第18話
「まぁ、どう使うのかは手に入れた人の自由ってことで 」
この話はこれ以上しても俺の立場が悪くなるだけだろうから話を変えよう。
「ディアーネさん、精霊石を砕いてオリハルコンに混ぜれば性能が上がるって言ってたよね?」
「そうですね。でも、コウ様の精霊石だと意味が無いと思いますよ」
「なんで?」
「効果が無いと言うよりか、オリハルコンの性能は上がりますけど、精霊石のまま使った方が性能が高いと言うのが正しいですね」
「そっか、じゃあ更に性能の高い素材は手に入らないのか」
ちょっと残念。
「コウ様の精霊石の性能を上回る素材なんて、其れこそフェムト様の作る精霊石とかそのぐらいじゃないですか?」
「俺の精霊石ってそんなに希少な感じだったの?」
作ろうと思えば普通に作れるものだからそんなイメージ無かったな。
「コウ、そもそも精霊王と言う存在が希少だからな?本人からしたら自覚がないと思うが」
俺自信がレアキャラだったなそういえば。
「その、本当に精霊石を混ぜることでオリハルコンの性能をあげられるんですか?」
「オリハルコンに限った話ではなく、金属は大体同じことが可能ですよ。また、混ぜる素材も精霊石である必要も無いです。ドラゴンのウロコを砕いて混ぜる事でも性能をあげたり出来ますよ。素材の性能差があり過ぎると意味が無いので注意が必要です」
「そんな事が出来るのですね...。帰ってからその技術を詳しく教えてもらう事は可能ですか?」
「報酬次第ですね」
「精霊が満足するような報酬ですか…」
フィロさんがすごい悩みだしてしまった。
「アイツの場合ある意味簡単よ。珍しい食材か食べ物が有れば満足するわ」
サリーさんが呆れたような表情でフィロさんに助言をしている。
普通の精霊ってどんな報酬が嬉しいんだろ?
ちょっと気になる。
「ねぇサリーさん、普通の精霊はどんな報酬が嬉しいの?」
「バターとか魔力の籠った髪の毛でしょうか?髪の毛は金髪なら尚良しです。でもアイツの場合は...」
「バターはそこそこ嬉しいですが、髪の毛はマジで要らないです。寧ろなんで欲しいんですか?」
危ねー。サリーさんの金髪って発言でフィロさん自分の髪の毛バッサリ切ろうとしてたよ?
フィロさんみんなの想像するような金髪エルフだから。
「私からの希望としてはエルフ以外があまり食べない食材や料理等がいいですね」
「フィロさんの変わりに俺が地球の料理を教えるとか駄目ですか?異世界の料理ってエルフの料理より希少な感じがしません」
ハジメくん確かに普通はそうなんだけど……
「異世界の料理はコウ様がいますから、聞かなくても勝手に作り始めますし。でもそうですね。勇者には異世界の農業について教えてもらう予定でしたね。あれ自体はサリーの罰の変わりに教えてもらうと言う約束ですが、恩を売っておくと言うのも有りですね。ダンジョンから帰ったらしっかり教えてあげましょう」
結果オーライ?まぁ、ディアーネさんが教える気になったみたいで良かった。
最初は報酬があればとか言ってたけど、教えるつもり微塵も無さそうだったからな。
これが料理を教えてとかだったら凄いやる気出すのに...ほんとディアーネさんって料理に関係しないものに興味がないと言うか。
「そう言えば、エルフって木でお皿とか作ったりしないの?料理って盛り付けるお皿とかの出来栄えも重要じゃない?」
しまった、つい思った事を口に出しちゃった。また話がややこしくなるかも。
「木彫りのお皿は有りますが、割とお手入れが面倒ですし、陶器のお皿の方が綺麗だと思うんですが…」
「ハジメくんはどう思う?」
「木彫りもありだと思いますよ?でも、木彫りも陶器も丸、以外に色々な形があっても良いかも知れないですね。後、色も陶器のお皿は白しか無いから他の色のお皿があってもいいと思うんですよね」
「成程、面白い意見ですね。地球ではそうだったという事ですかコウ様?」
「色々あったよ。俺は1人暮しだったから盛り付けとか気にしなかったから鍋のまま食べたりしてたけど」
一人暮らしで、盛り付けまで頑張れる人って相当少ないと思うんだよね。
そんな事無いかもしれないけど、俺はそこまで頑張れなかった。
「その話は今度にしたらどうだ?ダンジョンにレベルをあげる為に来てるんだろう?」
お皿の話をいましたってすぐできる訳じゃない。もし、作れたとしてもダンジョン攻略に必要ないしね。
「確かに脱線しすぎたね。さっさと強化クラーケン倒して4層に進もうか。クラーケンのところに一気に転移するけど、ハジメくん達は準備、大丈夫?」
「結構休憩出来ましたし、いつでも大丈夫です」
今度はしっかり確認をとってから前回クラーケンが守っていた4層に降りる島に転移したのだが…。
「こりゃ予想外、さてどうするのが良いかな?」
既に強化クラーケンと戦っている冒険者がいた。
大鷲に乗った冒険者が強化クラーケンの注意を引いて、島にいる残りの冒険者が、ちまちまダメージを与える作戦みたいだ。
変に関わって面倒事になるのはゴメンだし
このまま4層に行くのが良いかな?
皆に相談しようとした瞬間。
「動くな!」
遅かったか〜。
話がわかる人だといいんだけど。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます