第17話
「説明するのすっかり忘れてました。
ゴメンなさい」
俺が魔法を使うからみんな地上にいる時と変わらず活動できるよって教え無いで、いきなり海底に転移させちゃったから、ハジメくん達はパニックに。
その後、何とか落ち着かせて今に至る。
「まぁ、自分たちも冷静になれば呼吸が出来てるって分かるのに、焦って騒いじゃってましたから」
「それより採集です!光るサンゴも凄いですけど、この岩場オリハルコンの鉱脈ですよ!」
オリハルコン!
前にミスリルやアダマンタイトみたいなファンタジー鉱石が存在したから、
オリハルコンもあるのってフィアに質問したら。存在するのは確かだけど、見た事がないって言われたファンタジーの定番、最強金属。
「フィロさんはよくオリハルコンって分かりましたね」
「エルフの国の宝物庫にオリハルコンで作られた物があったので気づくことが出来ました」
確かに国の宝物庫にならオリハルコンの武器とかも有りそう。
せっかくのファンタジー最強金属、俺も採掘していこう。
でも、ここで採掘しなくてもフェムトがいっぱい持ってる気がする。
それに今の装備に不満なんてないし。
オリハルコンもしかして要らない子?
でも、使うかもしれないし採掘しておくか。
ピッケル持ってないけど、どうやって採掘しようか。
ピッケルをオリハルコン鉱脈に対して一心不乱に振り下ろしているフィロさんを見ながら少し考える。
それに何処にどれだけオリハルコンが含まれてるか分からないし、やっぱり採掘は良いや
この先きっとオリハルコンゴーレムとか出てくるだろう。
それを倒せば既に精錬されたオリハルコンが手に入るしその方が楽だろう。
もしかしたらオリハルコンみたいに他にも激レア素材があるかもしれないし、俺はそれを探そう。
「光るサンゴとオリハルコン以外はめぼしいもんのは無かったな〜」
色々探し回ったけど結局オリハルコンと光るサンゴ以外は何も見つからなかった。
「オリハルコンがあっただけでやばいですからね?しかもこれだけの量...国がリスクをおってでもここまで採掘しに来るかもしれませんね。ちなみにここの水深はどのぐらいなんですか?」
「水深100万m。まぁ人間じゃここまで来るのは無理だと思うよ」
魔道具とかを使っても人間が潜ってこれるような深度じゃ無いからね。
「だからこそオリハルコンが採掘出来るという事ですか…。冷静に考えればオリハルコンが簡単に取れるわけないですからね」
正直、国がリスクをおってでも採掘しようとすれば、採掘出来る程度のレベルだったら
公爵令嬢のフィアがオリハルコンを1度も見た事ない、なんて事無いだろうしね。
「精霊王様は採掘しなくて良かったんですか?」
「オリハルコンがどれだけの性能を持ってるか分からないけど、精霊石で作った刀があるし、防具もリバイアサンの鱗を使ってるから変える必要ないし、そこまで欲しいものじゃないかな〜って、この先オリハルコンゴーレムが出てきたらそれ持って帰れば良いかな?くらいの気持ち」
「確かに、精霊王様が作った精霊石ならオリハルコンなんかよりも全然性能が高い可能性も...。【抽出】、精霊王様このインゴット精霊石で作った刀で斬ってみて貰えませんか?」
オリハルコン鉱石から錬金術を使ってオリハルコンだけを抽出したのかな?
魔物の素材を糸に加工したり、錬金術はほんとに色んなことができるな。
今はオリハルコンの性能がどのぐらいなのか試さないと、精霊刀を構える。
精霊刀をインゴットの真ん中に振り落とした。
結果オリハルコンのインゴットは綺麗に2等分になった。
「まだ軽く振ったぐらいだったんだけど、なんの抵抗もなく斬れたな」
精霊刀に刃こぼれが無いか一応確認するが見当たらなかった。
「精霊石の方が性能が高いのは何となく想像出来ていましたが...まさかここまで差があるとは思いませんでした」
俺もちょっと予想外だった。だってほんとに斬った感覚しなかったよ。豆腐を包丁て切ってるみたいな感じ。
「コウ様が直接作った精霊石だったからここ迄の差が出たんだと思いますよ。私が作った精霊石だと両断は出来ますが、こんなに綺麗な切断面にはならないですし、刃こぼれもしてしまいます」
更にディアーネさんの説明が入った。
やけに詳しいな…なんか嫌な予感がする。
「ディアーネさんなんでそこまで詳しいの?」
「それは実際に試しましたからね。最高の包丁を作るために色んな金属を試しました。
結果はオリハルコンに精霊石を砕いてオリハルコンに混ぜた物が1番いい性能でしたね。それがこの包丁です!どうですか!この包丁に切れないものはありません!」
この人伝説の金属で包丁作りやがった。
フィロさんなんてあまりの衝撃に固まっちゃったよ?
えっ包丁?オリハルコンで?ってブツブツ繰り返し言ってるし。
「ディアーネさん流石に伝説の金属の使い道が包丁ってどうなの?」
「人間ではでしょう?精霊界ならオリハルコン程度わんさか取れますよ。それよりコウ様が使っている調理器具1式だってご自分で作った精霊石を使って作ってますよね?」
精霊界でだったらオリハルコン簡単に手に入るんだ。
フェムトがいっぱい持ってるとかそんなレベルじゃ無かった。
「精霊石は自分で作るものだし。何に使うかなんて俺の自由でしょ?」
「精霊王様が作った精霊石で調理器具...
聖剣じゃ無くて調理器具...」
「完全にどんぐりの背比べでしょう」
ため息混じりのハジメくんにそう言われてしまうコウとディアーネだった。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます