですか?

ダメ?ちゃんと1人前づつ?はい分かりました。


「やっと終わった」


「お疲れ様でした。配膳は私がしますから、皆様と一緒に先に食堂へ向かっていてください」


「待って、最後にデザートがちゃんと出来てるか確認してから行く」


そう言って冷蔵庫のような魔道具からフルーツソーダゼリーを取り出す。


「ちゃんと固まってる。良かった〜、炭酸も抜けてないでシュワシュワしてるし成功だ」


実は湯煎したら炭酸抜けるかも?ってちょっと思ってたから抜けてなくて良かった。


「デザートも大丈夫みたい。じゃあ俺は先に食堂に行ってるね」



ーーー


「話を聞いててそう言えばパスタってこっちで見た事ないなって思ったら、カルボナーラ食べたくなっちゃって」


「作りはしたけど、レベルの高いカルボナーラを期待されても困るからね?」


「元は普通の高校生ですから、レベルの高いカルボナーラ自体を食べた事無いですよ」


「お待たせ致しました。料理の方をお持ち致しました」


そう言ってメイドさん達が料理を配膳し始めた。


カルボナーラ、クジャタのステーキ、キノコのバター醤油焼き、コーンポタージュ。

どれも美味しそうだけど、凄い量だよね。

皆、普通に完食するだろうけど。


「おー、手作りなのに黄身がダマになってないですよ。それだけでちょっと感動。母が作るといつもダマになってたのに・・・これ以上はお通夜みたいな感じになっちゃいそうですからやめときましょう。せっかくの料理が冷めるのも勿体ないし」


一瞬ちょっとしんみりした空気になったけど、ハジメくん本人が流したので今は掘り返さない方が良さそうだ。

食べ終わったら聞いて見ようかな。



「これがパスタねぇハジメ、パスタってどうやって食べるのが正解なの?」


レイラさん達はハジメくんにパスタの食べ方を教えて貰いながらカルボナーラを食べている。


大丈夫そうだし俺も食べ始めよう。


先ずはクジャタのステーキから

霜降り肉も美味しいけど、脂身が少ない赤身の部分も美味しい。

肉質も柔らかいし脂が少ないからあっさり食べれる。


クジャタは全体的に脂少なめのお肉なんだよね。

普段食べるのはそれがいいんだけど。


和牛の霜降り肉的な肉をもった牛の魔物いないかな?

魔物の時点で動き回って結構な運動量だろうし、和牛みたいな霜降り肉って言うのは難しいかも?


キノコのバター醤油焼きもキノコの独特な食感もしっかりして食べると染み込んだバター醤油の味が出てきてとても美味しい。


コーンポタージュを飲んで少し食べるのを休憩、これだけでも結構満足なんだけど、まだカルボナーラが残ってるんだよね。


流石にみんなも辛いんじゃとチラッと確認すると皆ほぼ食べ終わってる。

これ俺が急いで食べないと、デザートが出てくるのが遅くなっちゃうやつだ。


急いで食べると言っても皿を手に持ってカルボナーラを口に流し込む訳には行けないので


あくまでお行儀はよく、それでいてスピードをあげるという地味にキツい事をする事になった。

俺のカルボナーラは量少なくて良いよってディアーネさんに言っておけばよかった。


「デザートをお持ち致しました」


「カラーゼリーフィッシュをそのままお皿にのせるよりこっちの方が絶対に良いな。

そのままでも美味しいのは確かなんだが」


そのままだとお皿の上にクラゲがのってる感じだからね。

見た目は微妙だよねやっぱり。


「ゼリーだ!ゼリーってことはゼラチン有るんですか?ゼリーぐらいなら全く料理しない高校生男子でも作れるかなって思って探したけど、見つからなかったですよ」


「これはゼラチンを見つけたんじゃ無くて、精霊界にゼラチンと同じ性質をしたクラゲがいたんだよ。ちなみにそのままでも食べれる」


「そんな魔物もいるんですね〜。精霊界行ってみたいな〜」


「まぁ、暇な時に連れてってあげるよ。はぐれたりしなければちゃんと人間界に帰って来れるし」


「逆にはぐれたら帰って来れなくなるんですか?」


「最悪の場合はそうなる」


「精霊界って名前的に幻想的な感じなのかなって思ってたんですけど、実はやばいところなんですか?」


基本的には幻想的で綺麗なところなんだけど、1部危険地域がほんとに危ないんだよね。

俺も近づいたことないし。


ひとまず、精霊界は綺麗で良いところだよ〜

安全だよ〜とハジメくんに言っておいた。

信じて貰えなかったけど。



読んでいただきありがとうございます。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る